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第2章 訓練の日々
訓練の日々 29
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数日後、なぜビルバがいきなりレイに声をかけてきたのかが分かった。
ブルブートキャンプの筋肉強化中、トーブに「何故、お前までやるんだよ」と言われた時に「考え事をしたくないんだ」と漏らした事があった。きっとそれが周りに広まったのだ。
「お前、また余計な事を言ったな?」
と午前の訓練が終わったところでトーブに詰め寄った。
「ハッ? なんの事だ? 覚えがありすぎて良くわかんねえけど」
「……」
「それに、余計なことかどうかを決めるのは俺だよ。レイじゃない。俺だよ俺。そして、ここ一番重要! 俺の言葉に全て余計なことはない!!」
「……フッ、そう言えるのが凄いな」
「フン!」
トーブは踵を返すと、スタスタと食堂に歩いて行った。
「でも、ありがとうな。トーブ」
とレイが声をかけると、トーブは歩みを止めると戻ってきた。
「お礼はノアにいいな。一番心配してるのはノアだよ。さ、飯食おうぜ、飯!」
昼食後、中庭にはどこかで寝ているモーラのいびきが響いていた。
手前の木陰ではノアが寝転んでいる。その側まで食事を終えたレイがやってきた。
「寝ろ! ほら。そこ空いてる」
とノアが目を瞑ったまま、横のスペースを指差した。
ブルブートキャンプの筋肉強化中、トーブに「何故、お前までやるんだよ」と言われた時に「考え事をしたくないんだ」と漏らした事があった。きっとそれが周りに広まったのだ。
「お前、また余計な事を言ったな?」
と午前の訓練が終わったところでトーブに詰め寄った。
「ハッ? なんの事だ? 覚えがありすぎて良くわかんねえけど」
「……」
「それに、余計なことかどうかを決めるのは俺だよ。レイじゃない。俺だよ俺。そして、ここ一番重要! 俺の言葉に全て余計なことはない!!」
「……フッ、そう言えるのが凄いな」
「フン!」
トーブは踵を返すと、スタスタと食堂に歩いて行った。
「でも、ありがとうな。トーブ」
とレイが声をかけると、トーブは歩みを止めると戻ってきた。
「お礼はノアにいいな。一番心配してるのはノアだよ。さ、飯食おうぜ、飯!」
昼食後、中庭にはどこかで寝ているモーラのいびきが響いていた。
手前の木陰ではノアが寝転んでいる。その側まで食事を終えたレイがやってきた。
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