代償【リレー小説】

1/3 食欲

Ｍ-６

　当初の目的、戦火の肉の盾にさせるには、今僕が殺してしまっては役に立たなくなる。

　そしてこいつらはきっと旨くない。

　ふと入り口脇を見ると、樽の中に水。飲み水として用意していたのだろう。

　僕はそれに口を付けて一気に吸い上げると、腰が引けている男達に向けて夜化け物がやった事を真似てみた。

　腿からふくらはぎにかけてひとりひとりに水撃を1発ずつ食らわせる。

　開いた穴から血がドバドバ出てくるが、やはりあまり旨そうではない。

　つまり、食欲は抑えられる。

　まだ立っている人間は、先程突き出された男。

「オマエ、来い」

　何かに使えるかもしれない。僕は男を呼んだ。