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それより、顔色が

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 セバスとナイトたちのことを話し終え、道中で出くわしたエールの話をすることにした。お茶会に呼んでほしいという申し出に、近々開かなくてはいけないとナタリーに準備をお願いしてはどうかという話になった。


「それでもいいけど……ナタリーはこれからの時期、とても忙しいから、誰か補佐をつけないと難しいわ」
「それなら、ダリアを補佐にするのはどうですか?」
「ダリアを?」
「はい、これから、ローズディアで過ごすことにもなります。ナタリーについて、こちら側のことを少しでも早く知ってもらえれば……というのは、甘い考えですか?」
「いいえ、いいわ。そうしましょう。ダリアも貴族だったのですもの。お茶会のひとつやふたつ、開催してきたでしょ?」


 セバスと頷きあうと、さっそく二人を呼んでもらった。
 先にナタリー、続いてダリアが執務室へ入ってくる。揃っている私たちを見て、驚いたようで、少し焦っている。


「遅れて申し訳ありません」
「いいのよ。慌てなくて。急な呼び出しですもの」
「アンナリーゼ様の呼び出しで、急じゃなかったことなんてないからね?ダリア、気を付けておいたほうがいい」
「わかりましたわ。呼び出しはいつもこんな感じですのね?」
「……そこまでたくさんじゃないと思うけど?」
「どの口がいいますか?いつでも口より先に体が動いているのではありませんか?それに私たちは振り回されることになれていますし、私たちが振り回す事態も多くはありませんが、指折り数えるくらいはありますからね?」
「……確かに。僕ら全員に比べたら、アンナリーゼ様はとても多いですけどね?」


 ナタリーとセバスは、クスクスと笑いあうも、私とダリアは取り残されてしまう。


「そんなに身構え無くてもいいわよ?そんな毎日というわけでもないから」
「毎日、報告会をしているからね。特に領地にいるあいだは、刻一刻と状況が変わることも多いし」
「誰かさんが、屋敷から飛び出していきますものね」
「……面目ないです」


 オリーブ畑のことで、出ていったことを思い出し、クスクスとダリアは笑う。そういうことですね?と納得したらしい。


「それで、今回のご要望はなんですの?」
「今回はお茶会だよ。領地で開きたいんだけど……ナタリー、準備をお願いできる?」
「えぇ、それは構いませんけど、私にも仕事があるので、ある程度メイドたちに指示をするくらいにしか出来ませんよ?」
「うん、そうだろうって、今、話してところ。そこで、補佐として、ダリアを使ってもらおうと思って呼んだんだよ」
「なるほど、そういうことなら。今後、ローズディアでのお茶会もありますしね?できれば、アンバー公爵のお茶会を学んでもらえるといいですわよね?」
「そう。今後、領地でするお茶会も含め、ダリアも采配できるようにしてほしいんだ。もう少ししたら、デリアというアンナリーゼ様の専属侍女が復職するけど」
「この国のお茶会を学ぶと言うことですね?」
「そういうことだよ。できるかなぁ?」
「わかりました。そういうことなら、精一杯、学ばせていただきます」


 今から、軽い打ち合わせだけをして、招待客の話をする。今回は、近場の領地にいる貴族夫人も招待しようという話になった。
 そこまで、話を詰め終わったとき、なた李^がこちらをむく。


「どうかして?」
「いえ、さっきから、ずっと気になっていたのですけど……」


 ん?と首を傾げると困ったような表情をするナタリー。遠慮がちに私の顔を見て、頷いた。


「少し、顔色が悪いと思います。今日は、このまま、何もせずにお休みください」
「えっ?本当?」
「はい。あとのことはお任せください。アンナリーゼ様が倒れられたら困りますから、ゆっくりお過ごしください!」


 ナタリーに促されるまま、私は自室へと帰ることにした。そういえば、動き詰めだと思い、ふふっとベッドに転がって笑っていると、本当に調子が悪かったようで、その日の夜には高熱がでることになった。ふぅふぅと熱にうなされ、一晩過ごすことになるとは……誰も思いもしなかったようだった。
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