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目覚めの時
3・おはよう
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確かに一瞬,アクラムのことを怖いとアウスは思った。
体温を感じて,何をされるか分からなかったから。けれど,その一瞬だけ。
むしろ,その一瞬すらも驚いただけなのかもしれない。それに,アウスがやめて欲しいと願えば、簡単に手を離してくれる。
アクラムをもう怖いとアウスは思わなかった。
「いいのか。触れても。怖くないか?」
アクラムは,昔から怖いと言われていた。ここら辺では,珍しい髪の毛の色と瞳の色をしていたから。
「ん……だいじょうぶ」
アウスは,頷いてアクラムの手を握った。ほんの少し震えながら。やっぱり身体はまだ恐れていたのだ。
アクラムは震えるその手を見てやって,優しくゆっくり触れて,握っていく。アウスが,逃げれるように。
「……怖かったらすぐに離していいからな」
「う,ん」
大きくて,暖かいアクラムの手は、今のアウスにとって,安心できるものでもあった。
「そうか。いい子だ」
アクラムはそう言って,もう一度アウスの手を握り込んだ。もちろん優しく。
(暖かい)
アウスの心は次第に落ち着いて,息も正常になり始めた頃。緊張の糸が途切れてか,アウスがうとうととし始めた。
(眠い……でも……)
「大丈夫」
アクラムは,戸惑いながらもアウスの頭を撫でた。
「大丈夫だから,ゆっくりと寝ていていい」
もう一度,撫でてやって,アクラムはアウスを寝かしつけた。
「おやすみ」
アウスはそれだけ言って,眠りに入った。
体温を感じて,何をされるか分からなかったから。けれど,その一瞬だけ。
むしろ,その一瞬すらも驚いただけなのかもしれない。それに,アウスがやめて欲しいと願えば、簡単に手を離してくれる。
アクラムをもう怖いとアウスは思わなかった。
「いいのか。触れても。怖くないか?」
アクラムは,昔から怖いと言われていた。ここら辺では,珍しい髪の毛の色と瞳の色をしていたから。
「ん……だいじょうぶ」
アウスは,頷いてアクラムの手を握った。ほんの少し震えながら。やっぱり身体はまだ恐れていたのだ。
アクラムは震えるその手を見てやって,優しくゆっくり触れて,握っていく。アウスが,逃げれるように。
「……怖かったらすぐに離していいからな」
「う,ん」
大きくて,暖かいアクラムの手は、今のアウスにとって,安心できるものでもあった。
「そうか。いい子だ」
アクラムはそう言って,もう一度アウスの手を握り込んだ。もちろん優しく。
(暖かい)
アウスの心は次第に落ち着いて,息も正常になり始めた頃。緊張の糸が途切れてか,アウスがうとうととし始めた。
(眠い……でも……)
「大丈夫」
アクラムは,戸惑いながらもアウスの頭を撫でた。
「大丈夫だから,ゆっくりと寝ていていい」
もう一度,撫でてやって,アクラムはアウスを寝かしつけた。
「おやすみ」
アウスはそれだけ言って,眠りに入った。
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