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2章
9話 プレイ?
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「せっかく作ったのだから,持っていくのはどうですか?」
メアリさんはそう言ってくれた。
「ですが,メアリさん。こんな僕の作ったものを食べさせるわけには,やはり,作って貰えばよかったですかね…」
「坊ちゃんが,そんなことを気になさると思っているのですか?」
「…それは…気になさらない…と思います」
気にしないでむしろ喜んでくれるそんなふうに思った。
「なら,行くべきです」
「行った方がやはり,いいですよね?」
何度も不安で確かめてしまう。
「だから,行ってきた方がいいですよ。最悪,食べたくないと言われたら,私とレオさんで食べましょう」
「…そ,そうですね……では,いってきます」
「うん.いってらっしゃい,です」
メアリさんに挨拶をして坊ちゃんが今日の予定が終わる時間になって部屋へと向かう。
一応作ったクッキーを持って行って。
「坊ちゃん失礼しますね」
部屋に入ると机に向かって真剣に手を動かしている坊ちゃんがいた。
「勉強をなされるのはいいことですが,少しお休みになった方がいいのではないですか?」
「ん?」
僕のことにようやく気づいたのか,こちらを向いた。
「レオ…どうしたの?」
びっくりしながら僕に尋ねる。
「いえ,勉学を頑張っているとおっしゃっておりましたから,お飲み物とちょっとした食べ物をと思いまして…それと,今日約束していましたから…」
寝れてないのか昼間はすごく眠たそうにしていた。
「やっぱり,僕はプレイしたくない。今日,1日考えたんだけど,嫌だと思った」
声を張り上げ拒絶をした。よほどプレイというか命令を使うのが嫌なのだろうと毎度思う。けれど,消化しないといけないというものだから,ある程度使うのに慣れないといけないとも思う。
これからの将来のことも考えて。
「分かりました。しかし,お願いがあるのです」
「お願い?」
「はい,お願いです」
「それは,どんなお願い?」
先ほどまで僕の方をしっかりと見ようとしなかったのに,今はちゃんと僕と目が合っている。
少しは興味が湧いたのかもしれない。
「私が今回おやつを作ったのですが,それを食べてくださいませんか?それも私の手から食べさせてくださいませんか?」
「どういうこと?」
僕は作ったクッキーを手に取り,坊ちゃんに差し出した。
「こういうことです。このまま食べてくださればいいのです。その代わり私が今自主的にやったのではなく,坊ちゃんがコマンドを使って食べさせるというものです」
プレイだけれども,しっかりとしたプレイよりも軽く見え,それに欲求を発散できるというようなもの。
「それで…いいの?」
「いいのです。お互いこれだと嫌じゃないですよね?」
「う…ん。これだったら,いや…じゃない…と思う…」
やはり不安そうな顔をしていたけれどどうにか了承をしてくれる。
「よかったです。では,よろしくお願いします」
「う,うん。レオ,これ食べさせて…」
坊ちゃんは机の上に置いた,クッキーを指さして僕に言った。
「…はい」
一瞬,ビクッとなったけれど,毎度使われていた時に比べて幾分も楽だった。
やはりこれなら,お互い楽だなと思う。
クッキーを手に取り坊ちゃんの口に差し出し,食べさせる。
「あ,あの…,美味しいですか?」
初めて作ったクッキーであるから坊ちゃんの口に合うか少し不安だった。自分は美味しいと思ったけれど。
口をもぐもぐとさせて食べ終わると「美味しい…。ありがとう,レオ」と僕の頭を撫でて,笑顔で応えてくれた。
「こちらこそ,食べてくれて…あ,ありがとうございます」
よかったと思うと,少し手が震えていた。
「レオ,もう一枚…」
手を唇につけて促す。
「はい…」
クッキーは全部で5枚あった。
その5枚を食べ終わる頃にはどこか心がすっきりとしていた。
「…坊ちゃん…?」
コマンドを使われるとやはり意識がぼーっとすることは変わらず、頭がふわふわして回らなかった。
「レオ,ありがとう。僕ほんの少し,すっきりした。今日はよく寝れそう…」
僕をじっとみて黙ってしまった。
「ん?」
「レオ,ちょっとこっちに来て」
僕の表情を見てか,手を伸ばして言う。
「どうしたのですか?」
コマンドを使われているわけではないので,行かないということもできるが別に嫌じゃないので坊ちゃんにより近づく。
「何かありましたか?」
そんな中,坊ちゃんが僕の胸に飛び込んでくる。
「えっ…と…これは…」
戸惑いながらも僕はしゃがんで坊ちゃんと目線を合わせる。
「レオ,やっぱり辛い?」
自分がどんな表情をしているのかわからない。きっと,あまりいい顔色をしていないのだろう。
「辛くはないですよ…。ただ,その,」
「辛くはない…の?」
坊ちゃんはSubはプレイを嫌で受け入れているのではないかと考えているのではないかと思った。
「気になさらないでください。もし,嫌だと思ったら,すぐに言いますから」
「本当に嫌だと思ったらちゃんと言ってね」
「はい。もちろんですよ」
そんなことを言いながら僕はセーフワードは使わないだろうなと思った。
坊ちゃんが,僕に対して嫌なことを言っている,行うイメージが全くできなかったから。
メアリさんはそう言ってくれた。
「ですが,メアリさん。こんな僕の作ったものを食べさせるわけには,やはり,作って貰えばよかったですかね…」
「坊ちゃんが,そんなことを気になさると思っているのですか?」
「…それは…気になさらない…と思います」
気にしないでむしろ喜んでくれるそんなふうに思った。
「なら,行くべきです」
「行った方がやはり,いいですよね?」
何度も不安で確かめてしまう。
「だから,行ってきた方がいいですよ。最悪,食べたくないと言われたら,私とレオさんで食べましょう」
「…そ,そうですね……では,いってきます」
「うん.いってらっしゃい,です」
メアリさんに挨拶をして坊ちゃんが今日の予定が終わる時間になって部屋へと向かう。
一応作ったクッキーを持って行って。
「坊ちゃん失礼しますね」
部屋に入ると机に向かって真剣に手を動かしている坊ちゃんがいた。
「勉強をなされるのはいいことですが,少しお休みになった方がいいのではないですか?」
「ん?」
僕のことにようやく気づいたのか,こちらを向いた。
「レオ…どうしたの?」
びっくりしながら僕に尋ねる。
「いえ,勉学を頑張っているとおっしゃっておりましたから,お飲み物とちょっとした食べ物をと思いまして…それと,今日約束していましたから…」
寝れてないのか昼間はすごく眠たそうにしていた。
「やっぱり,僕はプレイしたくない。今日,1日考えたんだけど,嫌だと思った」
声を張り上げ拒絶をした。よほどプレイというか命令を使うのが嫌なのだろうと毎度思う。けれど,消化しないといけないというものだから,ある程度使うのに慣れないといけないとも思う。
これからの将来のことも考えて。
「分かりました。しかし,お願いがあるのです」
「お願い?」
「はい,お願いです」
「それは,どんなお願い?」
先ほどまで僕の方をしっかりと見ようとしなかったのに,今はちゃんと僕と目が合っている。
少しは興味が湧いたのかもしれない。
「私が今回おやつを作ったのですが,それを食べてくださいませんか?それも私の手から食べさせてくださいませんか?」
「どういうこと?」
僕は作ったクッキーを手に取り,坊ちゃんに差し出した。
「こういうことです。このまま食べてくださればいいのです。その代わり私が今自主的にやったのではなく,坊ちゃんがコマンドを使って食べさせるというものです」
プレイだけれども,しっかりとしたプレイよりも軽く見え,それに欲求を発散できるというようなもの。
「それで…いいの?」
「いいのです。お互いこれだと嫌じゃないですよね?」
「う…ん。これだったら,いや…じゃない…と思う…」
やはり不安そうな顔をしていたけれどどうにか了承をしてくれる。
「よかったです。では,よろしくお願いします」
「う,うん。レオ,これ食べさせて…」
坊ちゃんは机の上に置いた,クッキーを指さして僕に言った。
「…はい」
一瞬,ビクッとなったけれど,毎度使われていた時に比べて幾分も楽だった。
やはりこれなら,お互い楽だなと思う。
クッキーを手に取り坊ちゃんの口に差し出し,食べさせる。
「あ,あの…,美味しいですか?」
初めて作ったクッキーであるから坊ちゃんの口に合うか少し不安だった。自分は美味しいと思ったけれど。
口をもぐもぐとさせて食べ終わると「美味しい…。ありがとう,レオ」と僕の頭を撫でて,笑顔で応えてくれた。
「こちらこそ,食べてくれて…あ,ありがとうございます」
よかったと思うと,少し手が震えていた。
「レオ,もう一枚…」
手を唇につけて促す。
「はい…」
クッキーは全部で5枚あった。
その5枚を食べ終わる頃にはどこか心がすっきりとしていた。
「…坊ちゃん…?」
コマンドを使われるとやはり意識がぼーっとすることは変わらず、頭がふわふわして回らなかった。
「レオ,ありがとう。僕ほんの少し,すっきりした。今日はよく寝れそう…」
僕をじっとみて黙ってしまった。
「ん?」
「レオ,ちょっとこっちに来て」
僕の表情を見てか,手を伸ばして言う。
「どうしたのですか?」
コマンドを使われているわけではないので,行かないということもできるが別に嫌じゃないので坊ちゃんにより近づく。
「何かありましたか?」
そんな中,坊ちゃんが僕の胸に飛び込んでくる。
「えっ…と…これは…」
戸惑いながらも僕はしゃがんで坊ちゃんと目線を合わせる。
「レオ,やっぱり辛い?」
自分がどんな表情をしているのかわからない。きっと,あまりいい顔色をしていないのだろう。
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坊ちゃんはSubはプレイを嫌で受け入れているのではないかと考えているのではないかと思った。
「気になさらないでください。もし,嫌だと思ったら,すぐに言いますから」
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「はい。もちろんですよ」
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