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男装のステイ
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参加しないといけない夜会や茶会には顔を出した私は、いよいよコーコナへ向けて出発となる。荷物は、ナタリー管理の元、アンバー公爵家の馬車で運ぶことになっているので、みなが一同にアンバー公爵家に集合になった。
私の荷物、ナタリーの荷物、レオの荷物を馬車に詰めているところで、ステイが数名の護衛と一緒にやってきた。
「ステイ様、おはようございます」
「おはよう、アンナリーゼ。その後ろにいるのは、ジョージアと……子どもたちね!」
ステイを見つけたアンジェラは、こちらにかけてきて、お得意の挨拶をしている。ジョージはジョージアの後ろに隠れてこちらを伺い、ネイトは興味があるのか、ゆっくりだが近寄ってきた。
「おはよう、アンジェラ」
ステイが頭を撫でると気持ちよさそうにニッと笑う。ネイトがアンジェラの表情を見て、信頼できる人だと思ったようで、とてとてと歩いて行き「おはよう」と挨拶する。
「この子は、アンジェラの弟?」
「ネイトだよ!」
「ネイトと言うのね?おはよう」
ネイトも同じように頭を撫でられて笑っている。ステイはネイトの瞳にも気が付いたようで、興味深そうな目をしながら笑っている。
「そっちの子は、ジョージア」
「ほら、いっておいで?ジョージ」
「ジョージというのね?珍しい、黒目黒髪の可愛い子ね?よろしく」
ステイのほうから歩み寄ってくれたおかげで、恥ずかしそうにしながらもジョージも挨拶が出来た。
馬を連れに行っていたウィルとレオ、アデルの三人が来る。途中まで、ウィルとアンジェラが見送ってくれることになっているので、馬を4頭連れている。
「ステイ殿下、おはようございます」
「おはよう。サーラー大隊長。そのお隣の子とあなたは?」
見たことのない、ステイにレオとアデルも挨拶することになったので、私はレナンテを引き取りに行く。
「ウィル・サーラーの息子のレオノーラと申します」
「私は元近衛隊のアデルと申します。今回、サーラー大隊長の代わりに、アンナリーゼ様の護衛につきます」
「レオノーラとアデルね。サーラー大隊長は、こんな大きな息子がいたなんて……、女性と一緒にいるのを見かけないと聞いていたのに、隅に置けないわね?」
「……何を勘違いされているのかわかりませんが、ステイ殿下」
「何?」
「レオともう一人、ミアは養子ですよ。私の息子娘ではありますが、私自身は独身です」
「そうなの?引く手あまたでしょうに」
それには答えず、この旅の途中まで、お供するとだけ答えた。アデルはなんだか、少し緊張しているようで、おもしろい。話はしてあったにも関わらず、どうやら、本当に公族であるステイが馬での移動をすることになるとは考えていなかったようだ。
「ステイ殿下、おはようございます」
セバスとダリアが少し遅れてきたが、問題ないと挨拶をする。今日の視察にダリアもついていくことになっているので、ナタリーと同じ馬車での移動となる。我が家の馬車の方が、広いので、デリア含め、三人が乗ることになっている。
「それにしても、ステイ殿下」
「どうかした?」
「男装がお似合いですね?」
ウィルが、軽口を飛ばすので、みなが一同に固まってしまった。言われたステイでさえ、何を?と思ったようで、ウィルを見つめているだけだ。
「……ウィル」
「何?姫さん」
「ステイ様は、元々男性ですよ?」
「あっ、そっか。ドレスを着ていて、所作が綺麗だからつい」
「誉め言葉として取っておくわ。これは、本来の姿。公の弟して、民衆の前にでるべき姿なのよ。私も、実のところ違和感しかないのだけど」
着なれないわと呟くステイ。確かにグレーを基調としたその服装はかなりカッコいい。ポニーテールにしている髪も長く毛先が揺れていた。
「後ろから見たら、姫さんが二人いるように見えるんだよな」
「ウィル?」
「あぁ、まぁ、俺はついて行かないから、護衛も何もないんだけど。しっかり頼むよ!キース」
後ろで出発の準備を支持しているものこそ、キースだったのだが、バタバタと今も動き回っているので、挨拶もそこそこで終わってしまった。
「あぅ……はい、頑張ります!」
「まぁ、そんなに気負わなくていい。何かあれば、姫さんが支持を出してくれるから、ステイ殿下だけはしっかり守り抜くんだ。いいな?」
「わかりました!あの、ところで……」
キースから質問があるようで、私とウィルが何?と首を傾げる。キースの視線が、レオに向いているので、言いたいことが二人ともわかった。
「レオは今回の視察に同行する。今後のことを考えて、姫さんと話をして決めたんだ。ステイ殿下の許可も得ている」
「そうだったんですね。少し驚いてしまって」
「ゆくゆくは、近衛になると言っているし、護衛対象がいるから、その実践も兼ねてだな。姫さんは強いから、守られる側ではないけど、レオには見せておきたかったんだ。だから、護衛をしっかり頼むぞ?キース、それから……アデル!」
「えっ?俺もでしたか?」
「当たり前だ。気を抜かずにしっかり行ってこいよ?」
アデルの返事と共に、準備が終わったようだ。さぁ、コーコナへ向けて出発となる。私たちが数日分の衣類を持って、先行することになっているので、ナタリーとダリア、デリアに別れを告げ、ジョージアと子どもたち、屋敷のものに見送られて私たちは、アンバー公爵家を後にした。
私の荷物、ナタリーの荷物、レオの荷物を馬車に詰めているところで、ステイが数名の護衛と一緒にやってきた。
「ステイ様、おはようございます」
「おはよう、アンナリーゼ。その後ろにいるのは、ジョージアと……子どもたちね!」
ステイを見つけたアンジェラは、こちらにかけてきて、お得意の挨拶をしている。ジョージはジョージアの後ろに隠れてこちらを伺い、ネイトは興味があるのか、ゆっくりだが近寄ってきた。
「おはよう、アンジェラ」
ステイが頭を撫でると気持ちよさそうにニッと笑う。ネイトがアンジェラの表情を見て、信頼できる人だと思ったようで、とてとてと歩いて行き「おはよう」と挨拶する。
「この子は、アンジェラの弟?」
「ネイトだよ!」
「ネイトと言うのね?おはよう」
ネイトも同じように頭を撫でられて笑っている。ステイはネイトの瞳にも気が付いたようで、興味深そうな目をしながら笑っている。
「そっちの子は、ジョージア」
「ほら、いっておいで?ジョージ」
「ジョージというのね?珍しい、黒目黒髪の可愛い子ね?よろしく」
ステイのほうから歩み寄ってくれたおかげで、恥ずかしそうにしながらもジョージも挨拶が出来た。
馬を連れに行っていたウィルとレオ、アデルの三人が来る。途中まで、ウィルとアンジェラが見送ってくれることになっているので、馬を4頭連れている。
「ステイ殿下、おはようございます」
「おはよう。サーラー大隊長。そのお隣の子とあなたは?」
見たことのない、ステイにレオとアデルも挨拶することになったので、私はレナンテを引き取りに行く。
「ウィル・サーラーの息子のレオノーラと申します」
「私は元近衛隊のアデルと申します。今回、サーラー大隊長の代わりに、アンナリーゼ様の護衛につきます」
「レオノーラとアデルね。サーラー大隊長は、こんな大きな息子がいたなんて……、女性と一緒にいるのを見かけないと聞いていたのに、隅に置けないわね?」
「……何を勘違いされているのかわかりませんが、ステイ殿下」
「何?」
「レオともう一人、ミアは養子ですよ。私の息子娘ではありますが、私自身は独身です」
「そうなの?引く手あまたでしょうに」
それには答えず、この旅の途中まで、お供するとだけ答えた。アデルはなんだか、少し緊張しているようで、おもしろい。話はしてあったにも関わらず、どうやら、本当に公族であるステイが馬での移動をすることになるとは考えていなかったようだ。
「ステイ殿下、おはようございます」
セバスとダリアが少し遅れてきたが、問題ないと挨拶をする。今日の視察にダリアもついていくことになっているので、ナタリーと同じ馬車での移動となる。我が家の馬車の方が、広いので、デリア含め、三人が乗ることになっている。
「それにしても、ステイ殿下」
「どうかした?」
「男装がお似合いですね?」
ウィルが、軽口を飛ばすので、みなが一同に固まってしまった。言われたステイでさえ、何を?と思ったようで、ウィルを見つめているだけだ。
「……ウィル」
「何?姫さん」
「ステイ様は、元々男性ですよ?」
「あっ、そっか。ドレスを着ていて、所作が綺麗だからつい」
「誉め言葉として取っておくわ。これは、本来の姿。公の弟して、民衆の前にでるべき姿なのよ。私も、実のところ違和感しかないのだけど」
着なれないわと呟くステイ。確かにグレーを基調としたその服装はかなりカッコいい。ポニーテールにしている髪も長く毛先が揺れていた。
「後ろから見たら、姫さんが二人いるように見えるんだよな」
「ウィル?」
「あぁ、まぁ、俺はついて行かないから、護衛も何もないんだけど。しっかり頼むよ!キース」
後ろで出発の準備を支持しているものこそ、キースだったのだが、バタバタと今も動き回っているので、挨拶もそこそこで終わってしまった。
「あぅ……はい、頑張ります!」
「まぁ、そんなに気負わなくていい。何かあれば、姫さんが支持を出してくれるから、ステイ殿下だけはしっかり守り抜くんだ。いいな?」
「わかりました!あの、ところで……」
キースから質問があるようで、私とウィルが何?と首を傾げる。キースの視線が、レオに向いているので、言いたいことが二人ともわかった。
「レオは今回の視察に同行する。今後のことを考えて、姫さんと話をして決めたんだ。ステイ殿下の許可も得ている」
「そうだったんですね。少し驚いてしまって」
「ゆくゆくは、近衛になると言っているし、護衛対象がいるから、その実践も兼ねてだな。姫さんは強いから、守られる側ではないけど、レオには見せておきたかったんだ。だから、護衛をしっかり頼むぞ?キース、それから……アデル!」
「えっ?俺もでしたか?」
「当たり前だ。気を抜かずにしっかり行ってこいよ?」
アデルの返事と共に、準備が終わったようだ。さぁ、コーコナへ向けて出発となる。私たちが数日分の衣類を持って、先行することになっているので、ナタリーとダリア、デリアに別れを告げ、ジョージアと子どもたち、屋敷のものに見送られて私たちは、アンバー公爵家を後にした。
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