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君のもとへ
しおりを挟む空を見上げているのに星空が見えなかった。星が出ていないわけではない。むしろ雲一つすらないのではないかと思うほどの晴天だった。
だからそれは単に私が目を開けることもできないくらい泣いていたということだ。
私はあなたのことを思い出してはいつも泣きたくなる。それでも,今まで我慢して来た。あなたが見ていてくれると思ったから。あなたが“笑顔が素敵”と言ってくれたから。でも,それは今日で終わり。空を見上げたらそんなものどうでも良くなって涙が出てきた。
「あなたは,星になったのですか?」
こう問うとあなたはなんて答えてくれるのでしょう。
もうあなたがいなくなって10年が経ちました。
「いつになったら会いに来てくれるのでしょう?」
毎日そんなことばかりです。
最後にあなたが言ったのは,“すぐに会いに来る”でした。もう,私のことを忘れたのですか?あなたらしいです。そう思ってはやはり愛おしいと思うのです。それでも,私は忘れません。いつまでも,ここで待っているつもりです。
そう思った瞬間,流れ星が一つ流れた。
あぁあなたはそこにいたのですね…そう私に問いかけているように思えた。
その時にはもう空が明るくなっていた。
あなたにはまた少しの間会えないのですね…
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