転生竜と賢者の石な少年

ツワ木とろ

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4章

【109】カシウスんちでお稽古

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「ルーシ君。今日は休みなのに早いわね」
「うん。友達と約束があるんだ」
「そうなんだ。行ってらっしゃい」
「いってきます!」

 まずは学園に向かう。
そこでリドーとアルと待ち合わせ。

 ガイウスさんが快諾してくれたので今日はみんなでガイウス邸にお邪魔する。
 寮の門限があるから夕方位まで。
 ガイウスさんは急遽の用事で居ないらしい。
残念がってそうなのが目に浮かぶ。

「おはよう」

 正門前でアル達が先に待って居た。
 リドーは槍なのかな、長い柄の先を袋で包んだ物を持っている。

「それが武器?」
「ああ。隠しきれなかったは」
「じゃぁ、僕に任せて」

 ルーシはそれを受け取るとバッグにしまう。

「え!何したんだ?」

 リドー達が驚いてるので、1回取り出してまたしまう。

「凄いバッグだね」
「そんなの何処で手に入れたんだよ」
「貰ったんだ」
「良いな。売って無いのか?」
「うん‥‥ 今は売ってないよ‥‥」

 嫌な事思い出しちゃったわね。
 でも、気を取り直して向かいましょう。


 学園からガイウス邸まで普通に歩くと3時間位?アタシ達は慣れてるけど、2人にはしんどいかな。
 特にアル。

「大丈夫か?」
「うん‥‥ 頑張る」

 ルーシより少し背が低いから2人に付いてくのも大変よね。
 でも、彼に合わせて過ぎてたら遅くなっちゃうし、アタシが乗せてこうか?

「乗れよ」

 リドーがしゃがみ背中を向ける。

「え、いいよ。悪いよ。」
「いいから」
「僕見学するだけだから、リドー君が着くまでに疲れちゃうよ」
「そんなショボい体力してないは」
「じゃぁ‥‥ ありがとう」

 アルが背に乗るとリドーはゆっくり起き上がった。

「ごめんね、重くない?」
「いや、逆に軽過ぎないか?」
「そんな事ないよ‥‥ ごめんね、迷惑掛けて」
「お前は体力担当じゃ無いんだから気にすんな」

 リドーが凄く大きく、男らしく見える。
 背中で恥じらってるアルは凄く可愛らしい。
 キュンキュンしちゃう。

「ミュー」
「ナナチャがアルが可愛いって」
「え、ありがとう。でも子供っぽいって事だよね」
「ミュー」
「そんな事ないって。恋人同士みたいだって」
「は?やめろよ、そう言う事言うの」

 リドーは顔を真っ赤にするが下ろしたりしない。
 それに安心したのかアルは背中に頬を寄せた。


 ガイウス邸の門前ではカシウスが待っていた。
待ち浴びてたのかな。

「おはよう。何だ?親子みたいだな」

 この子は‥‥
 側に居たのかテルティアが駆け寄って来てカシウスの頭を叩く。

「痛て、なんだよ」
「うるさい」

 テルティア、ナイス。

「いらっしゃい。2人は仲良しだね」

 もうどう取り繕ってもアルの羞恥心は拭えない。
 カシウスはもっと勉強しなきゃならない事がある様ね。

「ミュー」
「テルティア、後で説教してって」
「分かった。みんなが帰ってから叱るね」

 ルーシとテルティアのこそこそ話。

「2人も仲良しだな」

 とリドー。
 除け者なカシウスがちょっと膨れてるけど、自業自得よ。

「皆おはよう」

 そこにシェルシエルとラトリアも到着した。

「ラトリアにチェルチェルちゃん、いらっしゃい」
「これお土産」

 ラトリアが紙袋を渡す。

「ありがとう。何だろう」
「クッキーだよ。昨日アルちゃんと一緒に作ったの」
「本当?後でお茶と一緒に頂きましょ。楽しみ」

 エイミラットが預かろうとするのをテルティアは断り、袋を持ったままみんなを招き入れる。
 今日はハマールがガイウスさんのお供の様ね。
 玄関ではピレティアさんが待ってる。

「良くお越し下さいました」
「あの服可愛い」

 アルがピレティアさんとエイミラットが着ているオーソドックスなメイド服に看取れてる。

「ありがとうございます。どうぞお上がり下さい」

 庭の広さにも驚いて、質素ながらも上質感漂う内装に目を奪われてる。

「お前ん家すげぇな」
「別邸だけどね」
「他にもあるのかよ」

 この家はガイウスさんの事務所みたいなもんだって言ってたっけ。
 貴族としての邸は別にある。

「そっちもすげぇのか?」
「んー、もっと派手ではあるかな」

 そうなんだ。1度は行ってみたいかな。
 リビングに荷物を置いて直ぐに庭に戻る。
 お茶が目的じゃないし、終わったらゆっくり出来るしね。
 ラトリアとアルは手ぶら。2人は見学ね。
 シェルシエルは剣を2本。彼女が何に成りたいのか聞いて無いけど、たぶん軍志望ではない。そんな気がする。

「リドー、お前得物は?」

 カシウスはロンギリオンを担いでる。
穂には既に布が巻かれている。

「ルーシに預かって貰ってるんだは」
「うん。バッグに入ってるよ」
「申し訳ありませんが安全処置を施したいので、1度此方にお預け頂けますか」
「あ、はい。大丈夫です」

 ルーシがバッグから得物を取り出しロジィさんに渡す。
 シェルシエルのはエイミーが受け取り、ロンギリオンと同じ様に布を巻いている。
 リドーの得物を隠してる袋を取ると大きめの玄能だった。

「珍しい得物ですね」
「俺のスキルと相性いいんです」
「そうなのですね。盾や鎧に効果的な素晴らしい武器にございますね」

 ロジィさんはそう言いながら他よりも多めに布を巻いている。

「ルーシ殿も準備して頂けますか?」
「ボクの切れなくしてあるよ?」
「それは存じておりますが、他家のご子息様方に万が一が有ってはならないので」

 平民の家柄にも礼節を重んじる。それがアタシの思う貴族家だ。
 あの変なガキ共とは違うって事、感じ取って欲しいな。

 ルーシは右の親指を内側にして握り拳を作り、錬成スキルで指輪化させていたディアボロスを大鎌に戻した。

「おいおい、何だその武器」
「これ?ディアボロスって言うんだ」
「名前付けてるのね‥‥ それより何ておどろおどろしいの」
「うん、僕ちょっと怖いかも」

 アタシ達は慣れちゃってるから感じないけど、普通ビックリするか。
 ビックリし過ぎてルーシのスキルに気が回る子はいない。

「確かにディアボロスって厳ついよな」

 カシウスが改めてマジマジと見る。

「ルー兄の体格とも不釣り合いか」
「そうね。見慣れちゃってるから気にならなかったけど、ルーシには大き過ぎるわね」
「でもナナチャがディアボロス持ってると可愛く見えるって言ってるよ」
「そうなんだ‥‥ 僕には分からないかも‥‥」

 あれ、誰も賛同してくれない。
 仰々しい武器を携えた小さな美少年とか萌えポイントだと思うけど。
 美少女だったら分かって貰えたかな。

 それは兎も角、ディアボロスの刃部分を全部布でくるむとなると時間が掛かるからカシウスとリドーが先に対戦を始める。

「今日はオレもスキル使えるぜ」
「それは楽しみだは。お互い手抜き無しでいこうぜ」

 ロジィさんの合図でリドーが先行する。
 柄を広く持ち大きく振りかぶり、振り下ろすと同時に右手を滑らせて持ち手を狭める。
 カシウスは良く見ていた。
リーチが急に伸びるのを後ろにジャンプしてかわす。
 先手必勝の渾身の一撃だったのか、芝生が掘り返される。
 そこにカシウスが一突き。リドーは玄能を振り上げてそれを弾き上げる。
 余力残してた様には見えなかったけど。
自前の得物になった途端、嘘みたいに強くなったわね。
 ただ、それはカシウスも同じはず。
なのにしのぎ合うとカシウスが弾かれる。

「お前のスキルうざいな」
「良く言われるは」

 カシウスにはリドーのスキルが分かってるみたい。
 アタシは見ても分からないから、目立つスキルでは無いのでしょう。
 カシウスは大きく下がり距離を取るとロンギリオンをリドーに向けて投げる。
 かわされたのでリドーの後ろで地面に刺さる。

「いくら鬱陶しいからって投げたらこの後どうすんだよ。素手でも遠慮しないぞ?」
「大丈夫」

 ロンギリオンが浮き上がり、軽いキャッチボール位の速さでカシウスの手元に戻ってくる。

「それがお前のスキルか?」
「ああ」

 カシウスのスキルは目立つわね。

「お前のスキルもうざいな」
「ありがとう」

 この場合の『うざい』は誉め言葉なのね。

 ルーシの準備も整ったので、対シェルシエルも始まる。

「私達もスキル使う?」
「ボクのスキル、戦闘系じゃないけどいいよ」
「え、なら私も使わないよ」
「使っていいよ。いつもそうだったから」
「そう。でも初めはスキル無しでやるわね」
「うん。分かった」

 こちらの合図はテルティアがしてくれた。
 ディアボロスの刃を横にして突く。
シェルシエルはそれを剣で防ぐが押し込まれて後退してしまう。



「こんなのどうやって攻めればいいのよ!」

 ルーシの大鎌、ディアボロスは2メートルはある。
 鎌部分は両刃で大刃と逆側に小刃。
 柄まで刃物だし、先端は槍の様な穂が付いている。
 そうそうお目にかからないゴツい武器にシェルシエルは攻めあぐね、狼狽してる。

「いなそうと思っては駄目。弾いても力負けしちゃうから大きく避けて、振り回させて隙を作るの」

 テルティアが声を張ってアドバイスする。

「それ、ボクに聞かれちゃダメなんじゃない?」
「あ、そっかぁ」

 テルティアは賢いんだか、馬鹿なんだか‥‥
 ああ言いつつもルーシは振りかぶって、大きく右から左へと大刃を薙ぎる。
 それをかわし、チャンスとばかりに踏み込むシェルシエル。
 ルーシは慣性に逆らわず廻し蹴りでシェルシエルを押し戻し、また回って大刃の根元をシェルシエルの首元で止める。

「うわぁ、ルーシ誘い込んだでしょ。優しくなぁい」
「だって訓練だから」

 テルティアが冗談だよって声色で言う。
 ルーシがそんな事したって事は、何だかんだ彼女が強くて楽しいんだと思うわ。

「‥‥次からスキル使うわ」
「分かった」

 彼女のスキルってどんななのかしら。
戦闘系なんだろうけど。

 シェルシエルがルーシに向かって走り出す。
ディアボロスで闘い出して、彼女から攻めるのは初めてかも。
 左手の剣を突き出すシェルシエルに大刃を振るルーシ。
 すると突然シェルシエルの剣が伸びた。
咄嗟に薙ぎるのをやめ、石突き側をせり上げてそれを弾くが、空振り。
 目の錯覚?その後に遅れて剣が飛んでくる。
 ルーシは上げた石突きを下ろして対応する。
 今度は右手の剣が振られてくる。
 小刃で受け止めるもそれも錯覚で、本物は真ん中から突き出されて来た。
 それを体をよじって何とかかわし、横に飛びながらシェルシエルの胴体に大刃を当てる。

「初見でこうもかわされるなんて君、本当に凄いね」

 シェルシエルがお手上げってポーズを取る。

「今のがスキル?凄いね」
「何々、今のスキル?」

 ルーシとテルティアが目を輝かせて居るのを見て、シェルシエルがちょっとたじろいでる。

「え、ええ‥‥ そうよ。剣の筋道の先に幻影を作れるの」

 説明してくれるシェルシエルは全然得意気じゃない。
 好みなスキルじゃないのかしら。

「凄いね。ねぇ、もう一回しよ」
「良いけど、今の外したらもう手段がないわよ」
「そうとも限りませんよ」

 カシウス達を見ながらルーシ達の方も気に掛けられるロジィさん。流石です。

「スキルを知られたからこそ惑わせられます。幻影と本物を不規則に織り交ぜれば勝機が上がると存じますよ」
「でも、それって正々堂々としてないじゃないですか」
「そんな事はありません。フェイクも歴とした戦術で御座いますよ」
「そうよ、チェルチェルちゃん。自分の力を駆使する事は卑怯じゃないわよ」
「そっか‥‥ ルーシ君、また胸借りるね」
「うん!」

  ロジィさんとテルティアの後押しでやる気が戻ったみたいね。
 それから1時間ちょい訓練は続いた。
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