上 下
110 / 245
第3章 特別任務

特別任務 18

しおりを挟む
 その後、農園の中庭にて実際のフォーメーション確認を行なった。ディックは荷物から小さなクロスボウを取り出しながら話を始めた。

「シエンナの毒は強力で、人間ならばかすり傷を負わすだけでも十分効果があるが、相手は化け物だ、どれぐらい効くか、また効くまでの時間がどれぐらいかかるのか見当がつかん。そこで、まずはこのクロスボウで、毒矢を打ち込みたい。クロスボウの経験がある奴はいるか?」
 
 ノアが手を挙げた。

「私、ボウガンで魚取ってました」
「そうか。じゃ、ちょっと、あの木を撃ってみろ」

 そう言ってディックがノアにクロスボウを渡した。

「射程距離は15mほど。それ程威力は強くない。だが毒矢用なのでそれで十分だ」

 ノアはディックの話を訊きながら木に向け矢を放った。矢は一直線に飛んでいき幹の中心に突き刺さった。

「よし。それではあの矢に当てろ!」
「エッ……はい」

 ノアは一瞬驚いたものの、すぐにクロスボウを構え2投目を放った。矢は先ほどの矢の隣1cmほどのところに突き刺さった。

「次は、動きながらだ」

 ノアは少し離れた所から走ってくると回転して飛び込み、流れるように膝をついて狙いを定めた。放たれた矢はまた1cmほど隣に突き刺さった。レイとトーブの口から「おー」という声が漏れた。

「よし、いいだろう。この役目はノアに任せる」
「はい。……しかし、ディック班長でなくていいのですか?」

 ディックは太ももに手を置いたかと思うと、次の瞬間にはダガーナイフを放っていた。鈍い音を立てて木の幹に突き刺さる。その1投はノアが放った矢を見事に撃ち抜いていた。

「俺はこちらの方が合っている」

 3人の口から「おー」という声が上がった。

「アヌシビ様からもらったのは、死の羽毒ナイフを各自1本。そして毒矢が3本だ。これで仕留めるぞ」
「はい!」
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

処理中です...