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第2章 訓練の日々
訓練の日々 27
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また、ある時は城砦の拡張工事をさせられた。
ここで分かったことは、あまり皆と関わりを持たない双子のルッカとロッカが、元石工で建築技術に精通している事だった。他の皆が石切工職人の下で、図面通りに石材を切り出す石切作業を行う中。ルッカとロッカは石工職人と共に石のバランスをみて石を組み上げていく。
関心して見ていたレイにルッカが言う。
「レイ、この石少し歪んでる。真っ直ぐ切ってくれ」
「ああ」
慎重に切って渡した石を見てロッカが言う。
「レイ、この石少し歪んでる。真っ直ぐ切ってくれ」
「あ、ああ」
二人とも建築に関しては妥協がなかった。
トーブが近づいてきて耳打ちする。
「レイ。いい事教えてやろうか?」
「なんだ?」
「驚くなよ。ルッカとロッカの事、双子だと思ってるだろ?」
「違うのか?」
「違うんだなーこれが、実は三つ子なんだなー」
レイはびっくりした。ルッカとロッカが三つ子だと言う事にではない。トーブはどこからその情報を仕入れているんだと言う事にだ。よーく、トーブを見ていると、トーブはずっと誰かと分け隔てなく喋っていた。ルッカとロッカはもとより、近づきがたいランスや、年配のビルバ、寡黙なサンタンにも。
ある意味才能だなと思う。そして、トーブに秘密を話すと次の日には皆に知れ渡るなとも思った。……悪い奴じゃないんだけどな。
「こらトーブ! 口を動かす暇があったら手を動かせ!!」
ストラスブルのだみ声が響く。
「よし! 今日もブルズブートキャンプだ」
トーブの顔が青くなったのが分かった。レイはそんなトーブを見てフッと笑いながら「俺も、付き合ってやるよ」と声をかけた。ストラスブルがトーブとレイの肩に手をおいて「今日は地獄の上の天国コース行くか」と呟いて、ハッハッハッハ。と笑い声をあげた。
トーブの顔がますます青くなっていった。
ここで分かったことは、あまり皆と関わりを持たない双子のルッカとロッカが、元石工で建築技術に精通している事だった。他の皆が石切工職人の下で、図面通りに石材を切り出す石切作業を行う中。ルッカとロッカは石工職人と共に石のバランスをみて石を組み上げていく。
関心して見ていたレイにルッカが言う。
「レイ、この石少し歪んでる。真っ直ぐ切ってくれ」
「ああ」
慎重に切って渡した石を見てロッカが言う。
「レイ、この石少し歪んでる。真っ直ぐ切ってくれ」
「あ、ああ」
二人とも建築に関しては妥協がなかった。
トーブが近づいてきて耳打ちする。
「レイ。いい事教えてやろうか?」
「なんだ?」
「驚くなよ。ルッカとロッカの事、双子だと思ってるだろ?」
「違うのか?」
「違うんだなーこれが、実は三つ子なんだなー」
レイはびっくりした。ルッカとロッカが三つ子だと言う事にではない。トーブはどこからその情報を仕入れているんだと言う事にだ。よーく、トーブを見ていると、トーブはずっと誰かと分け隔てなく喋っていた。ルッカとロッカはもとより、近づきがたいランスや、年配のビルバ、寡黙なサンタンにも。
ある意味才能だなと思う。そして、トーブに秘密を話すと次の日には皆に知れ渡るなとも思った。……悪い奴じゃないんだけどな。
「こらトーブ! 口を動かす暇があったら手を動かせ!!」
ストラスブルのだみ声が響く。
「よし! 今日もブルズブートキャンプだ」
トーブの顔が青くなったのが分かった。レイはそんなトーブを見てフッと笑いながら「俺も、付き合ってやるよ」と声をかけた。ストラスブルがトーブとレイの肩に手をおいて「今日は地獄の上の天国コース行くか」と呟いて、ハッハッハッハ。と笑い声をあげた。
トーブの顔がますます青くなっていった。
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