40 / 73
4章
10話 レオの背中 side坊ちゃん
しおりを挟む
レオの背中を見た瞬間,言葉を失いかけたと同時に,レオが今まで隠していたものを僕が無理やり暴こうとしたのだと感じた。
だから,嫌だったら言ってなんて言った。けれど,レオはきっと言ってくれないだろうなと思う。レオは,よく僕に隠し事をするから。
それでも,僕のこと,信用していると言ってくれて嬉しかった。
まあ,僕はレオのことだったらなんでも知りたいし、なんでも話して欲しいなんて当たり前のように考えている。
だって好きだから。
「身体,少しはすっきりした?」
背中を拭き終えて僕は聞く。
背中には,痛々しい傷が一生消えることのない傷が残っている。
「すっきりしました。坊ちゃんの手は優しいですから,怖くもなかったですよ」
「う,うん。それならよかった……それで,腕とかお腹とかは自分で拭く?」
もう,レオが嫌なことをやりたくなかった。今無理やり僕に拭かれたんだろうと思ったから。
「自分で拭けます。けど,坊ちゃんが拭いてくれるんですよね?」
「なんで?嫌じゃないの?」
不安になって何度も確かめてしまう。
「嫌ではないですよ。坊ちゃんに触れられるのは。もちろん,嫌なことはあります。けど,今,拭かれて思ったのは心地がいいでした。それでは,ダメですか?」
「ダメじゃない。僕がレオのためにできること探して見つけたことだったから,喜んでくれるのは嬉しい。だけど…レオが喜んでも身体が辛かったら意味がない。それは,この傷をつけた人と同じになる。僕は…レオの心も身体も傷つけたくない。だから…」
それ以上を喋ろうとした時にレオの手が僕の方に伸びていた。
「…ん?」
視界が急に狭くなった。それと同時に,レオの方に抱き寄せられたのだと知る。
「ほら,大丈夫でしょ?って,出会った頃と同じですね」
レオはニコニコの笑顔で優しく言った。
「大丈夫なのは,知ってる。けど,さっき,触れた瞬間に身体がビクッと震えていたから…」
「あれは,普通にびっくりしただけですよ。だから,本当に大丈夫です」
僕の方をしっかりとした目で見ながらレオが言う。
「…なら,僕が拭いてもいい?」
「もちろんです。では,私は,力を抜いておきますね」
「う,うん」
レオの腕は,筋肉がしっかりとついていて,やっぱり大人なんだなと思う。それに,重かった。
ゆっくりと拭いていき,結局最後まで僕がレオの身体を吹いた。
「ありがとうございます。これで,少しはすっきりしました」
「ほんと?僕嬉しい。レオが喜んでくれることができたの」
「私も嬉しいですよ。坊ちゃんが私のために何かしようと思ってくれたこと」
だから,嫌だったら言ってなんて言った。けれど,レオはきっと言ってくれないだろうなと思う。レオは,よく僕に隠し事をするから。
それでも,僕のこと,信用していると言ってくれて嬉しかった。
まあ,僕はレオのことだったらなんでも知りたいし、なんでも話して欲しいなんて当たり前のように考えている。
だって好きだから。
「身体,少しはすっきりした?」
背中を拭き終えて僕は聞く。
背中には,痛々しい傷が一生消えることのない傷が残っている。
「すっきりしました。坊ちゃんの手は優しいですから,怖くもなかったですよ」
「う,うん。それならよかった……それで,腕とかお腹とかは自分で拭く?」
もう,レオが嫌なことをやりたくなかった。今無理やり僕に拭かれたんだろうと思ったから。
「自分で拭けます。けど,坊ちゃんが拭いてくれるんですよね?」
「なんで?嫌じゃないの?」
不安になって何度も確かめてしまう。
「嫌ではないですよ。坊ちゃんに触れられるのは。もちろん,嫌なことはあります。けど,今,拭かれて思ったのは心地がいいでした。それでは,ダメですか?」
「ダメじゃない。僕がレオのためにできること探して見つけたことだったから,喜んでくれるのは嬉しい。だけど…レオが喜んでも身体が辛かったら意味がない。それは,この傷をつけた人と同じになる。僕は…レオの心も身体も傷つけたくない。だから…」
それ以上を喋ろうとした時にレオの手が僕の方に伸びていた。
「…ん?」
視界が急に狭くなった。それと同時に,レオの方に抱き寄せられたのだと知る。
「ほら,大丈夫でしょ?って,出会った頃と同じですね」
レオはニコニコの笑顔で優しく言った。
「大丈夫なのは,知ってる。けど,さっき,触れた瞬間に身体がビクッと震えていたから…」
「あれは,普通にびっくりしただけですよ。だから,本当に大丈夫です」
僕の方をしっかりとした目で見ながらレオが言う。
「…なら,僕が拭いてもいい?」
「もちろんです。では,私は,力を抜いておきますね」
「う,うん」
レオの腕は,筋肉がしっかりとついていて,やっぱり大人なんだなと思う。それに,重かった。
ゆっくりと拭いていき,結局最後まで僕がレオの身体を吹いた。
「ありがとうございます。これで,少しはすっきりしました」
「ほんと?僕嬉しい。レオが喜んでくれることができたの」
「私も嬉しいですよ。坊ちゃんが私のために何かしようと思ってくれたこと」
0
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説


男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。


塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる