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1章

4話 大丈夫じゃない

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 次の瞬間には、指が中へと入り込んできた。

「うっ」

 いつ挿れられるのか言われないので驚きで声が出てしまう。なのに、涼斗の身体は痛みを伴うことなく、指をすんなりと受け入れた。

「調べていくからね」

 そう宣言すると指を上下左右にかき動かされ、中がどうなっているか確認される。そのたびに、涼斗の身体はピクリと反応をして、声が出てしまいそうになる。

「んっ……」

「声我慢しなくていいからね」

 涼斗の状態を知ってかそう言われる。けれど、そんなことできるはずもなくどうにか口を噤み、早く終わるのを必死に待った。

「うん。特に、発情期ヒートで濡れていることはないね」

 数分間、動かされていた指が止まり引き抜かれる。

「えっ、あっ」

 その瞬間、涼斗の身体はしっかりと反応し、声も出てしまった。

「大丈夫かな?」

 すぐに涼斗の声に反応をして、医師は椅子から立ち上がり、カーテンを一度開ける。
 すると、涼斗が今どんな格好をしているのかはっきりと分かり余計に恥ずかしくなった。頬を紅潮させ、目には涙を浮かべ、息は上がっている。
 
「うん。大丈夫だからね」

 涼斗の顔を覗き込み、落ち着かせるように身体に触れる。

「やっ、め」

 すでに感じやすくなっている涼斗の身体はなんでも快楽へと結びつけようとしてしまう。

「ごめんね。気にすることないんだからね」

 慰められるように言いつつ、手を再び肌に滑らしてくる。

「んっ、やっ、め」

「あぁ、ごめんね。次が最後だからね」

 わざとらしく謝ってから、次の準備を始めた。
 遮っていたカーテンは閉められることなく、何もかも見える状態で。
 
「痛いかもしれないけど、頑張るんだよ」

 金属音が聞こえ、医師が座った。
 涼斗には医師の手が見えないので、何を使われるのかよく分かっていない。それでも、なんとなく分かってしまう。

「じゃあ、挿れていくから、力は抜いていてね」

 医師はそう言って、お尻の穴を広げようと両手で触ってくる。

「……っ」

 涼斗は大きく息を吸い、つい身体に力を入れてしまった。

「ダメだよ。力は抜いておかないと」

 鋭く睨まれ、何度か力を抜くために呼吸を繰り返す。次第に、力は抜け、穴も先ほどまで触られていたせいかすんなりと広げられた。

「いい子だね。冷たいかもだけど、頑張るんだよ」

 器具があてがわれ、皮膚へと触れると中へと入り込んでくる。

「うっ……あっ……」

「大丈夫。もう少しで入りきるからね」

 苦しくなりながら、動きが止まるのをじっと待ち続ける。

「これで全て入り切ったからね。じゃあ、中見ていくから、もう少し拡げるね」

 ゆっくりじっくりともっと拡げられていく。そのたびに、声が出そうになる。それでも、口を閉じ出ないようにと必死になった。

「怖くないからね」

 拡げ終わり、中が見やすくなると医師は涼斗の方へと顔を近づけ、黙ってみ始める。それと同時に涼斗は恥ずかしさとやるせなさを感じて、泣きそうになった。

「うん。子宮も特に大丈夫そうだね」

 医師が確認をし終わると拡げられていた器具をゆっくりと閉じていき、器具はすんなりと抜かれた。

「……もう」

「うん。終わりだよ」

 
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