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第5章 メテオストライク

メテオストライク 47

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「レイ、ほんとに大丈夫?」

 ノアが心配してレイを全身をペチペチ叩く。

「大丈夫だと思う。それより……」

 と言うとレイは体に力を込めた。魔法施設、あるいはそこを出た後も、何度も何度も繰り返しおこなってきた魔法の初歩の初歩だ。一度もできなかった最初の一歩。

 「ふー」と息を吐き出すと、肌に小波が起きたように電気が走った。今までの感覚とは違い、穴が空いてそこに力が吸い込まれるように消え、体の中にうねりが起きた。

「魔法の力。感じる」ノアが呟いた。
「これが……」
「気をつけて、魔力は生命力を使う。下手に使うと生死に関わるから」
「……わ、分かった」

 レイはまじまじと自分の手や体を見た。

「見た目は変わらないよ」

 タートゥールがそう言って近づいてきた。

「お姉ちゃんはいいの? 封印、解かなくて?」
「私は……」

 ノアは地面を見つめて黙り込んだ。

「封印もなにも。ノアはもう魔法が使えるじゃないか」

 レイはちょっと困惑してタートゥールに尋ねた。

「お姉ちゃんの力はこんなもんじゃないよ。封印されてる。ね、知ってるよね。図書館で書物みてたもんね」
「……」
「どうする? 一緒にやっちゃう?」
「私は……」

 ノアはそこまで言うと、キュッと口をつぐんだ。
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