代償【リレー小説】

緑井 藻猫R

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1/13 君も

M-2

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「今日はここに寝て。僕の妹の部屋だ。今は北に避難していないから」

 結局この村には亜人軍は達することはなかったが、それは結果論だ。どうなるか分からなかった以上、これで良かったのだと思いたかった。

 カレンはこくり、と頷くと、シモーネのベッドに腰掛けた。

 僕が部屋を立ち去ろうとすると。

 僕の服の裾を、カレンが掴んでいた。

「……どうしたの?」

 カレンの目は、潤んでいた。首をふるふると横に振った。行くなということだろうか。

「怖いのかな?」

 こくりともう一回。

「僕はどうすればいい?」

 我ながら卑怯な言い方だと思う。だが、カレンが望まないままこの部屋にはいれない。
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