代償【リレー小説】

緑井 藻猫R

文字の大きさ
上 下
89 / 215
1/6 白い花

I -5

しおりを挟む
「どうしても、譲れないんだな」
「うん。ごめん、父さん、母さん」

 僕は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。父さんはそれ以上は何も言わずに俯くばかりだった。

「出来るだけ遠く、できれば塀で囲まれている北の大きな街に避難してくれ」
「あそこなら我が軍の基地もある。安全だろうな」

「けどあなた、かなり距離があるわよ?」

 母はシモーネを見て不安そうにそう言った。

「父さん、母さん。シモーネを頼んだよ?シモーネも、二人の言う事を良く聞くんだ、分かったね」

 僕はシモーネを正面から見据える。もう二度と会わない方が良いのかも知れない。

 涎が垂れ始める。そろそろ限界だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

FLY ME TO THE MOON

如月 睦月
ホラー
いつもの日常は突然のゾンビ大量発生で壊された!ゾンビオタクの格闘系自称最強女子高生が、生き残りをかけて全力疾走!おかしくも壮絶なサバイバル物語!

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

【死に文字】42文字の怖い話 【ゆる怖】

灰色猫
ホラー
https://www.alphapolis.co.jp/novel/952325966/414749892 【意味怖】意味が解ると怖い話 ↑本編はこちらになります↑ 今回は短い怖い話をさらに短くまとめ42文字の怖い話を作ってみました。 本編で続けている意味が解ると怖い話のネタとして いつも言葉遊びを考えておりますが、せっかく思いついたものを 何もせずに捨ててしまうのももったいないので、備忘録として 形を整えて残していきたいと思います。 カクヨム様 ノベルアップ+様 アルファポリス様 に掲載させていただいております。 小説家になろう様は文字が少なすぎて投稿できませんでした(涙)

パパー!紳士服売り場にいた家族の男性は夫だった…子供を抱きかかえて幸せそう…なら、こちらも幸せになりましょう

白崎アイド
大衆娯楽
夫のシャツを買いに紳士服売り場で買い物をしていた私。 ネクタイも揃えてあげようと売り場へと向かえば、仲良く買い物をする男女の姿があった。 微笑ましく思うその姿を見ていると、振り向いた男性は夫だった…

意味が分かると怖い話 完全オリジナル

何者
ホラー
解けるかなこの謎ミステリーホラー

婚約破棄は計画的にご利用ください

Cleyera
BL
王太子の発表がされる夜会で、俺は立太子される第二王子殿下に、妹が婚約破棄を告げられる現場を見てしまった 第二王子殿下の婚約者は妹じゃないのを、殿下は知らないらしい ……どうしよう :注意: 素人です 人外、獣人です、耳と尻尾のみ エロ本番はないですが、匂わせる描写はあります 勢いで書いたので、ツッコミはご容赦ください ざまぁできませんでした(´Д` ;)

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

螺旋の操り人形

角砂糖
ホラー
ある日のこと。蛍(けい)はふと考えた。 「この世界って、本当に、本物なのかな…?」 考えても終わりが見つからない考え事の末、蛍が辿り着いた真実とは...? 少しミステリー要素含みます。

処理中です...