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第4章 禁術の魔法
禁術の魔法 27
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「バゼルの旦那、俺はこの中でやるのは反対だね。何か罠があるかもしれねえ。わざわざ相手の罠に乗るこたあねえだろ」
「……」バゼルは言葉なく後ろの男を睨んだ。
「いや、バゼルの旦那がいいんなら。文句はありませんがね」
やや背が低いが、バゼルに劣らぬ筋肉をつけた男が言った。背中の筋肉が盛り上がってるのか丸いのか、頭が肩よりさがり、上目遣いに周りを見渡すその姿には異様なものがあった。
もう一人の男は腕を組み無口に佇んでいた。二人より細身で引き締まった体をしている。端正な顔立ちだったが、顔の片方が潰れ黒い眼帯をつけていた。
「我はトゥーバル近衛兵バゼル。トゥーバルを代表して試合に挑む。先ほども申したように将軍は3対3を望まれている。そちらで構わんな」
「構わん」
モンペリの答えに、セイセルーが「やれやれ」とため息をつく。
「武器は好きな武器を使わせてもらうぞ」バゼルが言う。
「好きにしろ」
「最後に、この領域で正々堂々勝負を行うことを誓うか?」
「フッ、トゥーバルの兵士からそんな言葉が出てくるとはな。……誓おう」
「では、この場所で試合を行う」
「こちらの魔法使い以外は外に出て戦っても構わんが」
「いや、正々堂々勝負がしたい。外では何が起こるかわからん」
バゼルは障壁の周りに群がるトゥバールの兵を見渡した。
「……面白いやつだ。お前に似ている」
モンペリがグレーンに顔を向ける。
「ええ、是非手合わせ願いたい」
グレーンが腰の大剣に手をかけた。
「これを取らせてもらいたい」
バゼルが障壁側まで戻り、外に兵士達が持ってきたものを指差した。セイセルーが障壁に穴を開けると、バゼルの後ろにいた二人の兵士がそれぞれ、渡されたものを受け取った。
「……」バゼルは言葉なく後ろの男を睨んだ。
「いや、バゼルの旦那がいいんなら。文句はありませんがね」
やや背が低いが、バゼルに劣らぬ筋肉をつけた男が言った。背中の筋肉が盛り上がってるのか丸いのか、頭が肩よりさがり、上目遣いに周りを見渡すその姿には異様なものがあった。
もう一人の男は腕を組み無口に佇んでいた。二人より細身で引き締まった体をしている。端正な顔立ちだったが、顔の片方が潰れ黒い眼帯をつけていた。
「我はトゥーバル近衛兵バゼル。トゥーバルを代表して試合に挑む。先ほども申したように将軍は3対3を望まれている。そちらで構わんな」
「構わん」
モンペリの答えに、セイセルーが「やれやれ」とため息をつく。
「武器は好きな武器を使わせてもらうぞ」バゼルが言う。
「好きにしろ」
「最後に、この領域で正々堂々勝負を行うことを誓うか?」
「フッ、トゥーバルの兵士からそんな言葉が出てくるとはな。……誓おう」
「では、この場所で試合を行う」
「こちらの魔法使い以外は外に出て戦っても構わんが」
「いや、正々堂々勝負がしたい。外では何が起こるかわからん」
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「……面白いやつだ。お前に似ている」
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「ええ、是非手合わせ願いたい」
グレーンが腰の大剣に手をかけた。
「これを取らせてもらいたい」
バゼルが障壁側まで戻り、外に兵士達が持ってきたものを指差した。セイセルーが障壁に穴を開けると、バゼルの後ろにいた二人の兵士がそれぞれ、渡されたものを受け取った。
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