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今年の誕生日は何をする?
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ちょうどセバスがいるのでアンジェラたちの誕生日会の話をすることにした。私たちとって4回目のそれは、お祭り準備で忙しい。
今年は、ビルもユービスも直前まで旅に出ているので、準備に参加出来ないだろう。四年の資料を引っ張り出してきて、話合うことにした。
「今年はビルもユービスもいないから、準備は厳しそうね?」
「そうだね。ナタリーがその分張り切っているし、ニコライも戻ってくるって話だったよ?」
「それは、セバスの結婚式があるからでしょ?」
「そうなの?」
「二人とも気合十分だよ、きっと」
苦笑いしながらも嬉しそうにしているセバスは、実は結婚を楽しみにしているのかもしれない。それこそ、政略結婚なわけだけど、本人が嬉しそうにしているなら、私たちは、それを支えるだけだ。私が支えてもらったように。
「確かに……ドレスのデザイン、すごいたくさん見せられたよ。ダリアが嬉しそうにしているのをみている、僕も嬉しくなって」
「もう、べた惚れだね?」
「そうかも。彼女、お国が抱える軍師だけあって、話をしていても楽しいんだ」
「なるほどね」
私たちの話を聞いていたノーラとナイトは、少し頬を染めながら聞いている。嫌そうではなく、すごく嬉しそうにしているのが印象的だった。セバスの幸せが二人にも伝わったのだろう。
「じゃあ、誕生日会の話。そろそろ、新しい『赤い涙』も出荷できるようになるかしら?」
「たしか3年立てばいいって聞いていた気がするね?5年もの、10年ものって、あるらしいけど……、3年ものでも十分だってきいているから、一度酒蔵に聞いてみようか?」
「うん、聞いておいて。私は飲めないけど、きっと、楽しみにしている人もいるから」
「公やカレン様だね。あの二人の消費量は……取引先では1番2番だからね?」
「……気に入ってもらえるといいけど。こればっかりは、自然が作るものだから、わからないわね?」
「そうだね。それに最初の年のものは、期待しないでくれって、サムも言っていたし」
私が頷くと、試飲会の話になっていく。
「たとえばですけど、今度の誕生日会で、試飲会をしてはいかがですか?」
「お金をとって?」
「もちろんです!ただ酒なんてしたら、いくらあっても足りませんよ?」
「確かに。ここには近衛もいるんだった。当日は必ず非番の人たちが立ち寄るだろうし、宿舎への差し入れもしないといけないのよね」
何本あれば足りるのかしら?と本音が漏れる。未成年のナイトはもちろん飲んだことはないものではあるが、ノーラは成人している。どうなのかしら?と尋ねると、飲んだことはあると返ってきた。
「それって『赤い涙』じゃないわよね?安物の葡萄酒でしょ?」
「安物かどうかはわかりませんけど、去年、売られていた小さな物を買いましたよ?量のわりに高くて、驚きましたがとてもおいしいお酒でした」
「……『赤い涙』だわ。今、在庫しかないのだけど、誕生日会は特別だから小さな瓶でだしているのよ」
「それって、公への献上品と同じものっていうことですか?」
「そうよ。貴族たちがこぞって手に入れたいと、定価の何倍、何十倍もの値段で取引されるの」
驚きは隠せないようで、そんな貴重なものを!と慌てている。あとは、貯蔵庫にある芋の消費について、どうするか意見を聞く。そのまま売ってもいいだろうし、調理するのもいいだろう。去年、蒸かした芋が大人気だったことをセバスは言っているのだろう。
「小麦の方も古いものと入れ替えが必要ですね?」
そうね?というと、新しいお菓子や調理の仕方を料理長にお願いすることした。毎年、なにかしら、領地の屋敷でも領民との交流を考え、準備をしているのだ。基本的に屋敷の前街道に店がでるので、積極的に動いてくれているようだった。
アンジェラたちの誕生日もなかなか忙しい様子が考えられ、一息入れることはできるのだろうかと少しだけ不安になる。
今年は、ビルもユービスも直前まで旅に出ているので、準備に参加出来ないだろう。四年の資料を引っ張り出してきて、話合うことにした。
「今年はビルもユービスもいないから、準備は厳しそうね?」
「そうだね。ナタリーがその分張り切っているし、ニコライも戻ってくるって話だったよ?」
「それは、セバスの結婚式があるからでしょ?」
「そうなの?」
「二人とも気合十分だよ、きっと」
苦笑いしながらも嬉しそうにしているセバスは、実は結婚を楽しみにしているのかもしれない。それこそ、政略結婚なわけだけど、本人が嬉しそうにしているなら、私たちは、それを支えるだけだ。私が支えてもらったように。
「確かに……ドレスのデザイン、すごいたくさん見せられたよ。ダリアが嬉しそうにしているのをみている、僕も嬉しくなって」
「もう、べた惚れだね?」
「そうかも。彼女、お国が抱える軍師だけあって、話をしていても楽しいんだ」
「なるほどね」
私たちの話を聞いていたノーラとナイトは、少し頬を染めながら聞いている。嫌そうではなく、すごく嬉しそうにしているのが印象的だった。セバスの幸せが二人にも伝わったのだろう。
「じゃあ、誕生日会の話。そろそろ、新しい『赤い涙』も出荷できるようになるかしら?」
「たしか3年立てばいいって聞いていた気がするね?5年もの、10年ものって、あるらしいけど……、3年ものでも十分だってきいているから、一度酒蔵に聞いてみようか?」
「うん、聞いておいて。私は飲めないけど、きっと、楽しみにしている人もいるから」
「公やカレン様だね。あの二人の消費量は……取引先では1番2番だからね?」
「……気に入ってもらえるといいけど。こればっかりは、自然が作るものだから、わからないわね?」
「そうだね。それに最初の年のものは、期待しないでくれって、サムも言っていたし」
私が頷くと、試飲会の話になっていく。
「たとえばですけど、今度の誕生日会で、試飲会をしてはいかがですか?」
「お金をとって?」
「もちろんです!ただ酒なんてしたら、いくらあっても足りませんよ?」
「確かに。ここには近衛もいるんだった。当日は必ず非番の人たちが立ち寄るだろうし、宿舎への差し入れもしないといけないのよね」
何本あれば足りるのかしら?と本音が漏れる。未成年のナイトはもちろん飲んだことはないものではあるが、ノーラは成人している。どうなのかしら?と尋ねると、飲んだことはあると返ってきた。
「それって『赤い涙』じゃないわよね?安物の葡萄酒でしょ?」
「安物かどうかはわかりませんけど、去年、売られていた小さな物を買いましたよ?量のわりに高くて、驚きましたがとてもおいしいお酒でした」
「……『赤い涙』だわ。今、在庫しかないのだけど、誕生日会は特別だから小さな瓶でだしているのよ」
「それって、公への献上品と同じものっていうことですか?」
「そうよ。貴族たちがこぞって手に入れたいと、定価の何倍、何十倍もの値段で取引されるの」
驚きは隠せないようで、そんな貴重なものを!と慌てている。あとは、貯蔵庫にある芋の消費について、どうするか意見を聞く。そのまま売ってもいいだろうし、調理するのもいいだろう。去年、蒸かした芋が大人気だったことをセバスは言っているのだろう。
「小麦の方も古いものと入れ替えが必要ですね?」
そうね?というと、新しいお菓子や調理の仕方を料理長にお願いすることした。毎年、なにかしら、領地の屋敷でも領民との交流を考え、準備をしているのだ。基本的に屋敷の前街道に店がでるので、積極的に動いてくれているようだった。
アンジェラたちの誕生日もなかなか忙しい様子が考えられ、一息入れることはできるのだろうかと少しだけ不安になる。
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