87 / 120
3章
【86】最後の仕事へ
しおりを挟む
「何でニコラが魔女なの?!」
ルーシがエミリーに迫る。
「わ、私にも分かりません。。」
アタシでもちょっと驚いた位だからエミリーからしたらかなりビックリだと思う。
「ニコラは良い人だよ?」
「そうですね。私もそう思うので困惑してます。」
1人で旅に出てから何かあったのかしら。
「でも彼女を魔女認定するかの聴聞会なんて無かったんじゃにゃい?ナミル達ならともかくエミリーなら話を聞いててもおかしくにゃいよね?」
「そうなんです。全く知らなくて、寝耳に水なんです。」
「だったら、他国で申請があったのかも知れませんねえ。」
各国の教会が申請して総本山が認定する仕組みみたいだし、ニコラがまず北に行った後も国内を廻ってるとも限らないか。
何かの間違えであって欲しいけど、もし彼女が何かしでかすとしたら紋とか加護絡みな気がする。
「メルヴィルさんは何か知らないのかな。」
「他国の事は流石に分からないと思います。」
「お話出来ない?」
「聞いて見ますが、本山に呼ばれているので難しいかも知れません。」
本山は国の北西のもっと先にあるんですって。
国内の移動の様にスムーズには行かないらしい。
そりゃそうね。
結局、早々にメルヴィルさんがエミリーを連れて本山に行ってしまったので、ニコラの事聞けなかった。
今回は国外に出るってのもあって本格的にビックスさんを司祭代理としたらしく、ニーダさんまで手伝いで内勤になったとか。
じゃぁディオ達もかと言うと、2人は次の仕事でアタシと同伴する。
詳しくは後で聞くのだけれど、大所帯で行くんだから大きな仕事なんでしょう。そしたら時間も掛かでしょうし、今回の仕事がもしかしたら、みそぎ期間最後の仕事になるかもね。
「ルーシともそろそろお別れにゃねぇ。」
「会えなくなる?」
「そんな事はないですけどお、みそぎが終わったら一緒に旅する事も無くなってしまいますからあ。」
「ルーシ君のみそぎはそろそろ終わりなの?」
とティチーノ。
「うん。1年間だったんだ。ティチ達は2年なんでしょ?」
「ええ。」
「みそぎ終わったらどうするの?この前グフリアさんにあったんだけど、」
グフリアの言伝てを伝える。
「、そう。」
「みそぎ終わったら戻る?」
「どうかしら。後1年あるし」
「他に遣りたい事なかったら戻った方がいいよ。」
とディオ。
「でも、そうしたらディオはまたフリーになるの?」
「俺はそれでもいいと思ってる。」
フリーの冒険者だとソロでダンジョン潜る事もあるだろうから心配でしょうね。
ギルドのランクはパーティー単位で与えられるからフリーだどランク外になって、良い依頼も受けられないだろうし、グフリアのクランは女性限定だからディオは入れないしね。
「2人でパーティー組めばいいんじゃない?」
ルーシの提案にナミルが頷く。
「そうしたら良いにゃ。2人で組んでくれたら教会からの依頼も受けやすいし、ナミル達が指名するにゃよ。」
「ありがとうございます。考えてみます。」
ディオは明言しない。
1年も先の話だもんね。
状況も変わってるだろうし、深い関係者が魔女になった訳だからルーシと同じ様にすんなり満了するとも限らない。
難儀ね。
今は北東に向かっている。
王都からある程度離れた移動中にナミルとコリティスが今回の内容を話してくれた。
「直接、王都教会にたれ込みがあったらしいんにゃ。」
「どんなたれ込み?」
「イプノシーが拠点としている村ですう。」
「イプノシーってつい最近認定された魔女だよな?」
「そうですう。」
ディオとティチは奴の事をそれしか知らないので詳しく説明する。
それにしても早々に情報が寄せられたわね。
そう言うもんなのかしら?アタシが知らないだけで他の魔女についても情報提供されてるのかな。
ニコラについても。
「そんな事があったんだ。だから教会内で頬を叩くのが流行っていたのか。」
流行りって言い回しはディオの比喩だけど、催眠に掛かってないかを確認する為に祈り前に叩かれるって規律が出来たらしい。
「拠点の側の教会に規律が定着してるか分からないから、今後教会に立ち寄る事は無いにゃ。」
王都から離れれば離れるだけ浸透してない可能性があるわね。
そもそも頬叩けってそんな決まり、理由も分からず従うほうが難しいわ。
「だから冒険者を装って村に潜入するにゃ。」
「それまでは『悲嘆の魔女』の話題は控えますねえ。」
『悲嘆の魔女』とはイプノシーの号。
魔女認定されると付けられる通り名みたいなモノ。
そう言うのって見た目や行いに沿って付けられるモノだと思うのだけど、正直パッとしない。
ディオとティチが育った孤児院の院長だったフィンティスは『怠惰』だし、イプノシーは『悲嘆』。
ニコラに関しては『暴食』だ。
彼女、どちらかと言うと食の細い方なのに。
「まず、ベネル寄りましょうう。」
あった事もない、何処かの誰かが付けた渾名の由来なんてしるよしもないか。
アタシはベネルに向けて速度をあげる。
ルーシがエミリーに迫る。
「わ、私にも分かりません。。」
アタシでもちょっと驚いた位だからエミリーからしたらかなりビックリだと思う。
「ニコラは良い人だよ?」
「そうですね。私もそう思うので困惑してます。」
1人で旅に出てから何かあったのかしら。
「でも彼女を魔女認定するかの聴聞会なんて無かったんじゃにゃい?ナミル達ならともかくエミリーなら話を聞いててもおかしくにゃいよね?」
「そうなんです。全く知らなくて、寝耳に水なんです。」
「だったら、他国で申請があったのかも知れませんねえ。」
各国の教会が申請して総本山が認定する仕組みみたいだし、ニコラがまず北に行った後も国内を廻ってるとも限らないか。
何かの間違えであって欲しいけど、もし彼女が何かしでかすとしたら紋とか加護絡みな気がする。
「メルヴィルさんは何か知らないのかな。」
「他国の事は流石に分からないと思います。」
「お話出来ない?」
「聞いて見ますが、本山に呼ばれているので難しいかも知れません。」
本山は国の北西のもっと先にあるんですって。
国内の移動の様にスムーズには行かないらしい。
そりゃそうね。
結局、早々にメルヴィルさんがエミリーを連れて本山に行ってしまったので、ニコラの事聞けなかった。
今回は国外に出るってのもあって本格的にビックスさんを司祭代理としたらしく、ニーダさんまで手伝いで内勤になったとか。
じゃぁディオ達もかと言うと、2人は次の仕事でアタシと同伴する。
詳しくは後で聞くのだけれど、大所帯で行くんだから大きな仕事なんでしょう。そしたら時間も掛かでしょうし、今回の仕事がもしかしたら、みそぎ期間最後の仕事になるかもね。
「ルーシともそろそろお別れにゃねぇ。」
「会えなくなる?」
「そんな事はないですけどお、みそぎが終わったら一緒に旅する事も無くなってしまいますからあ。」
「ルーシ君のみそぎはそろそろ終わりなの?」
とティチーノ。
「うん。1年間だったんだ。ティチ達は2年なんでしょ?」
「ええ。」
「みそぎ終わったらどうするの?この前グフリアさんにあったんだけど、」
グフリアの言伝てを伝える。
「、そう。」
「みそぎ終わったら戻る?」
「どうかしら。後1年あるし」
「他に遣りたい事なかったら戻った方がいいよ。」
とディオ。
「でも、そうしたらディオはまたフリーになるの?」
「俺はそれでもいいと思ってる。」
フリーの冒険者だとソロでダンジョン潜る事もあるだろうから心配でしょうね。
ギルドのランクはパーティー単位で与えられるからフリーだどランク外になって、良い依頼も受けられないだろうし、グフリアのクランは女性限定だからディオは入れないしね。
「2人でパーティー組めばいいんじゃない?」
ルーシの提案にナミルが頷く。
「そうしたら良いにゃ。2人で組んでくれたら教会からの依頼も受けやすいし、ナミル達が指名するにゃよ。」
「ありがとうございます。考えてみます。」
ディオは明言しない。
1年も先の話だもんね。
状況も変わってるだろうし、深い関係者が魔女になった訳だからルーシと同じ様にすんなり満了するとも限らない。
難儀ね。
今は北東に向かっている。
王都からある程度離れた移動中にナミルとコリティスが今回の内容を話してくれた。
「直接、王都教会にたれ込みがあったらしいんにゃ。」
「どんなたれ込み?」
「イプノシーが拠点としている村ですう。」
「イプノシーってつい最近認定された魔女だよな?」
「そうですう。」
ディオとティチは奴の事をそれしか知らないので詳しく説明する。
それにしても早々に情報が寄せられたわね。
そう言うもんなのかしら?アタシが知らないだけで他の魔女についても情報提供されてるのかな。
ニコラについても。
「そんな事があったんだ。だから教会内で頬を叩くのが流行っていたのか。」
流行りって言い回しはディオの比喩だけど、催眠に掛かってないかを確認する為に祈り前に叩かれるって規律が出来たらしい。
「拠点の側の教会に規律が定着してるか分からないから、今後教会に立ち寄る事は無いにゃ。」
王都から離れれば離れるだけ浸透してない可能性があるわね。
そもそも頬叩けってそんな決まり、理由も分からず従うほうが難しいわ。
「だから冒険者を装って村に潜入するにゃ。」
「それまでは『悲嘆の魔女』の話題は控えますねえ。」
『悲嘆の魔女』とはイプノシーの号。
魔女認定されると付けられる通り名みたいなモノ。
そう言うのって見た目や行いに沿って付けられるモノだと思うのだけど、正直パッとしない。
ディオとティチが育った孤児院の院長だったフィンティスは『怠惰』だし、イプノシーは『悲嘆』。
ニコラに関しては『暴食』だ。
彼女、どちらかと言うと食の細い方なのに。
「まず、ベネル寄りましょうう。」
あった事もない、何処かの誰かが付けた渾名の由来なんてしるよしもないか。
アタシはベネルに向けて速度をあげる。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~
仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。
祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。
試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。
拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。
さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが……
暫くするとこの世界には異変が起きていた。
謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。
謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。
そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。
その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。
その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。
様々な登場人物が織りなす群像劇です。
主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。
その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。
ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。
タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。
その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった
ぽてゆき
ファンタジー
涼坂直樹は可愛い妻と2人の子供のため、頑張って働いた結果ついにマイホームを手に入れた。
しかし、まさかその半分が異世界に転移してしまうとは……。
リビングの窓を開けて外に飛び出せば、そこはもう魔法やダンジョンが存在するファンタジーな異世界。
現代のごくありふれた4人(+猫1匹)家族と、異世界の住人との交流を描いたハートフルアドベンチャー物語!
元チート大賢者の転生幼女物語
こずえ
ファンタジー
(※不定期更新なので、毎回忘れた頃に更新すると思います。)
とある孤児院で私は暮らしていた。
ある日、いつものように孤児院の畑に水を撒き、孤児院の中で掃除をしていた。
そして、そんないつも通りの日々を過ごすはずだった私は目が覚めると前世の記憶を思い出していた。
「あれ?私って…」
そんな前世で最強だった小さな少女の気ままな冒険のお話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる