代償【リレー小説】

緑井 藻猫R

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M-3

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 妹を喰らう。あり得なかった。あり得ないが、その響きが僕を心躍らせるのもまた事実だった。

「そうだ、さっきあんた言ってたな! 殺す必要はないと! 例えば一部を食うとか、そうだ、血を飲むのなんてどうだ!?」

 老人がニヤリと笑った。

「目の前にして止まるのか?」

 僕は何も言えなかった。

「無理だ。止まらない。止められないんだよ」

 僕はハッとした。そうだ、こいつは一度魚人から人間に復帰しているのだ。

 つまり、大事な人を喰らっている。

「……あんたは、一体誰を喰って元の体に戻ったんだ?」
「嫌な質問だな。答える必要はないだろう」
「教えてくれ! どうだったんだ!」
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