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2/22 交渉

R-1

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 すっと、伊藤が私とアトムの間に割り込んだ。

 私の手、簡単にアトムの手から外されてしまう。

「お手々つないで、この家から出てどこへ行く気だ?
旦那様、車なら用意いたしますが、この屋敷周囲、徒歩圏内に見るものなどありません。
つまり、手を握るのは催眠術か何かを掛けるため。
危険です」

「さすがに面倒になった」

 アトムがつぶやく。

「伊藤さん、あなたも来い」

 そう言ったアトムの手が、伊藤の手首を掴んだ。

 私にはよくわからない攻防があって、伊藤の顔が驚愕に歪んだ。

「凜花、僕の肩に掴まれ」
「はいっ」

 私、お父様と伊藤がいるのに、アトムにしがみついてしまった。
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