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お出かけ日和とお昼ご飯Ⅱ

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「みんな何食べる?」
「アンナ様の奢りですか?」


 アデルがやけに乗り気でこちらに話を振ってくるので、ニコニコと笑う。それで察したのか、すごすごとひっこで行いった。


「いいよ。今日のお昼くらい、私が出しますけど?お財布はアデルが持っているのでしょ?」
「言われてみれば、そうでした」
「うん、じゃあ、好きなものを頼んで。少しお昼には早いからって思っているかもだけど、帰りも遅くなるから、ちゃんと食べておいて?」


 私の話を半分聞きながら、アデルは真剣に悩んでいる。考えていることはなんとなくわかるので苦笑いした。隣に座るレオも真剣に考えている。


「遠慮なく食べてね?レオはこれから体が出来上がっていくんだから、しっかり食べるんだよ?」
「わかりました!」
「アデルは、年も考えて食べるんだよ?護衛でもあるんだから、食べ過ぎたら動けなくなるからね?」
「抜かりなく大丈夫です。消費のいいものと腹持ちのいいものと甘いものを選びますから」


 そうこうしているうちに、アデルは店員を呼んで、自分の食べる分のメニューを頼み始めた。聞いていると、あきらかに多い品数で、思わずアデルに「大丈夫?」と聞いてしまう。


「平気です。アンナたちも好きな料理を選んでください」


 頼み終わったので、次に私たちへ促してくる。レオに促してやると、もうしわけなさそうに遠慮して注文を言っている。その後ダリアにもココナにも促して最後に私が注文をする。


「……アンナって、いがいと食べますよね?」


 おそるおそるというふうにダリアが私に聞くので、「そう?」と首を傾げた。たしかにダリアやココナに比べると多い気がするが、日常的な量なので、なんとも思わない。


「アデル、私の食べる量って多いのかしら?」
「多いと思いますよ?一般的に考えてですが。アンナは食べる量以上に動き回っているから、消費されていますし、ちょうどいいと思いますよ?」
「……外では控えたほうがいい?アデルと出かけるときとか……」
「どうしてですか?おいしそうにご飯を食べる女性って、かなり魅力的だと思いますよ?好みでいうならば、おいしいと嬉しそうに食べている姿は幸せな気持ちにさせてくれますし、ものすごく好みです」
「アデルに好みって言われちゃった。今まで、見向きもされなかったのに」


 わざとらしく肩を落とすとみなが何故か笑う。そこに料理が机に並べられるので、私たちの会話は、いっきに昼食へと意識が向いて行ってしまった。湯気の立つ料理は、どれを見てもおいしそうだった。
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