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1章
【20】適性検査
しおりを挟む「プレートが出来るまでの間にさ、適性調べとくか」
とジークリットさん。
みんなにいじられるから話を反らそうと思ったのか、急にそんな事を言い出した。
「軍の入隊試験でも使われるヤツだから、そこそこ信用出来るぞ。」
棚から持ってきたのは、まるでボーリングの球。
指が入りそうな穴が5つ空いてて、対面にも同じ様な穴が空いてる。
「これで魔力と6種類の武器の適性が計れる」
球の正面?には単針の小さな目盛りが7つとボタンが1つ、円形に並んで付いている。
「ワタシは参考程度にしかならないと思うけど。斧の適性高くても木こりだからで、武器としては使いこなせてないオチとかあるし」
目盛りにはそれぞれ、剣・槍・斧・棍・弓・体・魔と表記されてて、0~7まで印が付いてる。
「大まかにしか分からないのは確かだはな。でも、目安にはなるだろ?7つも適性分かれば自ずとスタイルも見えて来るだろうよ」
「そうですね。俺は剣が5で斧が4だったから大剣にしようって思ったし」
「私は弓が4で、それ以外は全然だったから悩み様が無かったわ」
ジークリットさんのざっくりした説明だと、
1→才能無し
2→苦手
3→普通
4→得意
5→超得意
6→達人
7→仙人
って感じらしい。
「とりあえずやってみるか。ルーシ、穴に指いれて持ってくれ」
手の指を全て入れて持ち上げると、ジークリットさんがボタンを押した。
「すぐ終わるから、しっかり持ってな」
球から小さなうなり声みたいな音がして、5分程度鳴り続けた。
「終わったな。指を抜いて良いぞ」
音が鳴り終わるとジークリットさんが持っててくれたので、ルーシは指を抜いて球を返す。
「本来、こんな大勢の前で発表するもんじゃないんだが、ルーシ良いよな?」
まぁ、みんな見守ってくれてる訳だし、隠さない方が色々アドバイスくれるでしょう。
「うん。いいよ」
「それじゃぁ、読み上げるぞ」
ジークリットさんは球を少し遠ざけ、目を細める。
老眼かしら。
「剣3、槍3、斧3、棍1、弓1、体術3、まりょくが2だ‥‥」
微妙‥‥
良くて3。それが4つ。
器用貧乏?冒険者的にはどうなのかしら。
「まだ、体出来上がってないからしょうがないんじゃない?」
リネットがフォローに入る。
やっぱり微妙なのね。
「伸び代はあるんだろうけど、どれを伸ばせばいいのか分からないわね」
「連携取りやすいのは槍だね」
「中距離ってのはありね」
「ウチのパーティー、中距離居ないしね」
パーティー組む前提でみんな模索してくれてる。
「提案しても宜しいでしょうか」
ロジバールさんが言う。
「当家で教えられるのは剣術と体術でございますが、この2つは他の武術にも通ずる所も多く、護身の観点からも学ぶべきと思います」
ルーシの両肩に手を置き、話を続ける。
「ですので、剣術、体術は学び、槍術は模擬戦等で独学されてはいかがでしょうか」
「ルーシは覚えが良いからすぐマスターしちゃうかもね」
リネットが賛同する。
「じゃぁ、基本魔法はワタシが教えるわ」
とニコラ。
「それは良いね。それじゃぁ、プランはロジィが考えるとして、さっさと依頼出して来ちゃおっか」
「畏まりました」
ガイウスさん達が部屋を出る。
みんなルーシの事思って話を進めてるけど、もっと彼の意見も聞いたげて。
「ルーシはどう?やってみたい武術ある?」
流石、リネット!伊達に世話好きじゃないわね。
「‥‥わからない」
まぁそうよね‥‥ そもそも槍も斧も見たこと無いんだった。
「そっか。じゃぁ、ロジバールさんが言ってた通りにしてみて、自分の好みを探して見よっか」
「うん!」
その後、レイニーが戻って来てギルドプレートを受け取り、ガイウスさん達を待ってからギルドを出た。
「急ぎで頼んだから、明日には受けられるみたいだよ」
とガイウスさん。
「分かりました。ではまた明日来て受注します」
「それじゃぁ次の休日に。その日はまた家に泊まって行くといいよ」
って事はまたみんなでお風呂?
女性陣も同じ事思ったんでしょうね。目が輝いてるわ。
「分かりました。そうさせて貰います」
「ルーシまたね。頑張ってね」
「うん。バイバイ」
ルーシとアタシはガイウスさんの馬車に乗り込んだ。
御者さんも大変ね。これまでずっと待っててくれたんだもん。
もし、ルーシが操縦出来るようになったら入隊に1歩近づくかしら。
「ルーシ殿の覚えの良さなら学問にも向いてると思います」
馬車に揺られながらロジバールさんが言う。
「じゃぁ、平行して勉強もやろうか。何なら高等学園に進んで商人になっても良いしね」
とガイウスさんが微笑みながら言ってくれた。
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