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お出かけ日和Ⅵ
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「楽しいお話中にすみません」
声をかけてきたのは、御者台に座っていたココナだった。私たちのくだらないおしゃべりが外にも聞こえていたらしく、なんだか恥ずかしい。きっと、御者台にはアデルもいるので、私たちの会話を聞いて笑っていたに違いない。
「どうかしたの?」
「もうすぐ到着する予定なのですが、いかがしますか?」
「そうね……」
私は少し考えると、お腹が空いたような気がする。少し、さすってみると、やっぱり減っている。
「少し早いけど、お昼を食べましょうか?それから、向かっても大丈夫よね?」
「えぇ、そうですね」
「ダリアやレオもそれでいい?」
二人は私に頷くので、「アデル」と呼びかけた。返事をしてくれるので、「少し先にある食堂に生きましょう」と声を書ける。
「アデルは、コーコナのことは知っているのだっけ?」
「あまり……何度か来ましたけど、詳しいわけではありませんよ」
馬車の速度はだんだんゆっくりになり、ガタンと停まった。
行っていた場所に着いたようだ。私たちは、扉を開けてくれるまで待つ。アデルが扉を開けてくれるので、レオが1番初めに降りた。その次にダリアが降り、私は最後に降りる。
夏も近いからか、太陽の日差しも強く、上を向いた瞬間少し立ち眩みをした。
「大丈夫ですか?」
ココナが私に即座に駆け寄ってくれた。
「えぇ、大丈夫。急に上を見上げたら、太陽を見ちゃって……」
「気を付けてくださいね?」
「もちろん。ごめんね」
私はココナの手をとり、歩き始めた。心配する面々がこちらを見ているので、微笑みかけた。
「心配かけてごめんなさい。ご飯食べようか。ここは、おいしいらしいって聞いたところなんだけど……」
「アンナ様は、どこで、そんな情報を手に入れるのですか?」
「ん……町中?この前アデルと出かけたときに聞いたんだよね」
「……聞いていませんけど?」
「耳に入ってくるんだよ?」
「それは、アンナ様の耳が特殊名だけですから……」
小さなため息と一緒に、私たちは食堂の扉を開く。5人の客に少し驚いたようで、お店の人が近寄ってきた。
「いらっしゃいませ」
「5人だけど……」
「あちらの席にどうぞ」
窓際の明るい席に案内されて座ろうとしたとき、ココナが躊躇したので、にこっと笑いかける。アデルはすでに慣れっこなので、普通に自分の席を確保していた。むしろ不思議そうにアデルはココナを見上げている。
「ココナさん、お忍びのときの食事で席を分けるということは、目立つ行動ですから、控えてください。なるべくでいいですけど……慣れませんよね?」
アデルがココナに笑いかけると、コクンと頷くココナ。大丈夫だと、アデルも同じように頷いた。
声をかけてきたのは、御者台に座っていたココナだった。私たちのくだらないおしゃべりが外にも聞こえていたらしく、なんだか恥ずかしい。きっと、御者台にはアデルもいるので、私たちの会話を聞いて笑っていたに違いない。
「どうかしたの?」
「もうすぐ到着する予定なのですが、いかがしますか?」
「そうね……」
私は少し考えると、お腹が空いたような気がする。少し、さすってみると、やっぱり減っている。
「少し早いけど、お昼を食べましょうか?それから、向かっても大丈夫よね?」
「えぇ、そうですね」
「ダリアやレオもそれでいい?」
二人は私に頷くので、「アデル」と呼びかけた。返事をしてくれるので、「少し先にある食堂に生きましょう」と声を書ける。
「アデルは、コーコナのことは知っているのだっけ?」
「あまり……何度か来ましたけど、詳しいわけではありませんよ」
馬車の速度はだんだんゆっくりになり、ガタンと停まった。
行っていた場所に着いたようだ。私たちは、扉を開けてくれるまで待つ。アデルが扉を開けてくれるので、レオが1番初めに降りた。その次にダリアが降り、私は最後に降りる。
夏も近いからか、太陽の日差しも強く、上を向いた瞬間少し立ち眩みをした。
「大丈夫ですか?」
ココナが私に即座に駆け寄ってくれた。
「えぇ、大丈夫。急に上を見上げたら、太陽を見ちゃって……」
「気を付けてくださいね?」
「もちろん。ごめんね」
私はココナの手をとり、歩き始めた。心配する面々がこちらを見ているので、微笑みかけた。
「心配かけてごめんなさい。ご飯食べようか。ここは、おいしいらしいって聞いたところなんだけど……」
「アンナ様は、どこで、そんな情報を手に入れるのですか?」
「ん……町中?この前アデルと出かけたときに聞いたんだよね」
「……聞いていませんけど?」
「耳に入ってくるんだよ?」
「それは、アンナ様の耳が特殊名だけですから……」
小さなため息と一緒に、私たちは食堂の扉を開く。5人の客に少し驚いたようで、お店の人が近寄ってきた。
「いらっしゃいませ」
「5人だけど……」
「あちらの席にどうぞ」
窓際の明るい席に案内されて座ろうとしたとき、ココナが躊躇したので、にこっと笑いかける。アデルはすでに慣れっこなので、普通に自分の席を確保していた。むしろ不思議そうにアデルはココナを見上げている。
「ココナさん、お忍びのときの食事で席を分けるということは、目立つ行動ですから、控えてください。なるべくでいいですけど……慣れませんよね?」
アデルがココナに笑いかけると、コクンと頷くココナ。大丈夫だと、アデルも同じように頷いた。
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