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5章
4話 いつまでも
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「うん,お願い」
誕生日のお願いなのかそれとも…。
真剣な表情で発せられる坊ちゃんの言葉は身構えてしまう。きっと,昔ならそんなことはなかっただろう。
けど,坊ちゃんはもうちゃんとした大人へとなっている。だから,蔑ろになんて絶対にできないし,叶えられるものなのかもわからない。
「……いいですよ。それで,どのようなお願い,ですか?」
「あ,あのね。子どもっぽいって思うかもしれないけど,緊張しているからその,ほぐして欲しくて…だから…」
「こうですか?」
坊ちゃんが言いたいことは感覚でなんとなくわかったから先に行動をする。
目の前にいる坊ちゃんの心臓は緊張のせいかいつもよりも早い。
「……あっているけど…」
そう言う,坊ちゃんの声は呆れているように聞こえた。
「ん?あっているなら,なんで,そんな顔するんですか?」
「それは…レオが…」
「私が…?」
「そんな顔するなて,なんかずるい」
「えっ…?」
僕は上を見上げる。坊ちゃんの大きな体に包まれながら。
(やっぱり,これじゃなかったのかな…?僕にハグなんてされてももう,嬉しくないよな…)
「申し訳ありません」
僕はそう言ってすぐに離れようとする。
「違うそうじゃない。そうじゃないから,昔みたいに…」
もう普段では見せてくれないようなそんな目で僕を見てお願いする。
「わかりました……カイン様,本日はカイン様にとって大切な日になります。それと同時に,カイン様が大人へと一歩を踏み出す日です。ですから,今までの練習をしっかりと思い出して振る舞ってください」
「……うん。やっぱり,レオのハグはずっと魔法がかかっているみたいに,落ち着く。ありがとう」
坊ちゃんは深呼吸を何度かしてからそう言ってくれた。
「いいですよ。それより,坊ちゃんがそんなこと言ったのが久々でほんの少し驚きました」
最近,特にここ1年はほとんど坊ちゃんと関わることがなかった。坊ちゃんが学校の試験準備,実技の上達に力を入れて僕と話すのなんて,ご飯の時間を除けば,たまにするプレイぐらいしか話せていない。
「ちょっとね…今日は特別な日だから。僕にとっても…」
「大切な日です。で,頑張れそうですか?」
「頑張れそう。レオのおかげで落ち着いてきたし」
坊ちゃんの目にはしっかりとやる気が満ち溢れているように見えた。
(よかった…)
先ほどまでは緊張して顔がこわばっているように見えていたから。
「いよいよですね」
2人で話しているといつのまにかパーティーが始まる時間へとなっていた。
「うん。レオ,ちゃんと見ていてね」
誕生日のお願いなのかそれとも…。
真剣な表情で発せられる坊ちゃんの言葉は身構えてしまう。きっと,昔ならそんなことはなかっただろう。
けど,坊ちゃんはもうちゃんとした大人へとなっている。だから,蔑ろになんて絶対にできないし,叶えられるものなのかもわからない。
「……いいですよ。それで,どのようなお願い,ですか?」
「あ,あのね。子どもっぽいって思うかもしれないけど,緊張しているからその,ほぐして欲しくて…だから…」
「こうですか?」
坊ちゃんが言いたいことは感覚でなんとなくわかったから先に行動をする。
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「申し訳ありません」
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もう普段では見せてくれないようなそんな目で僕を見てお願いする。
「わかりました……カイン様,本日はカイン様にとって大切な日になります。それと同時に,カイン様が大人へと一歩を踏み出す日です。ですから,今までの練習をしっかりと思い出して振る舞ってください」
「……うん。やっぱり,レオのハグはずっと魔法がかかっているみたいに,落ち着く。ありがとう」
坊ちゃんは深呼吸を何度かしてからそう言ってくれた。
「いいですよ。それより,坊ちゃんがそんなこと言ったのが久々でほんの少し驚きました」
最近,特にここ1年はほとんど坊ちゃんと関わることがなかった。坊ちゃんが学校の試験準備,実技の上達に力を入れて僕と話すのなんて,ご飯の時間を除けば,たまにするプレイぐらいしか話せていない。
「ちょっとね…今日は特別な日だから。僕にとっても…」
「大切な日です。で,頑張れそうですか?」
「頑張れそう。レオのおかげで落ち着いてきたし」
坊ちゃんの目にはしっかりとやる気が満ち溢れているように見えた。
(よかった…)
先ほどまでは緊張して顔がこわばっているように見えていたから。
「いよいよですね」
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「うん。レオ,ちゃんと見ていてね」
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