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第4章 禁術の魔法
禁術の魔法 41
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トラヴィスの騎士が切り込み傭兵部隊が突撃したトゥーバル陣の側面は崩壊し、その勢力はドランド将軍が控える本陣にまで到達しようとしていた。
「ええい、何をやっとる。わしが出るぞ、近衛兵続け!」
「おやめくださいドランド将軍」
「オレーヌ……心配するな、蹴散らしてやるわ」
「ドランド将軍の武勇は百も承知。しかし万が一という事もございましょう。もし怪我でもなさいましたら、それこそ軍の立て直しもできなくなります。ここは一度引いて立て直しましょう」
「しかし、どの道だれかがトラヴィスを止めねばなるまい」
「アルコン、おるか、アルコン」
サッと軽装の兵士がオレーヌ卿の脇に馬をつけ、飛び降りひざまずいた。身のこなしが軽く機敏に動く姿はまるで軽業師の様でもあった。
「お呼びでしょうか」
「アルコン、お主がトラヴィスとの間に壁を作れ」
「ハッ」
と返事をするやいなや、アルコンと呼ばれた青年は馬に飛び乗り走り去った。すぐに、トラヴィスの騎士と交戦している戦場に炎の壁が出現し、その炎がトラヴィスの騎士と傭兵部隊を襲う。
「シエンナとの前線は向かい風ですが、こちら側は逆に追い風です。これを使わぬ手はありますまい」
オレーヌが満足そうに述べた。
「エステナ、風の魔法使いは見つけたか?」
オレーヌの脇に青いプランドを着た男が馬をつけた。
「見つけましたがね。前線に、風の女神パレルーマ、炎の竜神カディフ、そして後方遠いところに、やっかいな奴が一人」
「狙えるか?」
「向かい風ですよ。私たち風使いは、風には逆らえませんよ」
「ごたくは良い。狙えるかと聞いているのだ」
「やれと言われれば、やりますがね。やってみないと……」
「やれ!」
オレーヌが命じるとともに、エステナは背中に背負った大きな弓と外し、斜め上、かなり上方に弓を構え矢をつがえた。風の魔法を静かに詠唱しながら狙いを定める。「切り裂けー!」と放った弓矢は凄い速さで白い閃光を残し青空に消えていった。
「ええい、何をやっとる。わしが出るぞ、近衛兵続け!」
「おやめくださいドランド将軍」
「オレーヌ……心配するな、蹴散らしてやるわ」
「ドランド将軍の武勇は百も承知。しかし万が一という事もございましょう。もし怪我でもなさいましたら、それこそ軍の立て直しもできなくなります。ここは一度引いて立て直しましょう」
「しかし、どの道だれかがトラヴィスを止めねばなるまい」
「アルコン、おるか、アルコン」
サッと軽装の兵士がオレーヌ卿の脇に馬をつけ、飛び降りひざまずいた。身のこなしが軽く機敏に動く姿はまるで軽業師の様でもあった。
「お呼びでしょうか」
「アルコン、お主がトラヴィスとの間に壁を作れ」
「ハッ」
と返事をするやいなや、アルコンと呼ばれた青年は馬に飛び乗り走り去った。すぐに、トラヴィスの騎士と交戦している戦場に炎の壁が出現し、その炎がトラヴィスの騎士と傭兵部隊を襲う。
「シエンナとの前線は向かい風ですが、こちら側は逆に追い風です。これを使わぬ手はありますまい」
オレーヌが満足そうに述べた。
「エステナ、風の魔法使いは見つけたか?」
オレーヌの脇に青いプランドを着た男が馬をつけた。
「見つけましたがね。前線に、風の女神パレルーマ、炎の竜神カディフ、そして後方遠いところに、やっかいな奴が一人」
「狙えるか?」
「向かい風ですよ。私たち風使いは、風には逆らえませんよ」
「ごたくは良い。狙えるかと聞いているのだ」
「やれと言われれば、やりますがね。やってみないと……」
「やれ!」
オレーヌが命じるとともに、エステナは背中に背負った大きな弓と外し、斜め上、かなり上方に弓を構え矢をつがえた。風の魔法を静かに詠唱しながら狙いを定める。「切り裂けー!」と放った弓矢は凄い速さで白い閃光を残し青空に消えていった。
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