代償【リレー小説】

緑井 藻猫R

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1/3 食欲

R-3

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 ただ、誤算だったのは、あまりに空腹。

 海を泳いでいれば、手当り次第魚を摑まえて口に運ぶこともできた。

 でも、陸地ではそれもできない。

 無から有は生じない。

 移動して体力を使えば、それだけ確実に腹が減る。

 この身体は、恐ろしいほどの力を秘めているけど、空腹になったときの辛さも酷い。

 そして、僕の村と、浜納屋の老人のいた村との間には、幾つかの村があり……。

 もう、男たちはみんな、漁に出ている頃だ。

 村に残されているのは、女子供と老人ばかり。

 女の肉は柔らかいだろう。

 子供の肉は瑞々しいに違いない。

 老人たちが手向かおうとも、僕の身体に小傷をつけるのがせいぜいだ。
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