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警備隊のお仕事Ⅱ
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「ウィルがいろいろとしていることは知っていたけど、本当にいろいろとしているんだね?」
「知らなかったのですか?」
「かっこつけだからね。私には言わないこともあるよ?もちろん相談にくることもあるけど、未来に向かって、ウィルなりに整えているんだね」
「……未来に向かってですか?」
ダリアが何かに引っかかったように私に問うので、アンジェラの話をすることにした。間違った話ではないので、いいだろう。
「私やジョージア様が引退したあと、領地を引き継ぐのはアンジェラなの。ジョージア様から正当な公爵位を引き継ぐことになるわ」
「『ハニーローズ』でしたか?」
「それももちろんあるけど、アンバー公爵の爵位は、代々、蜂蜜色の瞳を持つ子が受け継ぐことになっているのよ」
「アンナ様のお子で確かに蜂蜜色の瞳を持つのはアンジェラ様だけですね」
「そう。もう、アンジェラの将来は決まっているのよ。私もジョージア様もできうる限りのことはアンジェラにしてあげるつもりだけど、それだけじゃ難しいこともあるから。ウィルやセバスが公宮を離れない理由でもあるわ。そして、ナタリーも。女性たちの集まりで、彼女の右に出るものはいないわね。それぞれが、いつか、アンジェラが爵位を引き継いだとき、傍らで補佐ができるようにと力をつけてくれているの」
アンジェラを知るみなは、あんな小さな女の子の未来がと少し驚いているが、アンジェラの立ち位置は、とても危ない。『ハニーローズ』として世間に知れ渡っている今、いろいろとお騒がせな人も多いことは確かだ。
刺客を送ってくるは私でもあったことだし、今もずっと張り付いているので気にもかけていないが、幼子との婚姻を望むものが多い。自らの子どもどおしでどうだろうか?と言うのもあるが、私より年上からの求婚なんかあるのだから困ったものだ。公爵家の嫡子であるからこそ、入り婿になんて話もあるが、お断りしている。
そのへんは、いろいろと手は打ってあるのだ。トワイス国の王太子殿下との約束とかサンストーン公爵家との約束とか……適当に言ってある。実際、子どもたちが気に入ればと言う話であれば、王室公室サンストーン公爵家とは、口約束が済んでいる。実際、アンジェラが選ぶのは、その約束した人物たちではなく、目の前のレオなのだが、二人で選んでほしいから未来は話すつもりはない。
「セバスチャン様にそんな責務があるのですね。筆頭公爵家のご令嬢は確かに危うい立場になりかねませんからね」
「アンナの性格をみても、アンジェラ様の性格を考えても、人の言うことを聞くとも思えませんから、きっと我が道は我で切り開く感じだと思うんですよね?」
「……アデル」
「あっ、はい。すみません」
「まさにその通りだと思うわ!」
ニッコリ笑いかけると、「やっぱりですか?」と少しため息をついていた。世代的にレオを見て少し気の毒そうにしているが、レオはレオでかなりの大物に化けるからと頷いておいた。
「知らなかったのですか?」
「かっこつけだからね。私には言わないこともあるよ?もちろん相談にくることもあるけど、未来に向かって、ウィルなりに整えているんだね」
「……未来に向かってですか?」
ダリアが何かに引っかかったように私に問うので、アンジェラの話をすることにした。間違った話ではないので、いいだろう。
「私やジョージア様が引退したあと、領地を引き継ぐのはアンジェラなの。ジョージア様から正当な公爵位を引き継ぐことになるわ」
「『ハニーローズ』でしたか?」
「それももちろんあるけど、アンバー公爵の爵位は、代々、蜂蜜色の瞳を持つ子が受け継ぐことになっているのよ」
「アンナ様のお子で確かに蜂蜜色の瞳を持つのはアンジェラ様だけですね」
「そう。もう、アンジェラの将来は決まっているのよ。私もジョージア様もできうる限りのことはアンジェラにしてあげるつもりだけど、それだけじゃ難しいこともあるから。ウィルやセバスが公宮を離れない理由でもあるわ。そして、ナタリーも。女性たちの集まりで、彼女の右に出るものはいないわね。それぞれが、いつか、アンジェラが爵位を引き継いだとき、傍らで補佐ができるようにと力をつけてくれているの」
アンジェラを知るみなは、あんな小さな女の子の未来がと少し驚いているが、アンジェラの立ち位置は、とても危ない。『ハニーローズ』として世間に知れ渡っている今、いろいろとお騒がせな人も多いことは確かだ。
刺客を送ってくるは私でもあったことだし、今もずっと張り付いているので気にもかけていないが、幼子との婚姻を望むものが多い。自らの子どもどおしでどうだろうか?と言うのもあるが、私より年上からの求婚なんかあるのだから困ったものだ。公爵家の嫡子であるからこそ、入り婿になんて話もあるが、お断りしている。
そのへんは、いろいろと手は打ってあるのだ。トワイス国の王太子殿下との約束とかサンストーン公爵家との約束とか……適当に言ってある。実際、子どもたちが気に入ればと言う話であれば、王室公室サンストーン公爵家とは、口約束が済んでいる。実際、アンジェラが選ぶのは、その約束した人物たちではなく、目の前のレオなのだが、二人で選んでほしいから未来は話すつもりはない。
「セバスチャン様にそんな責務があるのですね。筆頭公爵家のご令嬢は確かに危うい立場になりかねませんからね」
「アンナの性格をみても、アンジェラ様の性格を考えても、人の言うことを聞くとも思えませんから、きっと我が道は我で切り開く感じだと思うんですよね?」
「……アデル」
「あっ、はい。すみません」
「まさにその通りだと思うわ!」
ニッコリ笑いかけると、「やっぱりですか?」と少しため息をついていた。世代的にレオを見て少し気の毒そうにしているが、レオはレオでかなりの大物に化けるからと頷いておいた。
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