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4章
4話 大丈夫? side坊ちゃん
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「レオ,大丈夫?」
僕はレオが寝ている部屋のドアを開ける。
部屋から出てきた先生が僕にレオのことをよろしくねとだけ言い残して帰って行った。
「大丈夫ですよ」
レオは笑顔で言っている。それなのにどこか苦しそうに見える。
それはきっと,さっきドアの前で立って待っていた時についつい,レオと先生の話し声が聞こえてきてしまったから。
苦しそうに声を出しているレオの声が。
「ほんと?僕といるの本当に嫌じゃない?家帰りたいとか思ってないの?」
「…もちろんですよ。思っていませんよ。もしかして,先ほどの話を聞いていたのですか?」
「聞く気は,なかったんだけど聞こえてきたから…ごめん」
人の話を盗み聞きするなんてことが悪いと知っている。けれど…聞こえてきてしまったからには,気にならないわけがなかった。
「いえ,別にいいですよ。それより,坊ちゃん,こちらにきてください。ほんの少しでいいですから」
「う,うん」
ドアのところからレオの寝ているベッドに近づいた。
「だ,大丈夫?」
ベッドに手を置いて聞いてみる。
本当は,手に触れたい,レオに触れたいそんなふうに思ったけれど,そんなこと,できなかった。話し声が聞こえてきてしまったから。
「…大丈夫です。体力はありませんが,身体は元気ですよ。だから,ほら」
レオのほっそりとした手が僕の方に伸びてくる。僕は,それを見て,手を伸ばし,レオの手を握った。
「レオ…?」
「うん。ありがとうございます。やっぱり坊ちゃんの手は心地いいですね。ですから,そんなに心配しないでください」
早口でそう喋る。
「う,うん。でも,辛くなったら言って。僕ができることはなんでもするから」
「ありがとうございます。では,私が寝るまでほんの少しの間ここにいてもらってもいいですか?」
「もちろん。でも寝ちゃうの?」
起きたばかりで,休んでほしい気持ちもあった。けれど,また目覚めないのではないかと思うと,不安でたまらなくなる。
「大丈夫です。今は,自分の意思で寝るのですから。安心してください。それに,坊ちゃんの近くにいると大丈夫な気がしますから…」
「ほんと?なら,わかった。それとね、僕もレオと離れたくなかったからそんなこと言ってくれるのすごく嬉しい。ありがとう」
「いえ,私は何にもしておりませんよ。それに,いてくれるのは嬉しいです」
「うん」
そうして,だんだんと落ち着いたのか,レオは寝息を立て始めた。
こんなに気持ちよさそうに寝ているレオを見るのは初めてでどこか満ちていた、
いつもプレイの後一緒に寝ても最初にレオが起きていたし,今回意識がない間は辛そうだった。だから,そんなレオを見ることができてどこか心地が良くなる。
(この時間がずっと続けばいいのに…)
そう思わずにはいられなかった。
大好きなレオといるためにはどうすればいいのかそんなふうに考える時間が続いた。
僕はレオが寝ている部屋のドアを開ける。
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「大丈夫ですよ」
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「…もちろんですよ。思っていませんよ。もしかして,先ほどの話を聞いていたのですか?」
「聞く気は,なかったんだけど聞こえてきたから…ごめん」
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「レオ…?」
「うん。ありがとうございます。やっぱり坊ちゃんの手は心地いいですね。ですから,そんなに心配しないでください」
早口でそう喋る。
「う,うん。でも,辛くなったら言って。僕ができることはなんでもするから」
「ありがとうございます。では,私が寝るまでほんの少しの間ここにいてもらってもいいですか?」
「もちろん。でも寝ちゃうの?」
起きたばかりで,休んでほしい気持ちもあった。けれど,また目覚めないのではないかと思うと,不安でたまらなくなる。
「大丈夫です。今は,自分の意思で寝るのですから。安心してください。それに,坊ちゃんの近くにいると大丈夫な気がしますから…」
「ほんと?なら,わかった。それとね、僕もレオと離れたくなかったからそんなこと言ってくれるのすごく嬉しい。ありがとう」
「いえ,私は何にもしておりませんよ。それに,いてくれるのは嬉しいです」
「うん」
そうして,だんだんと落ち着いたのか,レオは寝息を立て始めた。
こんなに気持ちよさそうに寝ているレオを見るのは初めてでどこか満ちていた、
いつもプレイの後一緒に寝ても最初にレオが起きていたし,今回意識がない間は辛そうだった。だから,そんなレオを見ることができてどこか心地が良くなる。
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