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6章
4話 3日が過ぎて
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一緒に買い物に行った日から3日が過ぎていった。
「カイン様,今日取りに行くつもりですか?」
僕は,坊ちゃんの部屋に入り,机にコーヒーを置きながら聞いた。
「もちろん,そのつもりだけど…」
「なら,僕も一緒に行ってもいいですか?」
せっかくの機会だから,自分の目で一刻も早く見たいと思った。何が彫られているかも気になっていたし…。
「…うぅーん。レオは家で待っててよ。仕事もあるでしょ?それに,彫ったものがどうなったか,一応レオに見せる前に確認しておきたいし…。ダメ?」
坊ちゃんは少し,怪訝そうな顔をして話す。
僕が,何か嫌なことを言ったのだなと嫌でも察した。けれど……。
「カイン様の言いたいこともわかりますが,2人で取りに行きたいって思ったんです。それでも,ダメですか?」
「ダメじゃないよ…けど,やっぱり僕の意見は曲げられない。曲げたくない…」
どうしても嫌なのか,譲ろうとはしなかった。こんな時は,何があっても坊ちゃんが折れることはないと知っている。
「…わかりました…。家で待っています…」
仕方なく僕はそう言うしかなかった。
これ以上は,坊ちゃんに嫌な顔をさせたくないと思ったから。
「ごめん。どうしても…」
僕の願いを断っておきながら,坊ちゃんは悲しそうな顔をして,僕を見つめる。
「どうして,あなたがそんな顔するのですか?」
「だって…。レオが,僕のこと,これで嫌いになるんじゃないかって…思って…」
「そんなことでなりませんよ。ただ,一緒に行きたかったなって…それでも,譲れないなら尚更,僕は待ってます」
理由なく坊ちゃんが僕を拒否しているわけではないとわかってほんの少し安堵した。
嫌いになったわけじゃなかったんだと。
「ありがとう。ちゃんと受け取ってくるから,待っていてね」
「もちろんです」
僕がそう言うと,坊ちゃんは仕事を片付けてからお店へと出掛けていった。
もうすでに行く準備をしていたのだなと思う。
早く帰ってこないかなということと,坊ちゃんの正式なパートナーになったと実感する日がくることを同時に考えていた。
「ただいま…ってレオずっとそんなところにいたの?」
結局,いつ帰ってくるのわからないのに玄関にずっといた。
「だって…」
「いいよ。それより,ちゃんと貰ってきたから,夕飯が終わって寝る前になったら僕の部屋に来て。いいね?」
耳元でそう囁かれて,坊ちゃんは自室へと行ってしまった。その声は,僕に深く響いた。
そこから,夕飯の時間になってご飯を食べたけど緊張であまり記憶がなかったりする。自分でもなんでこんなところで緊張してるんだろう?と不思議にならないわけではない。
「カイン様,今日取りに行くつもりですか?」
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「いいよ。それより,ちゃんと貰ってきたから,夕飯が終わって寝る前になったら僕の部屋に来て。いいね?」
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