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6章
5話 記念日に
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「カイン様、失礼します」
部屋の前で坊ちゃんが出てくるのを待つ。
「レオ待ってたよ」
扉が開くなり,坊ちゃんはニコッと嬉しそうに口角を上げる。と同時に僕の手を取ってすぐに部屋に入れられる。
「あの,びっくりするのでそれはやめてもらえませ…んっちょっ…うっんっ。だ,だから」
入った瞬間に,口を塞いでくる。
「せっかくの記念日だよ。今日くらいいいでしょ?許してよ」
今日は,付き合って一年目の記念日。2人にとっては大切な日で,これからも僕が大切にしていきたい日。
「これは,いつものことだと思うのですが…」
2人きりになるとこれ見逃しみたいな感じで,坊ちゃんはキス魔になる。というよりも,キスくらいしか僕が許していないからそうなっているだけのようにも思う。
「そうだね。なら,今日はもっと先までいってもいい?」
「カイン様…それは、ちょっと…」
嫌なわけではない。それでも,やっぱり僕は昔を思い出して一歩前に進めない。
「なら,いいところまで教えてよ。ね」
耳元で囁かれながら聞かれる。
「いいところって…」
てっきり,今日はcolorをつけるだけだと思っていたので予想外の出来事すぎて頭が追いついていない。
「レオ,嫌だったらちゃんとセーフワード使ってね」
一応,それだけを言われて命令を使われる。
「kneel」
その声で簡単にその場に座ってしまう。
「…っ」
「嫌だ?」
「…ううん。嫌じゃない…。びっくりしただけです」
「それなら……ってやっぱりやめるね」
僕と目が合うなり,坊ちゃんはそう切り出した。
「えっ?どうして?」
悪いことしたかなとか気分害することしてしまったかなとか不安になる。
「…ごめんなさい…僕…」
坊ちゃんの体温が近くにあるのに感じれてない距離にあって余計に不安が増す。
「そうじゃない。レオが体調悪そうだったから…無理だったら言って欲しいって言ったけど,レオなら言わないなとも思ったからやめようと思ったんだ…これ以上は…約束も破りたくないしね」
僕の方に来て,僕が手を伸ばせば触れれる距離のところまでくる。そうして,優しく僕に触れた。
「わ,わかりました」
「じゃあ,colorつけるね。」
わざわざ首に口付けをされて、恥ずかしくなる。
「…んっ…うん」
慣れない手つきで僕にcolorをつけていく。
ゆっくりと優しく包み込むような手で。触れられたところから感じる温もりはとても暖かくて心地が良かった。
「苦しくない?」
つけ終わると,聞かれて僕は首を横に振った。
「なら、どんな気分?say」
頭から坊ちゃんの体温を感じつつ、目を合わせられて聞かれる。
「…え…っと,なんか坊ちゃんのものなんだなと言う気分です…」
素直に思っていることを言うのでどこか恥ずかしくなった。自分が,自分じゃないみたいな感じ…。でも,昔とは違くてそこに無力感とかは感じていない。ただただ満たされて幸せを感じる。
「そっか…具合悪くはないってことだよね?」
「…大丈夫です…」
「ふぅ…よかった。それに,その色合いレオによく似合ってる。えへっ」
「っう…ん」
自分でカラーに手を当て幸せを噛み締める。
僕が自ら望んで坊ちゃんにお願いをしたと言うこと。坊ちゃんと離れたくないと言うことを。
部屋の前で坊ちゃんが出てくるのを待つ。
「レオ待ってたよ」
扉が開くなり,坊ちゃんはニコッと嬉しそうに口角を上げる。と同時に僕の手を取ってすぐに部屋に入れられる。
「あの,びっくりするのでそれはやめてもらえませ…んっちょっ…うっんっ。だ,だから」
入った瞬間に,口を塞いでくる。
「せっかくの記念日だよ。今日くらいいいでしょ?許してよ」
今日は,付き合って一年目の記念日。2人にとっては大切な日で,これからも僕が大切にしていきたい日。
「これは,いつものことだと思うのですが…」
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「そうだね。なら,今日はもっと先までいってもいい?」
「カイン様…それは、ちょっと…」
嫌なわけではない。それでも,やっぱり僕は昔を思い出して一歩前に進めない。
「なら,いいところまで教えてよ。ね」
耳元で囁かれながら聞かれる。
「いいところって…」
てっきり,今日はcolorをつけるだけだと思っていたので予想外の出来事すぎて頭が追いついていない。
「レオ,嫌だったらちゃんとセーフワード使ってね」
一応,それだけを言われて命令を使われる。
「kneel」
その声で簡単にその場に座ってしまう。
「…っ」
「嫌だ?」
「…ううん。嫌じゃない…。びっくりしただけです」
「それなら……ってやっぱりやめるね」
僕と目が合うなり,坊ちゃんはそう切り出した。
「えっ?どうして?」
悪いことしたかなとか気分害することしてしまったかなとか不安になる。
「…ごめんなさい…僕…」
坊ちゃんの体温が近くにあるのに感じれてない距離にあって余計に不安が増す。
「そうじゃない。レオが体調悪そうだったから…無理だったら言って欲しいって言ったけど,レオなら言わないなとも思ったからやめようと思ったんだ…これ以上は…約束も破りたくないしね」
僕の方に来て,僕が手を伸ばせば触れれる距離のところまでくる。そうして,優しく僕に触れた。
「わ,わかりました」
「じゃあ,colorつけるね。」
わざわざ首に口付けをされて、恥ずかしくなる。
「…んっ…うん」
慣れない手つきで僕にcolorをつけていく。
ゆっくりと優しく包み込むような手で。触れられたところから感じる温もりはとても暖かくて心地が良かった。
「苦しくない?」
つけ終わると,聞かれて僕は首を横に振った。
「なら、どんな気分?say」
頭から坊ちゃんの体温を感じつつ、目を合わせられて聞かれる。
「…え…っと,なんか坊ちゃんのものなんだなと言う気分です…」
素直に思っていることを言うのでどこか恥ずかしくなった。自分が,自分じゃないみたいな感じ…。でも,昔とは違くてそこに無力感とかは感じていない。ただただ満たされて幸せを感じる。
「そっか…具合悪くはないってことだよね?」
「…大丈夫です…」
「ふぅ…よかった。それに,その色合いレオによく似合ってる。えへっ」
「っう…ん」
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僕が自ら望んで坊ちゃんにお願いをしたと言うこと。坊ちゃんと離れたくないと言うことを。
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