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目覚めの時
1・夢の中で
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アウスが眠りに入ってから,1時間経った頃。
あたり一面にお花が広がっているところにアウスはいた。
(ここはどこ?)
不思議に思いながら,綺麗な花々を見つめる。色は,白や黄色といった色から,ピンクや水色,オレンジなんかもあった。色とりどりの花に囲まれながら,気分が良くなってアウスはそこに寝転がった。
上を見上げると青い空は見えない代わりに,白くあたり一面を何かが覆っている。そんな不思議な空間が広がっていた。アウスは普段と違うことに戸惑いながらも心地よさを感じてしまう。
「……アウス?」
突然,どこからともなく,女性の声が聞こえてくる。
(だれ?)
起き上がって,声のする方にアウスは目をやると,そこには綺麗な格好をした,母の姿があった。
「お母さん?」
いなくなってしまった母の姿が入ってきて,アウスは嬉しくて笑顔で母の元へと駆け出した。
「アウス」
母もアウスが向かってくると嬉しそうにアウスのことを思いっきり抱きしめた。
一方のアウスも,母の温もりを感じて,母がここにいるんだと確信が持てて,今までのことが嘘だったのではないかと考え始めていた。
「お母さん」
「アウス。元気そうね」
ホッとした様子で母は,アウスの頭を撫でながら,口を開いた。
「元気じゃなかったよ。だって,お母さん,いなくなっちゃったから」
アウスは,くりくりとした目で母を見上げて,そう話した。
「何言ってるの?アウス,お母さんは,ここにいるじゃない」
ニコッと,いつもの優しい笑みを浮かべて何もなかったかのように母は振る舞っている。
「え,でも……」
「なに?何かあったの?」
母は,不思議そうな顔をしてアウスを見つめた。
「ううん。何にもない」
(きっと悪い夢だったんだ。僕が悪い夢を今まで見ていたんだ)
アウスは,自分にそう言い聞かせて,母のことを見る。やっぱり,母はいつも通りで,何もなかったかのような顔をしていた。
「そう,ならよかったわ」
あたり一面にお花が広がっているところにアウスはいた。
(ここはどこ?)
不思議に思いながら,綺麗な花々を見つめる。色は,白や黄色といった色から,ピンクや水色,オレンジなんかもあった。色とりどりの花に囲まれながら,気分が良くなってアウスはそこに寝転がった。
上を見上げると青い空は見えない代わりに,白くあたり一面を何かが覆っている。そんな不思議な空間が広がっていた。アウスは普段と違うことに戸惑いながらも心地よさを感じてしまう。
「……アウス?」
突然,どこからともなく,女性の声が聞こえてくる。
(だれ?)
起き上がって,声のする方にアウスは目をやると,そこには綺麗な格好をした,母の姿があった。
「お母さん?」
いなくなってしまった母の姿が入ってきて,アウスは嬉しくて笑顔で母の元へと駆け出した。
「アウス」
母もアウスが向かってくると嬉しそうにアウスのことを思いっきり抱きしめた。
一方のアウスも,母の温もりを感じて,母がここにいるんだと確信が持てて,今までのことが嘘だったのではないかと考え始めていた。
「お母さん」
「アウス。元気そうね」
ホッとした様子で母は,アウスの頭を撫でながら,口を開いた。
「元気じゃなかったよ。だって,お母さん,いなくなっちゃったから」
アウスは,くりくりとした目で母を見上げて,そう話した。
「何言ってるの?アウス,お母さんは,ここにいるじゃない」
ニコッと,いつもの優しい笑みを浮かべて何もなかったかのように母は振る舞っている。
「え,でも……」
「なに?何かあったの?」
母は,不思議そうな顔をしてアウスを見つめた。
「ううん。何にもない」
(きっと悪い夢だったんだ。僕が悪い夢を今まで見ていたんだ)
アウスは,自分にそう言い聞かせて,母のことを見る。やっぱり,母はいつも通りで,何もなかったかのような顔をしていた。
「そう,ならよかったわ」
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