代償【リレー小説】

緑井 藻猫R

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1/10 亜人軍との戦い

I -4

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 亜人は去った。そして、敵国の軍隊も死んだ。

 ならばと、僕は米粒のように遠くにいる老人を睨みつけ、駆け出した。カレンを守るため、そして、老人に好き勝手させないためだ。

 もう、あの化け物を止められるのは僕だけだろう。

 全速力で駆け抜ける僕に向かって、大砲の筒が向いた。

 一瞬の閃光。瞬きする間もなく、気が付いたら宙に浮いていた。地面にたたきつけられる衝撃、激痛。

 死なない。確かに僕は死なないのだろうが、この痛みに耐える事が出来ずに動けなかった。

 体は即刻回復を始める。再生するのを待つしかない。きっと物の数分、されどその数分がカレンの命運を握る。
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