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どこまでも自由Ⅱ
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「じゃあ、さっそく、じゃまね!」
ウィルは、先にキースを排除し始めた。私は、それを見ているだけでは済まさない。すきがあるわけではないが、キースに気を取られているうちに詰め寄るのは、別に悪いことではない。が、キースの腕では、ウィルには敵わない。一気に距離を詰められて、焦ってしまったキースはウィルの思うつぼだった。
「キース、今ので即死な!」
ウィルに剣を遠くへ飛ばされてしまい、キースは無防備になってしまった。そこを狙って私が剣を振ったが、予測していたらしくひらっと逃げようとするウィル。咄嗟に制服を掴んで、パッと放す。そのおかげで、私自身も勢いが止まり、キースの目前で、体を
切り返すことが出来た。
「キース!」
「はい、アンナ様!」
「そこで、スクワット500!」
「えっ! そんな……」
「文句言うなよ?キース。俺が負けたら、お前らも全員スクワット500と腕立て100だからな!俺を応援しろ!」
「あっ、ずるい!応援なんて」
「野太い応援は、姫さんだけの特権じゃないぞ?」
前のめりになっていたようだが、話しているうちにウィルも立て直したようだ。さすが、10年に一人の逸材は違う。やれやれという表情で、こちらを見ていた。
「姫さん、それ、ナタリーからの?」
「お兄様からのものよ!」
「……そんな高級そうなドレス着て、模擬剣とか持って戦いに来ないでくれる?」
「嬉しいくせに」
「う、嬉しくはない!俺、あとで、ナタリーに叱られるんだからな!もっと、汚してもいいものできてくれないと」
「今日は、公妃のお茶会だったんだもの。仕方がないわ!」
「じゃあ、そのまま帰ればいいものを」とぶつくさ言っているが、ドレスを着て立ち合いなんてしょっちゅうしていることなので、私はなんとも思わない。
「本当、姫さん、自由が過ぎる!」
「今日は用事があって来たのだから、いいでしょ!」
「じゃあ、その要件聞くから、さっさと終わらせよう」
にっと笑うウィルに頷くと、構えた。よくよく見ると、構えた位置が違う。私と同じように構えていることに少し驚いた。
「私と同じ?」
「今、試してるところ。レオが俺の構えより姫さんのほうが構えたあと動きやすいって言うから」
私は剣を右斜め下に構えている。鏡のようにウィルも同じ位置にしているので、変な感じだった。その様子を観察していると、もう馴染んでいるのか、違和感など感じないほど綺麗な剣捌きだ。私は見惚れている場合ではないと、ウィルの剣を払いのける。数歩後ろに下がったのち、詰めてくるので、私は体半歩分後ろにへ行ったと同時に下げた足で地面を蹴ってウィルに剣を突き立てた。
「うぅ……負けました。これなら、勝てると思ったんだけどな」
大きくため息をつくので「次の機会にね」と模擬剣を渡すと、キースの方を見て更にため息をついている。キースが真面目にスクワットをしているのだ。カウントしている声が荒々しく聞こえてきた。
「ほら、まだまだ先は長いぞ?」
新兵たちにもスクワットをするようにして、ウィルは私の話を聞くことにしたようだ。
「それで、何の用だったの?」
「護衛の選抜をしてほしいの。人数は二人。馬に乗れて……」
「馬に乗るのはたやすいだろう。誰と行くのかは知らないけど、お嬢はどうするの?」
「お留守番だよ」
「じゃあ、俺もだな。代わりと言っちゃなんだけど、レオを連れて行ってくれる?」
「レオを?」
「遊びじゃないことはわかっているんだけどさ、やぱり、外の世界は見せておきたい。学園に入ると、なかなか時間も取れないからさ」
「いいわよ。デビュタントも数年後に控えているいるものね。益々、時間が無くなるから、任せておいて!」
「頼んだ。あと、誰の護衛のために話をしに来たの?」
肝心の人物について話していないことに気が付き、ステイの護衛だと報告する。ステイの方からも選出はするが、一人、私の命令にもこっそり聞いてくれる人が欲しいと相談に来たのだ。
「うでは、まだまだだけど、ステイ様の護衛は腕が立つから、いいかな?」
「誰を紹介してくれる?」
「姫さんの後ろでスクワットしているヤツ。俺の友人の部下だからすぐに返事来ると思うから待ってて」
セシリアに事情を話、キースを借りれないかと聞いてくれるようだ。数分で戻ってくるセシリアが笑っているので、許可が降りたようだ。
「キース、こっちにきて」
スクワットの途中、ウィルに呼ばれたので来るると、足にそこそこ負担がかかったようで、渋い顔をしている。ウィルから事情を聞いて、私に同行することになったことをキースは喜んだ。
「キース、言っておくけど、大変だから。ちょっと目を離すだけで、迷子の子どものようにあちこち歩き回るからな?」
「承知しております!」
二人の会話に主語はなくとも誰のことを言っているのかわかるので、「失礼ね!」t二人に向かって言うが、本当のことだからとウィルに突っぱねられた。私との旅が楽しみだという意味を別の意味で味わうのは当日からなので、「楽しみにしている」とだけキースに伝えた。
ウィルは、先にキースを排除し始めた。私は、それを見ているだけでは済まさない。すきがあるわけではないが、キースに気を取られているうちに詰め寄るのは、別に悪いことではない。が、キースの腕では、ウィルには敵わない。一気に距離を詰められて、焦ってしまったキースはウィルの思うつぼだった。
「キース、今ので即死な!」
ウィルに剣を遠くへ飛ばされてしまい、キースは無防備になってしまった。そこを狙って私が剣を振ったが、予測していたらしくひらっと逃げようとするウィル。咄嗟に制服を掴んで、パッと放す。そのおかげで、私自身も勢いが止まり、キースの目前で、体を
切り返すことが出来た。
「キース!」
「はい、アンナ様!」
「そこで、スクワット500!」
「えっ! そんな……」
「文句言うなよ?キース。俺が負けたら、お前らも全員スクワット500と腕立て100だからな!俺を応援しろ!」
「あっ、ずるい!応援なんて」
「野太い応援は、姫さんだけの特権じゃないぞ?」
前のめりになっていたようだが、話しているうちにウィルも立て直したようだ。さすが、10年に一人の逸材は違う。やれやれという表情で、こちらを見ていた。
「姫さん、それ、ナタリーからの?」
「お兄様からのものよ!」
「……そんな高級そうなドレス着て、模擬剣とか持って戦いに来ないでくれる?」
「嬉しいくせに」
「う、嬉しくはない!俺、あとで、ナタリーに叱られるんだからな!もっと、汚してもいいものできてくれないと」
「今日は、公妃のお茶会だったんだもの。仕方がないわ!」
「じゃあ、そのまま帰ればいいものを」とぶつくさ言っているが、ドレスを着て立ち合いなんてしょっちゅうしていることなので、私はなんとも思わない。
「本当、姫さん、自由が過ぎる!」
「今日は用事があって来たのだから、いいでしょ!」
「じゃあ、その要件聞くから、さっさと終わらせよう」
にっと笑うウィルに頷くと、構えた。よくよく見ると、構えた位置が違う。私と同じように構えていることに少し驚いた。
「私と同じ?」
「今、試してるところ。レオが俺の構えより姫さんのほうが構えたあと動きやすいって言うから」
私は剣を右斜め下に構えている。鏡のようにウィルも同じ位置にしているので、変な感じだった。その様子を観察していると、もう馴染んでいるのか、違和感など感じないほど綺麗な剣捌きだ。私は見惚れている場合ではないと、ウィルの剣を払いのける。数歩後ろに下がったのち、詰めてくるので、私は体半歩分後ろにへ行ったと同時に下げた足で地面を蹴ってウィルに剣を突き立てた。
「うぅ……負けました。これなら、勝てると思ったんだけどな」
大きくため息をつくので「次の機会にね」と模擬剣を渡すと、キースの方を見て更にため息をついている。キースが真面目にスクワットをしているのだ。カウントしている声が荒々しく聞こえてきた。
「ほら、まだまだ先は長いぞ?」
新兵たちにもスクワットをするようにして、ウィルは私の話を聞くことにしたようだ。
「それで、何の用だったの?」
「護衛の選抜をしてほしいの。人数は二人。馬に乗れて……」
「馬に乗るのはたやすいだろう。誰と行くのかは知らないけど、お嬢はどうするの?」
「お留守番だよ」
「じゃあ、俺もだな。代わりと言っちゃなんだけど、レオを連れて行ってくれる?」
「レオを?」
「遊びじゃないことはわかっているんだけどさ、やぱり、外の世界は見せておきたい。学園に入ると、なかなか時間も取れないからさ」
「いいわよ。デビュタントも数年後に控えているいるものね。益々、時間が無くなるから、任せておいて!」
「頼んだ。あと、誰の護衛のために話をしに来たの?」
肝心の人物について話していないことに気が付き、ステイの護衛だと報告する。ステイの方からも選出はするが、一人、私の命令にもこっそり聞いてくれる人が欲しいと相談に来たのだ。
「うでは、まだまだだけど、ステイ様の護衛は腕が立つから、いいかな?」
「誰を紹介してくれる?」
「姫さんの後ろでスクワットしているヤツ。俺の友人の部下だからすぐに返事来ると思うから待ってて」
セシリアに事情を話、キースを借りれないかと聞いてくれるようだ。数分で戻ってくるセシリアが笑っているので、許可が降りたようだ。
「キース、こっちにきて」
スクワットの途中、ウィルに呼ばれたので来るると、足にそこそこ負担がかかったようで、渋い顔をしている。ウィルから事情を聞いて、私に同行することになったことをキースは喜んだ。
「キース、言っておくけど、大変だから。ちょっと目を離すだけで、迷子の子どものようにあちこち歩き回るからな?」
「承知しております!」
二人の会話に主語はなくとも誰のことを言っているのかわかるので、「失礼ね!」t二人に向かって言うが、本当のことだからとウィルに突っぱねられた。私との旅が楽しみだという意味を別の意味で味わうのは当日からなので、「楽しみにしている」とだけキースに伝えた。
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