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セバス、家買うってよ!
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「セバスが家をねぇ?」
「それは、確かに木材がたくさんいりますね?」
「そうだなぁ。領地に初めての貴族の屋敷ができるわけだろ?」
そわそわと話始めるノクトやイチア。元々、私たちの中では、そう言う話もでていたので、とくに驚くことはなかったのだが、何分、本来、セバスは城勤めなので、驚いているのだろう。
「場所は自分たちで見て決めてくれていいわ。ニコライとも話はしてあるのよね?」
「もちろんだよ。領地っていっても、アンバー公爵領だから、住むにはそれなりのままったお金も必要になってくるし」
「そうね?分割っていうのも相談には乗るわ!」
「……分割?」
みなが首を傾げている。あまり馴染みのない言葉のようだが、大きな買い物をするなら、そのほうが助かるだろう。給金をどれほど貯めたと言えども、屋敷ひとつ建てる額は目が回るほどだ。通常の生活もある中で、土地代ももらうと、生活が火の車になる可能性がないこともない。
もう少し、領地の屋敷でとも考えなくもないが、屋敷を構えて生活する方が、ダリアに取っても先のことを考えていいだろう思う。
「分割はどのようになるのでしょう?」
「ある程度のお金は欲しいわ。そのあたりは、ニコライっていう金庫番がいるから、任せようかと」
「わかったよ。まだ、買う土地も、建てる家の設計もないから、もう少し、この屋敷で生活させてほしいんだけど」
「いいけど……手狭でもよければ、すぐに近場で家を紹介するようにするわよ?」
どうする?とセバスがダリアに聞いていた。家にいることが多くなるのは、セバスよりダリアの方なので、その様子に私は感心してしまう。
「なんていうか……いいな、セバス」
「どのあたりがいいのかな?アンナ」
「どのあたりって……ダリアに家の相談している当たりです」
理解できないという男性陣にナタリーと一緒に盛大なため息をついてやる。ノクトは代々の屋敷があるだろうから、そんなこと考えたこともないかもしれないけど、セバスたちは1から家を建てたり、仮住まいを考えたりしているのだ。メイドや侍従たちを雇うとしても、家に長くいるであろうダリアに対して少しばかりの心遣いが嬉しい。
「ジョージア様もノクトも屋敷が代々受け継がれているからわからないと思いますけど、屋敷にいることの多い女主人にとって、快適な時間を過ごすために、屋敷を好みの調度品を置いてみたりとか、いろいろと考えるものです。使い勝手というものもありますからね?」
「あぁ、なるほどな。それは、アンナが言っても説得力に欠ける話ではあるな」
「確かに……屋敷にいない。女主人の部屋なんて、寝に帰るくらいしか使っていないだろうし」
反論とばかりに男性陣に笑われる。確かに、公都でも領地でも、執務室で過ごす時間が圧倒的に多いし、デリアに寄って、最適で快適な空間を作ってもらっているので、屋敷のことで何かを感じたことがない。
「姫さん、屋敷にすらいないしな?」
「違いない!」
言いたい放題のウィルやノクトを睨むと、ジョージアまで苦笑いだ。事実を並べられただけではあるので、反論もしにくいので黙っておく。
「そっか、セバスもとうとう腹くくるか」
「ノクト様はいつ買われるのですか?」
「俺もやっぱり買わないとダメか?」
「そりゃ、こちらに住むのであればとは思いますが」
「建てたとしても、あとがないからなぁ……朽ち果てるのはもったいないと思うんだよな」
「譲る人を決めたらいいかと。たとえば、イチアとか」
「私もノクト様と年は変わりませんよ?」
クスクス笑いながら、譲り受けるのはちょっと……と言っている。
「まぁ、いないことはないんだけど、さすがになぁ?」
「何?隠し子とかいるの?」
興味津々なウィルに別に隠してないとあっけらかんにいう。ノクトにも夫人以外にもそういう人がいるんだと初めて知った。
「そんな目で見るなって。公爵ともなると、普通は公爵夫人以外に数人はいるものだ。アンナのところが珍しいだけで、普通のこと」
「アンバー公爵家にもいましたよね?第二夫人!」
ねっ?ジョージア様と笑いかけると、若干引きつった笑顔でそうだねと返事をしてくれる。
「あぁ、例の?それって、アンナが……」
「ノクト様、それ以上はお辞めになったほうがいいかと」
「すまない、ジョージアよ」
「いいです。周知の事実ですから。ここにいる全員知っていることですし、俺はその第二夫人の最後までアンナに押し付けてしまっていますから」
「……暗い話は終わり。それで?ノクト」
また、回ってきた……と言わんばかりの迷惑顔をされてもめげずに続きを聞こうとする。ニコニコと笑いながら。
「まぁ、アンナさえ嫌じゃなければ呼ぶけど?」
「私が嫌じゃなければ?別に私、第二夫人や第三夫人とか気にしているわけではないんだけどなぁ……」
「ただ、インゼロからとなると、こちらに来るのは難しい気がする」
「それなら、ひとつ手があるわ!海を使ってこればいいのよ」
「黒の貴族の領地にある港か?」
「そうそう。ミネルバにお願いすれば、きっと快く受けてくれるはずだし」
そういうことならと、ノクトは家を建てることに前向きになってくれたようだ。これで、将来的にウィル、セバス、ノクトが領地へ家を建ててくれる約束を取り付けれた。いろいろな相談はニコライにと振っておいて、私はヨハンの研究所へ向かうわと報告会を解散させた。
「それは、確かに木材がたくさんいりますね?」
「そうだなぁ。領地に初めての貴族の屋敷ができるわけだろ?」
そわそわと話始めるノクトやイチア。元々、私たちの中では、そう言う話もでていたので、とくに驚くことはなかったのだが、何分、本来、セバスは城勤めなので、驚いているのだろう。
「場所は自分たちで見て決めてくれていいわ。ニコライとも話はしてあるのよね?」
「もちろんだよ。領地っていっても、アンバー公爵領だから、住むにはそれなりのままったお金も必要になってくるし」
「そうね?分割っていうのも相談には乗るわ!」
「……分割?」
みなが首を傾げている。あまり馴染みのない言葉のようだが、大きな買い物をするなら、そのほうが助かるだろう。給金をどれほど貯めたと言えども、屋敷ひとつ建てる額は目が回るほどだ。通常の生活もある中で、土地代ももらうと、生活が火の車になる可能性がないこともない。
もう少し、領地の屋敷でとも考えなくもないが、屋敷を構えて生活する方が、ダリアに取っても先のことを考えていいだろう思う。
「分割はどのようになるのでしょう?」
「ある程度のお金は欲しいわ。そのあたりは、ニコライっていう金庫番がいるから、任せようかと」
「わかったよ。まだ、買う土地も、建てる家の設計もないから、もう少し、この屋敷で生活させてほしいんだけど」
「いいけど……手狭でもよければ、すぐに近場で家を紹介するようにするわよ?」
どうする?とセバスがダリアに聞いていた。家にいることが多くなるのは、セバスよりダリアの方なので、その様子に私は感心してしまう。
「なんていうか……いいな、セバス」
「どのあたりがいいのかな?アンナ」
「どのあたりって……ダリアに家の相談している当たりです」
理解できないという男性陣にナタリーと一緒に盛大なため息をついてやる。ノクトは代々の屋敷があるだろうから、そんなこと考えたこともないかもしれないけど、セバスたちは1から家を建てたり、仮住まいを考えたりしているのだ。メイドや侍従たちを雇うとしても、家に長くいるであろうダリアに対して少しばかりの心遣いが嬉しい。
「ジョージア様もノクトも屋敷が代々受け継がれているからわからないと思いますけど、屋敷にいることの多い女主人にとって、快適な時間を過ごすために、屋敷を好みの調度品を置いてみたりとか、いろいろと考えるものです。使い勝手というものもありますからね?」
「あぁ、なるほどな。それは、アンナが言っても説得力に欠ける話ではあるな」
「確かに……屋敷にいない。女主人の部屋なんて、寝に帰るくらいしか使っていないだろうし」
反論とばかりに男性陣に笑われる。確かに、公都でも領地でも、執務室で過ごす時間が圧倒的に多いし、デリアに寄って、最適で快適な空間を作ってもらっているので、屋敷のことで何かを感じたことがない。
「姫さん、屋敷にすらいないしな?」
「違いない!」
言いたい放題のウィルやノクトを睨むと、ジョージアまで苦笑いだ。事実を並べられただけではあるので、反論もしにくいので黙っておく。
「そっか、セバスもとうとう腹くくるか」
「ノクト様はいつ買われるのですか?」
「俺もやっぱり買わないとダメか?」
「そりゃ、こちらに住むのであればとは思いますが」
「建てたとしても、あとがないからなぁ……朽ち果てるのはもったいないと思うんだよな」
「譲る人を決めたらいいかと。たとえば、イチアとか」
「私もノクト様と年は変わりませんよ?」
クスクス笑いながら、譲り受けるのはちょっと……と言っている。
「まぁ、いないことはないんだけど、さすがになぁ?」
「何?隠し子とかいるの?」
興味津々なウィルに別に隠してないとあっけらかんにいう。ノクトにも夫人以外にもそういう人がいるんだと初めて知った。
「そんな目で見るなって。公爵ともなると、普通は公爵夫人以外に数人はいるものだ。アンナのところが珍しいだけで、普通のこと」
「アンバー公爵家にもいましたよね?第二夫人!」
ねっ?ジョージア様と笑いかけると、若干引きつった笑顔でそうだねと返事をしてくれる。
「あぁ、例の?それって、アンナが……」
「ノクト様、それ以上はお辞めになったほうがいいかと」
「すまない、ジョージアよ」
「いいです。周知の事実ですから。ここにいる全員知っていることですし、俺はその第二夫人の最後までアンナに押し付けてしまっていますから」
「……暗い話は終わり。それで?ノクト」
また、回ってきた……と言わんばかりの迷惑顔をされてもめげずに続きを聞こうとする。ニコニコと笑いながら。
「まぁ、アンナさえ嫌じゃなければ呼ぶけど?」
「私が嫌じゃなければ?別に私、第二夫人や第三夫人とか気にしているわけではないんだけどなぁ……」
「ただ、インゼロからとなると、こちらに来るのは難しい気がする」
「それなら、ひとつ手があるわ!海を使ってこればいいのよ」
「黒の貴族の領地にある港か?」
「そうそう。ミネルバにお願いすれば、きっと快く受けてくれるはずだし」
そういうことならと、ノクトは家を建てることに前向きになってくれたようだ。これで、将来的にウィル、セバス、ノクトが領地へ家を建ててくれる約束を取り付けれた。いろいろな相談はニコライにと振っておいて、私はヨハンの研究所へ向かうわと報告会を解散させた。
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