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4章
2話 おはようございます
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「レオ…いつまで,寝ているの?」
よく聞いたことのある、安心する声が聞こえる。
“坊ちゃん…?”確認するために目を開けようとする。
「レオ…?」
手が力強く握られているのがわかった。
「んっ…ぅん…」
眩しいと思いながらもどうにか目を開ける。久しぶりに目に光が入ったおかげか一瞬,視界がぼやけて何にも見えなかった。
けど次第にぼやけていたところがはっきりとくっきりとしていき,真っ白い天井と坊ちゃんの手が僕の手に繋がれている。
そんな光景が見えてきた。
「え…あ…あの…」
坊ちゃんとの記憶は,あの日のパレードの日からない。
「レオ…大丈夫…?」
不安そうな顔をしている。今にも泣きそうなそんな顔。
こんな顔させたくない。見たくないそんなふうに思った。
「…坊ちゃん,ごめんなさい。心配かけましたか?でも,大丈夫ですよ」
握られた手を握り返し,なるべく元気そうに言ってみる。
「そうは,見えない…。すごく毎日,苦しそうだった…。もう,目を覚さないんじゃないかって,すごく不安になるくらい…。だっ…だから…うっ…目を覚ましてよかった…。本当に…本当に…心配したんだよ…いなくなるんじゃないかって,毎日思っては,泣いて…でも…」
どれほど心配をかけてしまっていたのか痛いほど伝わった。どうにかしないとと思う。
「泣かないでください。私はまだこうして生きておりますよ。それに,坊ちゃんが泣いていると私も悲しくなります。だから,どうか涙を止めてください」
手を伸ばし,坊ちゃんから溢れ落ちていく,涙を拭いた。
触れたところから坊ちゃんの体温をより深く感じる。落ち着くなと思った。
「だって…。レオ,馬車に乗った時はまだ話せたのに…それなのに,家に着いたらすごく体調悪そうで何度呼びかけても返事がなくて…。見たくないのに,どうにかしたいって思って…それで…」
「うん。尽力してくださったんですね。ありがとうございます。でも,世話をしないといけない側なのに,されてしまうのは執事失格ですね。申し訳ありません」
「そ,そんな,言葉聞きたいわけじゃない。違う…そんなんじゃなくて…」
普段から大人しい,坊ちゃんが,この時は声が大きくなっていた。
あ,ほんと僕はダメだなと思う。
坊ちゃんを守ると言っておきながら,こんな悲しませて,守れもしないで。そうじゃない未来はなかったのかと考えてしまう。
でも,後悔ばかりはしていられない。
「本当に,申し訳ありません」
「だ,だから,そんなんじゃなくて,一緒に過ごしたり,一緒にいるだけでよかったのに,急に意識がなくなって,それで…いつ起きるかわからなくて…不安で…不安で」
相当なショッキングな状態だったのだろう。自分では記憶がないから何にも言えない。
「そうだったのですね…ほんと,坊ちゃんには悪いことをしましたね…申し訳ないです」
「だから,僕は,レオからの謝りの言葉を聞きたいんじゃなくて,ただ一緒にいれるだけで,いいそんなふうに思っているから…」
「…そう思ってもらえるのは嬉しいです。ありがとうございます」
「うん。本当に思っているからね。だから,もう,いなくならないで」
「はい,頑張りますね」
落ち着かせるために何度も何度も坊ちゃんの頭を撫でる。
僕自身も体調がいいと言うわけではないけれど,坊ちゃんがいることで不思議と安心することができている。
「じゃあ,僕,先生呼びに行くね」
今まで繋がれていた手が離されてほんの少し悲しくなる。
「はい…お願いします…」
坊ちゃんは,そうして僕の部屋を出ていった。
改めて,自分がどうなったかをどうしてこんな状況にいるのかを考える。
そんな時間が過ぎていき、坊ちゃんは先生を連れて,部屋へと入ってきた。
「カインくん,案内してくれてありがとう」
きっと,急いで先生を呼んできてくれたんだろうなと思う。
「大丈夫です」
「それで,カインくん,今からレオくんにいろんな説明をするから部屋の外に出ておいてもらってもいいかな?」
先生は,僕の方を何回も見ている。
これは何かあったんだなと思う。
「…わかりました…僕は失礼します」
そういうとすぐに坊ちゃんは部屋から出ていく。
(あ,本当にいなくなっちゃうんだ…)
勝手に,坊ちゃんは僕と一緒にいてくれるものだと思っていた。
「あ…あの…」
僕は手を伸ばし,坊ちゃんを引き止めようとする。
それでも,結局身体はうまく動かせなくて,間に合わなかった。
「ん?どうかしたのかい?」
先生が僕の様子に気づいて,そう言った。
「だ,大丈夫…です」
「そうかい、それは良かった。それで,体調はどうかな?」
僕の寝ているベッドまで近づいて,いつもの優しい声で聞いてくる。
「…た、体調…?」
先生と話し始めると,どこか現実へと戻され不安が募っていく。
確か,家に帰ってくるために馬車に乗って…。そこからは全く記憶がなかった。どうして自分の部屋にいるのかも全く状況が理解できない。そうして,何日間意識を失っていたのかなど気になってしまう。
「あ,あの,僕は…」
「まずは,目覚めてくれて良かった…」
嬉しそうにそう言ってくれる。
「僕も…良かった…です」
「うん。みんな,君のこと心配してたよ。僕やカインくんだけじゃなくてね」
「なんか,心配させて申し訳ないです。それに,2回も倒れて先生や兄には迷惑をかけてしまい…」
よく聞いたことのある、安心する声が聞こえる。
“坊ちゃん…?”確認するために目を開けようとする。
「レオ…?」
手が力強く握られているのがわかった。
「んっ…ぅん…」
眩しいと思いながらもどうにか目を開ける。久しぶりに目に光が入ったおかげか一瞬,視界がぼやけて何にも見えなかった。
けど次第にぼやけていたところがはっきりとくっきりとしていき,真っ白い天井と坊ちゃんの手が僕の手に繋がれている。
そんな光景が見えてきた。
「え…あ…あの…」
坊ちゃんとの記憶は,あの日のパレードの日からない。
「レオ…大丈夫…?」
不安そうな顔をしている。今にも泣きそうなそんな顔。
こんな顔させたくない。見たくないそんなふうに思った。
「…坊ちゃん,ごめんなさい。心配かけましたか?でも,大丈夫ですよ」
握られた手を握り返し,なるべく元気そうに言ってみる。
「そうは,見えない…。すごく毎日,苦しそうだった…。もう,目を覚さないんじゃないかって,すごく不安になるくらい…。だっ…だから…うっ…目を覚ましてよかった…。本当に…本当に…心配したんだよ…いなくなるんじゃないかって,毎日思っては,泣いて…でも…」
どれほど心配をかけてしまっていたのか痛いほど伝わった。どうにかしないとと思う。
「泣かないでください。私はまだこうして生きておりますよ。それに,坊ちゃんが泣いていると私も悲しくなります。だから,どうか涙を止めてください」
手を伸ばし,坊ちゃんから溢れ落ちていく,涙を拭いた。
触れたところから坊ちゃんの体温をより深く感じる。落ち着くなと思った。
「だって…。レオ,馬車に乗った時はまだ話せたのに…それなのに,家に着いたらすごく体調悪そうで何度呼びかけても返事がなくて…。見たくないのに,どうにかしたいって思って…それで…」
「うん。尽力してくださったんですね。ありがとうございます。でも,世話をしないといけない側なのに,されてしまうのは執事失格ですね。申し訳ありません」
「そ,そんな,言葉聞きたいわけじゃない。違う…そんなんじゃなくて…」
普段から大人しい,坊ちゃんが,この時は声が大きくなっていた。
あ,ほんと僕はダメだなと思う。
坊ちゃんを守ると言っておきながら,こんな悲しませて,守れもしないで。そうじゃない未来はなかったのかと考えてしまう。
でも,後悔ばかりはしていられない。
「本当に,申し訳ありません」
「だ,だから,そんなんじゃなくて,一緒に過ごしたり,一緒にいるだけでよかったのに,急に意識がなくなって,それで…いつ起きるかわからなくて…不安で…不安で」
相当なショッキングな状態だったのだろう。自分では記憶がないから何にも言えない。
「そうだったのですね…ほんと,坊ちゃんには悪いことをしましたね…申し訳ないです」
「だから,僕は,レオからの謝りの言葉を聞きたいんじゃなくて,ただ一緒にいれるだけで,いいそんなふうに思っているから…」
「…そう思ってもらえるのは嬉しいです。ありがとうございます」
「うん。本当に思っているからね。だから,もう,いなくならないで」
「はい,頑張りますね」
落ち着かせるために何度も何度も坊ちゃんの頭を撫でる。
僕自身も体調がいいと言うわけではないけれど,坊ちゃんがいることで不思議と安心することができている。
「じゃあ,僕,先生呼びに行くね」
今まで繋がれていた手が離されてほんの少し悲しくなる。
「はい…お願いします…」
坊ちゃんは,そうして僕の部屋を出ていった。
改めて,自分がどうなったかをどうしてこんな状況にいるのかを考える。
そんな時間が過ぎていき、坊ちゃんは先生を連れて,部屋へと入ってきた。
「カインくん,案内してくれてありがとう」
きっと,急いで先生を呼んできてくれたんだろうなと思う。
「大丈夫です」
「それで,カインくん,今からレオくんにいろんな説明をするから部屋の外に出ておいてもらってもいいかな?」
先生は,僕の方を何回も見ている。
これは何かあったんだなと思う。
「…わかりました…僕は失礼します」
そういうとすぐに坊ちゃんは部屋から出ていく。
(あ,本当にいなくなっちゃうんだ…)
勝手に,坊ちゃんは僕と一緒にいてくれるものだと思っていた。
「あ…あの…」
僕は手を伸ばし,坊ちゃんを引き止めようとする。
それでも,結局身体はうまく動かせなくて,間に合わなかった。
「ん?どうかしたのかい?」
先生が僕の様子に気づいて,そう言った。
「だ,大丈夫…です」
「そうかい、それは良かった。それで,体調はどうかな?」
僕の寝ているベッドまで近づいて,いつもの優しい声で聞いてくる。
「…た、体調…?」
先生と話し始めると,どこか現実へと戻され不安が募っていく。
確か,家に帰ってくるために馬車に乗って…。そこからは全く記憶がなかった。どうして自分の部屋にいるのかも全く状況が理解できない。そうして,何日間意識を失っていたのかなど気になってしまう。
「あ,あの,僕は…」
「まずは,目覚めてくれて良かった…」
嬉しそうにそう言ってくれる。
「僕も…良かった…です」
「うん。みんな,君のこと心配してたよ。僕やカインくんだけじゃなくてね」
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