185 / 215
1/15 朱に染まる
I -1
しおりを挟む
その瞬間、カレンはこの世の物とは思えない悲鳴にも似た雄たけびを上げた。
ボロボロと、傷口に刷り込んだ皮膚が崩れ落ちる。傷口は戻らなかった。1分経った今でもカレンは痛みに悶えている。
これしかない。
僕は花束を手のひらですりつぶした。
「なるべく、苦しまないように……」
僕はカレンの首をはねた。
舞う血飛沫に白い花畑が赤く染まる。
遠くへ転がった首を見向きもせず僕は切り口に摺りつぶした白い花を塗り付けた。
「ぎゃあああああああああ」
僕の背後で、首が叫ぶ。
「ごめんね、カレン。安らかに……眠るんだ」
僕の瞳から二筋の涙が零れ落ちた。
ボロボロと、傷口に刷り込んだ皮膚が崩れ落ちる。傷口は戻らなかった。1分経った今でもカレンは痛みに悶えている。
これしかない。
僕は花束を手のひらですりつぶした。
「なるべく、苦しまないように……」
僕はカレンの首をはねた。
舞う血飛沫に白い花畑が赤く染まる。
遠くへ転がった首を見向きもせず僕は切り口に摺りつぶした白い花を塗り付けた。
「ぎゃあああああああああ」
僕の背後で、首が叫ぶ。
「ごめんね、カレン。安らかに……眠るんだ」
僕の瞳から二筋の涙が零れ落ちた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
FLY ME TO THE MOON
如月 睦月
ホラー
いつもの日常は突然のゾンビ大量発生で壊された!ゾンビオタクの格闘系自称最強女子高生が、生き残りをかけて全力疾走!おかしくも壮絶なサバイバル物語!
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
彼女達ノ怪異談ハ不死議ナ野花ト野薔薇ヲ世マゼル
テキトーセイバー
ホラー
前作からの彼女の不思議な野花を咲かせるの続編です。
前回メンバー64名が参加します。
前作でやらなかった怪異談や将来的に座談怪異などやります。
一応作者の限界まで怪異談を書こうと思います。
R15対象は保険です
表紙は生成AI
悪夢症候群
緋色刹那
ホラー
・完結済み。第1部〜3部を読みやすく改稿中(不定期)
→しばらく作業しなさそうなので、一旦完結設定にしました。
・連作短編。人物のつながりあり
・胸糞、暴力、グロシーンが一部あります
〈第4部 あらすじ〉【最新】
悪夢の代行人「天使様と悪魔様」を巡る、オムニバスホラー。その裏には必ず、「アクムツカイ」と「アクムツカイ殺人事件」が関わっていた。雑誌記者、間宮可夢偉(まみやかむい)が「天使様と悪魔様」の正体に迫る!
見える世界は現実か、悪夢か、それとも……?
〈1部あらすじ〉
昼間に出歩く病弱そうな青年、夜な夜な悪夢に現れるピンクのコートの少女、蓄積した不満を爆発させる会社員……彼らの標的になった人々は悪夢に囚われ、現実を侵食されていく。果たして、今見ているのは現実か? それとも、永遠に覚めることのない悪夢か? 人間はいつだって自分勝手で、おぞましい。
〈2部あらすじ〉
作家を目指す歩夢、中学校に進学した夢花、夢花の継父の優一の三人は、同じ「夢見荘」というアパートに引っ越す。歩夢と夢花は"悪夢"を駆使し、アパート周辺の「様々な人達」を粛正していくが……。
〈3部あらすじ〉
女子高生、野々原(ののはら)は自覚なき「悪夢使い」。人の良さから能力を制御できず、夜ごと悪夢に苦しめられていた。
同じ高校に入学した夢花は野々原に興味を持ち、彼女の悪夢を渡り歩くが……。
その頃、街では謎の赤いドレスの美女が無作為に人々を悪夢に落としていた。果たして、彼女は何者なのか?
薔薇色、曇天色、極彩色……三色三様の「悪夢」が、新たな街を狂気へと染める。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
ノスタルジック;メトリー ①帯付く村
臂りき
ホラー
高校生最後の冬、彼女に思いの丈を打ち明けるはずだった僕は死んだ。
約束の場所に向かう途中に遭遇した未知の存在との接触後、肉体を失った僕は彼女の守護に徹することに決めた。
しかし、元より内に熱いものを秘めた彼女を見守ることは容易ではなかった。
彼女の趣味である小旅行もとい「廃墟・心霊・パワスポ巡り」には何故かいつも不可思議な現象が付きまとう。
やがてそのどれもが僕の「死」と無関係ではないことを二人は知ることになる。
【探索メイン、稀に戦闘有り】
【やるべきことは二つ。 何より彼女のことを見守ること。あわよくば失った肉体を取り戻すこと】
※作中に登場する人物、地名は実在するものとほとんど関係ありません。安心してお読みください。
コインランドリー
蒼琉璃
ホラー
ここは、貴方の街にあるかも知れない『怖い噂』が絶えないと言う24時間営業のコインランドリー。
この場所には光に誘われる羽虫のように、怪異達がヒタヒタと忍び寄ります。
ほら、雨の夜に……人気のない昼間に……。
コインランドリーにまつわるオムニバス形式のショート・ショートの怖いお話です。
※他サイトにも投稿しておりますがアルファポリスのみ書き下ろし分あり。
※表紙は無料素材『写真AC様』よりお借りしました。
6畳間のお姫さま
黒巻雷鳴
ホラー
そのお姫さまの世界は、6畳間です。6畳間のお部屋が、お姫さまのすべてでした。けれども、今日はなんだか外の様子がおかしいので、お姫さまはお部屋の外へ出てみることにしました。
※無断転載禁止
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる