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繋がり
1話 前よりは
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「アクラム」
あの日から数日が経ち、以前よりも明るい声色でアウスはアクラムに話しかけていた。
「ただいま。1人でも大丈夫だったか?」
玄関に入るとすぐに駆け寄ってきたアウスを抱きしめて聞いてみる。
あの日までは、アウスを1人にするのは良くないと思い、アクラムは仲間に買い物などを頼んでいた。もしくは、アウスが寝ているのを確認してから買い物に行っていた。
でも、流石にもう頼むわけにもいかなくて、今日はアウスに1人で留守番ができるのか聞いてから出かけていたのだ。
「大丈夫だった。でも、アクラムいないの寂しかった」
少ししょんぼりとしながら言う姿は年相応の少年。それが、アクラムの前でもの素直に気持ちが出せるようになったことを示していた。
「そうか。今度はアウス、お前も連れて行ってやるからな」
「う、うん。僕、こんな大きな街に来たことないから楽しみ」
家の庭から見える景色は、都会そのものだった。家々が立ち並び、たくさんの人々が住んでいて、どこからともなくいい匂いがする。
「そうだったのか。なら、きっと楽しいぞ」
「うん」
思いっきり頷き、アウスは喜んだ。
でも、それからも当分は街の中心地へと行くことはなかった。
人がアウスにとって、怖いものとなっていたから。
あの日から数日が経ち、以前よりも明るい声色でアウスはアクラムに話しかけていた。
「ただいま。1人でも大丈夫だったか?」
玄関に入るとすぐに駆け寄ってきたアウスを抱きしめて聞いてみる。
あの日までは、アウスを1人にするのは良くないと思い、アクラムは仲間に買い物などを頼んでいた。もしくは、アウスが寝ているのを確認してから買い物に行っていた。
でも、流石にもう頼むわけにもいかなくて、今日はアウスに1人で留守番ができるのか聞いてから出かけていたのだ。
「大丈夫だった。でも、アクラムいないの寂しかった」
少ししょんぼりとしながら言う姿は年相応の少年。それが、アクラムの前でもの素直に気持ちが出せるようになったことを示していた。
「そうか。今度はアウス、お前も連れて行ってやるからな」
「う、うん。僕、こんな大きな街に来たことないから楽しみ」
家の庭から見える景色は、都会そのものだった。家々が立ち並び、たくさんの人々が住んでいて、どこからともなくいい匂いがする。
「そうだったのか。なら、きっと楽しいぞ」
「うん」
思いっきり頷き、アウスは喜んだ。
でも、それからも当分は街の中心地へと行くことはなかった。
人がアウスにとって、怖いものとなっていたから。
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