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お出かけ日和とお昼ご飯Ⅳ
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「えっ?レオ?」
「なんですか?アデルさん」
「いや、今……」
「母様をお願いしますと言いましたけど?」
「……アンナ、これは夢ですか?」
「どうして?夢じゃないでしょ?アンバー領に帰ったら、まずは、リアンと話したら?」
私はニコニコと笑いながらアデルに話すと頷いている。よほど、レオからの言葉が嬉しかったのだろう。
「ところで……」
「なんでしょう?」
「その料理おいしそうだけど……」
「これが欲しいのですか?」
「うん、そう」
ご機嫌そうなアデルはお皿を私のところへ回してくれる。アンバー領では見た頃がないパンで、気になっていた。
ずっと狙っていたので、バレたようだ。
「これは何が入っているの?」
「中にパスタが入っているんですよ。アンナの好きそうなトマト系のパスタが中に入っていましたよ?」
お皿からパンを1つとって口に運ぶ。あむっと口に入れると確かに中にパスタが入っている。衝撃的な組み合わせに私はブルっと震える。
「おいひぃー!」
「アンナ、食べるか喋るかどっちかにして?」
「……ひゃい」
しょぼんとしながら食べる。もぐもぐと食べていくとこの食べもの……うちの料理長も作ってくれないかなぁ?と考えながら味を覚えていく。絶妙なトマトの酸味とパンの甘味がちょうどいい。
「これ、みんな食べてみてほしいな。とてもおいしい」
「残りは三人で食べてみてください」
「いただきますか?」
レオがダリアとココナに聞くので少し戸惑ったあと二人とも頷く。三人で1つをわけるようだ。レオが切り分け、二人に渡すとそれぞれが口に運ぶ。
「……本当。とてもおいしいわ」
「本当ですね?」
「こんなパンは初めてです!」
私たちが騒いでいるとお店の人が近寄ってきた。
「どうかされましたか?」
「このパン、とってもおいしいから驚いちゃって」
「これですか?当店自慢の総菜パンですよ」
「総菜パン?」
「中におかずが入っているんです。パスタのものがとても人気で。喜んでいただけたのなら店主も喜びます」
あまりにも嬉しそうに話をしていたので、声を掛けてくれたらしい。本当においしいのだから、他でも売ればいいのにと思った。
提案してみると、店員は首を横に振る。このお店で作れる分だけでいいそうだ。他の店で同じようなパンが出てきたとしても、自分たちの店が1番だと笑う店員の自慢気な表情はおいしさを物語っていた。
「そっか……うちでも作れるといいなって思ったんだけど……」
「作り方ならお教えしますから、いつでも来てください」
ニコッと笑いながら、空になったお皿を下げて行ってくれた。満足した私たちは、お勘定をして店をあとにした。
「なんですか?アデルさん」
「いや、今……」
「母様をお願いしますと言いましたけど?」
「……アンナ、これは夢ですか?」
「どうして?夢じゃないでしょ?アンバー領に帰ったら、まずは、リアンと話したら?」
私はニコニコと笑いながらアデルに話すと頷いている。よほど、レオからの言葉が嬉しかったのだろう。
「ところで……」
「なんでしょう?」
「その料理おいしそうだけど……」
「これが欲しいのですか?」
「うん、そう」
ご機嫌そうなアデルはお皿を私のところへ回してくれる。アンバー領では見た頃がないパンで、気になっていた。
ずっと狙っていたので、バレたようだ。
「これは何が入っているの?」
「中にパスタが入っているんですよ。アンナの好きそうなトマト系のパスタが中に入っていましたよ?」
お皿からパンを1つとって口に運ぶ。あむっと口に入れると確かに中にパスタが入っている。衝撃的な組み合わせに私はブルっと震える。
「おいひぃー!」
「アンナ、食べるか喋るかどっちかにして?」
「……ひゃい」
しょぼんとしながら食べる。もぐもぐと食べていくとこの食べもの……うちの料理長も作ってくれないかなぁ?と考えながら味を覚えていく。絶妙なトマトの酸味とパンの甘味がちょうどいい。
「これ、みんな食べてみてほしいな。とてもおいしい」
「残りは三人で食べてみてください」
「いただきますか?」
レオがダリアとココナに聞くので少し戸惑ったあと二人とも頷く。三人で1つをわけるようだ。レオが切り分け、二人に渡すとそれぞれが口に運ぶ。
「……本当。とてもおいしいわ」
「本当ですね?」
「こんなパンは初めてです!」
私たちが騒いでいるとお店の人が近寄ってきた。
「どうかされましたか?」
「このパン、とってもおいしいから驚いちゃって」
「これですか?当店自慢の総菜パンですよ」
「総菜パン?」
「中におかずが入っているんです。パスタのものがとても人気で。喜んでいただけたのなら店主も喜びます」
あまりにも嬉しそうに話をしていたので、声を掛けてくれたらしい。本当においしいのだから、他でも売ればいいのにと思った。
提案してみると、店員は首を横に振る。このお店で作れる分だけでいいそうだ。他の店で同じようなパンが出てきたとしても、自分たちの店が1番だと笑う店員の自慢気な表情はおいしさを物語っていた。
「そっか……うちでも作れるといいなって思ったんだけど……」
「作り方ならお教えしますから、いつでも来てください」
ニコッと笑いながら、空になったお皿を下げて行ってくれた。満足した私たちは、お勘定をして店をあとにした。
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