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重大なことを言ってないもの!
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次はなんだ?という視線で私を促してくるのは、何もジョージアだけではない。ノクトもイチアも同じように気になっていることを私が言ってくれることを期待しているようだ。
「ジョージア様は、夜会であったと思うけど……」
「夜会で?と、いうと……貴族令嬢なのか?」
ダリアの方を見て、誰だったかなぁ?と首を傾げている。わからないようなので、答えを言うことにした。
「元エルドア国伯爵ダリア・ウェスティンですよ」
「あぁ!アンナとチェスで勝負をしていた令嬢か……って、伯爵位だったはずだね?」
「今は、ただのダリアと言ってもいいかしらね?」
「向こうで一体なにがあったんだい?」
エルドアへ向かっていたことは報告済みであったので、ノクトやイチアも知ってはいたが詳細までは、連絡をしていなかった。せいぜいオリーブの木を植えるから、畑を作らないと!って、手紙をエルドアから送ったくらいだった。
「順を追っていくとですね?」
「あのチェスの勝敗の結果、アンナは、ダリア・ウェスティン伯爵を手に入れたことになっていたね?まぁ、本当に手に入れたとは思っていなかったし、余興の戯言くらいにみなが思っていただろう?」
「えぇ、そうですね。お友達になれればくらいにしか思っていなかったです」
「まぁ、アンナのすることは、のちのち大きな出来事にかわるからなぁ……」
呆れたようにいうノクトに苦笑いをしておく。正直なところ、反論できるところがどこにもないから仕方がない。
「それで、エルドアへ行って何があった?セバスが交渉役に出てたはずだが?」
エルドアであったことをおさらいするように話す。ノクトの苦い顔をみればわかるが、今まで、インゼロ帝国が戦争を始めるきっかけを作るときは、同じような手口を使っていることが多いらしく、イチアも深いため息をついた。
「なんというかだな……?」
「今まで、私たちは戦争を起こす側にいたので、相手の方がどういう状況なのかはほとんど知らされていませんでした。そのようなことが……あったのですね」
「それは、ローズディアでも起こりうることなのか?」
「ノクトも知っているでしょ?ヒーナは戦争屋だし、ジニーは生物兵器だって。元々、戦争屋当たりが、先走って始めているようだけど、ことごとく潰せてよかったと思っているの」
「確かに……今、戦争なんて起こったら、まず、ローズディアは壊滅的だろうな。南の領地の回復には最低でも1年から2年はかかる。領主も決まっていないのだろう?」
「えぇ、そうなの。代行を立ててはいるけど、きつい状況ではあるわ」
「そこへエルドアか。もう乗っ取られていたと考えていいんだよな?」
私はコクリと頷いた。王太子とのやり取りや、土地の問題。収穫量の激減に国が全ての采配が後手になっていて機能できていないところがあるみたいだというと、エルドアへ向かっていないジョージア、ノクト、イチアが目を伏せた。
「悪いことしたな。俺の甥が」
「それは、ノクトが言っても仕方がないでしょ?今から首を変えてくれるなら大歓迎だけど、そうは行かないでしょ?内政も落ち着いて来たのか、もし、あのとき、少しでも変なことをしたら、総攻撃をしてくる気がするわ」
「するだろうな……あの皇帝なら。首を変えることはできないけど、支援はできると言ってきたのだろう?安請け合いして、大丈夫か?」
「去年の収穫や今年の収穫を目論んではいるけど……根本的な改善として、エルドアへ何人か派遣したいと考えているわ!」
「派遣だと?この忙しい時期に、誰が行ってくれるんだ?」
うーんとわざとらしく考えるふりをした。今こそ、学校で学んでいる人物たちの放出するときだと主張すると、驚きはしているが、止めようとは誰一人言わなかった。
「確かに、経験をという意味ではいいと思うけど、誰かついていくべきではあるんじゃない?」
「そこは、そうだよね……?誰か、行ってくれる人いるかしら?」
「聞いてみるしかないよね。教授たちには、それぞれ弟子もいることだし、手を打ってくれるとは思う」
「アンナの交渉しだいだな。まぁ、うまくいくとは思うが。それより、オリーブの話だな」
「オリーブはあと!私、まだ、重大なことを言ってないもの!」
「何かあるのか?」
コクコクと頷き、セバスとダリアを私の横に手招きして呼び寄せた。
「ここで報告。ダリア・ウェスティンは、エルドア国を追放となったの。次、足を踏み入れることはできなくなったわ」
「それで、さっきの話に戻るのか?アンナのものだから、面倒をみろってことだろ?責任の押し付け合いに巻き込まれたか」
「まぁ……そこは、否定しないわ。エルドアの王族や貴族によく思われていないのは、本当ですもの。それより、ただのダリアになったわけだけど、貴族ではあったから、こちらに取り込みたいという思惑もあるの。私とチェスの勝負をするくらいだから、とても優秀よ?」
「なるほど。それで?侍女にするのか?」
「いいえ、セバスと結婚することになったわ。形は政略結婚ってことにしてあるけど、領地改革の戦力としてもみているの。これからよろしくね?」
挨拶をというと、貴族婦人らしい綺麗な所作で挨拶をするダリア。それを見て、誰も何もいわなくなったのである。
「ジョージア様は、夜会であったと思うけど……」
「夜会で?と、いうと……貴族令嬢なのか?」
ダリアの方を見て、誰だったかなぁ?と首を傾げている。わからないようなので、答えを言うことにした。
「元エルドア国伯爵ダリア・ウェスティンですよ」
「あぁ!アンナとチェスで勝負をしていた令嬢か……って、伯爵位だったはずだね?」
「今は、ただのダリアと言ってもいいかしらね?」
「向こうで一体なにがあったんだい?」
エルドアへ向かっていたことは報告済みであったので、ノクトやイチアも知ってはいたが詳細までは、連絡をしていなかった。せいぜいオリーブの木を植えるから、畑を作らないと!って、手紙をエルドアから送ったくらいだった。
「順を追っていくとですね?」
「あのチェスの勝敗の結果、アンナは、ダリア・ウェスティン伯爵を手に入れたことになっていたね?まぁ、本当に手に入れたとは思っていなかったし、余興の戯言くらいにみなが思っていただろう?」
「えぇ、そうですね。お友達になれればくらいにしか思っていなかったです」
「まぁ、アンナのすることは、のちのち大きな出来事にかわるからなぁ……」
呆れたようにいうノクトに苦笑いをしておく。正直なところ、反論できるところがどこにもないから仕方がない。
「それで、エルドアへ行って何があった?セバスが交渉役に出てたはずだが?」
エルドアであったことをおさらいするように話す。ノクトの苦い顔をみればわかるが、今まで、インゼロ帝国が戦争を始めるきっかけを作るときは、同じような手口を使っていることが多いらしく、イチアも深いため息をついた。
「なんというかだな……?」
「今まで、私たちは戦争を起こす側にいたので、相手の方がどういう状況なのかはほとんど知らされていませんでした。そのようなことが……あったのですね」
「それは、ローズディアでも起こりうることなのか?」
「ノクトも知っているでしょ?ヒーナは戦争屋だし、ジニーは生物兵器だって。元々、戦争屋当たりが、先走って始めているようだけど、ことごとく潰せてよかったと思っているの」
「確かに……今、戦争なんて起こったら、まず、ローズディアは壊滅的だろうな。南の領地の回復には最低でも1年から2年はかかる。領主も決まっていないのだろう?」
「えぇ、そうなの。代行を立ててはいるけど、きつい状況ではあるわ」
「そこへエルドアか。もう乗っ取られていたと考えていいんだよな?」
私はコクリと頷いた。王太子とのやり取りや、土地の問題。収穫量の激減に国が全ての采配が後手になっていて機能できていないところがあるみたいだというと、エルドアへ向かっていないジョージア、ノクト、イチアが目を伏せた。
「悪いことしたな。俺の甥が」
「それは、ノクトが言っても仕方がないでしょ?今から首を変えてくれるなら大歓迎だけど、そうは行かないでしょ?内政も落ち着いて来たのか、もし、あのとき、少しでも変なことをしたら、総攻撃をしてくる気がするわ」
「するだろうな……あの皇帝なら。首を変えることはできないけど、支援はできると言ってきたのだろう?安請け合いして、大丈夫か?」
「去年の収穫や今年の収穫を目論んではいるけど……根本的な改善として、エルドアへ何人か派遣したいと考えているわ!」
「派遣だと?この忙しい時期に、誰が行ってくれるんだ?」
うーんとわざとらしく考えるふりをした。今こそ、学校で学んでいる人物たちの放出するときだと主張すると、驚きはしているが、止めようとは誰一人言わなかった。
「確かに、経験をという意味ではいいと思うけど、誰かついていくべきではあるんじゃない?」
「そこは、そうだよね……?誰か、行ってくれる人いるかしら?」
「聞いてみるしかないよね。教授たちには、それぞれ弟子もいることだし、手を打ってくれるとは思う」
「アンナの交渉しだいだな。まぁ、うまくいくとは思うが。それより、オリーブの話だな」
「オリーブはあと!私、まだ、重大なことを言ってないもの!」
「何かあるのか?」
コクコクと頷き、セバスとダリアを私の横に手招きして呼び寄せた。
「ここで報告。ダリア・ウェスティンは、エルドア国を追放となったの。次、足を踏み入れることはできなくなったわ」
「それで、さっきの話に戻るのか?アンナのものだから、面倒をみろってことだろ?責任の押し付け合いに巻き込まれたか」
「まぁ……そこは、否定しないわ。エルドアの王族や貴族によく思われていないのは、本当ですもの。それより、ただのダリアになったわけだけど、貴族ではあったから、こちらに取り込みたいという思惑もあるの。私とチェスの勝負をするくらいだから、とても優秀よ?」
「なるほど。それで?侍女にするのか?」
「いいえ、セバスと結婚することになったわ。形は政略結婚ってことにしてあるけど、領地改革の戦力としてもみているの。これからよろしくね?」
挨拶をというと、貴族婦人らしい綺麗な所作で挨拶をするダリア。それを見て、誰も何もいわなくなったのである。
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