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セバスの援護射撃はどうする?
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「屋敷のことは、セバスが帰ってきてから考えることにするよ。領主の屋敷に近い方がいいからなぁ……」
「遠くてもいいんじゃないか?」
「えっ?」
「遠くてもいいんじゃないかなぁ?って」
ジョージアがボソボソと呟いているとウィルがこちらに視線を送ってくる。言いたいことはわかる。わかるけど……私に何を言わせたいのだろう?二人とも。
「ジョージア様、ウィルとセバスが屋敷を建てるために土地が欲しいということになったら、許可を出してもいいですよね?ウィルの屋敷は、のちのちレオやミアが使うことになりますから……少し近い方がいいんですよね」
「……そうなんだ?それは、残念」
「お嬢の護衛になりたいそうですからね?レオは」
「……それは、まだ、早くないかい?」
「アンジェラの護衛は、まだ、わからないけど、将来、何になるにしても、私は応援するわ!もちろん、ミアも」
「そりゃ、助かるよ」
やんわり、話を逸らしておく。これ以上のゴタゴタは、遠慮願いたいので、ニコッと二人に笑いかけておく。
伝わったのか、口を開きかけていたジョージアが黙った。
「セバスは、今、エルドアにいるんだよね?」
「そうよ。宰相の変わりにって。ひとつの経験よねって」
「姫さんって、ときたま、無茶をいうよね?特にセバスと俺に」
「できると思うから、言うんだけど……それに似合った成果をちゃんと出しているじゃない」
「……そりゃ、姫さんに応えたいって思ってるからね。それを考えたら、もしかして……デリアもか?」
「デリアは、もっとすごいことしてるらしいね?アンバー公爵家のメイドになる前に。俺は知らないけど」
「……それは、知らない方がいいんじゃないですかね」
ウィルがしれっと言い放ったことで、また、険悪になりそうなのはなんでなんだろう……と、ため息をついてしまう。
「セバスの話をしようとしているんですけど……どうして、そう睨み合っているのですか?セバスが国を背負って苦しい中、頑張ってくれているのに!」
「……それもそうだな。で、今、セバスはどうなっているんだ?」
「開戦派が結構粘っているようなんだよね。こんなことになっているなんて思わなくて……少しだけ、そんな噂を聞いていたけど、ここまで大火になっていたとは」
「そんなに?」
「そう。ウィルが南の領地行ってたでしょ?」
「ん。それで?」
「ウィルをもっとエルドアの方に寄せてほしいって……面倒なことばかり言ってきたのよね。南の領地は、戦いができるような状況じゃないし、ウィルも戦いのために南の領地へ行っているわけじゃないって、抗議までしていたのよ」
「そんなことあったんだ?」
ウィルは知らなかったようで、へぇーって言っているだけだ。私、手紙に書いたと思うんだけど?と思いながら、小首を傾げた。
「あっ、それ……手紙に書いたよ?って顔?」
「そう、そうなのよ!私、書いたよね?そっちにエルドアからの使者が向かうといけないから」
「んー手紙はね、読んでたんだけど……それどころじゃなかったからね。普通に。わかるでしょ?」
「さっき、話を聞いたから伝わった。そっちには、使者は行かなかったの?」
「……さぁ?どうだったろう?一所にはいられないからね。すれ違っていたのかもしれない。あんなにごった返しているところでは、俺一人見つけるのは無理だ。それより、あんな感染者だらけの中に来ていて大丈夫……じゃ、ないだろ?」
「……本当だ。ローズディアだけでも、大変なことになっているのに、隣国までって」
「まぁ、たぶん、国へ帰る前に、たぶん、どこかで倒れて療養所へ連れていかれたのかもしれないわ」
「それなら、いいけど……」
「南の領地は、酷かったって報告あったけど……」
「酷かった……の一言では、とてもじゃないですけど」
「そうか……アンバー領はアンナのおかげで、一人の感染者も出ずに……えっと……一人でたんだっけ?」
「領地外から入ってきたから、違いますよ」
「そっか。そうだね。南の領地の復興は、少しでも力になれることがあれば、アンバー領も何かするつもりだよ」
「それはいい。本当に、ひどかったから。特に麦の収穫時期だったから、今年の収穫はほとんど見込めないって話を聞いているので、今後の公からの支援要請しだい」
「そうね。領地には、備蓄もあるから、他の領地より、余裕があるし……これは、商売のねらい目でもあるから、出し惜しみはしないわ!」
両の拳を握り、やってやるわ!と言うと、二人に見られた。何を考えているのかは、わかる。商魂たくましく次へ繋がる取引をできるよう、ニコライとちゃんと話合わないといけないと話せば、ため息が漏れるのは必然であった。
「そういや、さっき言ってた、ウェスティン伯爵?」
「あの女伯爵か……」
ジョージアは苦手意識がついたのか、ちょっと、ウンザリした声が漏れてくるが、ウィルはまだ、見知らぬダリアに少し興味があるようだった。
「それで、チェスで勝って、伯爵が欲しいと言って、アンナは何をしようとしているの?まだ、何も聞いていないよ?」
ジョージアは、私のほうを見て、なんとなく、無茶なこと言い出すんだよねと言っているあたり、さすが、私の旦那様だと、心から笑みがこぼれた。
「遠くてもいいんじゃないか?」
「えっ?」
「遠くてもいいんじゃないかなぁ?って」
ジョージアがボソボソと呟いているとウィルがこちらに視線を送ってくる。言いたいことはわかる。わかるけど……私に何を言わせたいのだろう?二人とも。
「ジョージア様、ウィルとセバスが屋敷を建てるために土地が欲しいということになったら、許可を出してもいいですよね?ウィルの屋敷は、のちのちレオやミアが使うことになりますから……少し近い方がいいんですよね」
「……そうなんだ?それは、残念」
「お嬢の護衛になりたいそうですからね?レオは」
「……それは、まだ、早くないかい?」
「アンジェラの護衛は、まだ、わからないけど、将来、何になるにしても、私は応援するわ!もちろん、ミアも」
「そりゃ、助かるよ」
やんわり、話を逸らしておく。これ以上のゴタゴタは、遠慮願いたいので、ニコッと二人に笑いかけておく。
伝わったのか、口を開きかけていたジョージアが黙った。
「セバスは、今、エルドアにいるんだよね?」
「そうよ。宰相の変わりにって。ひとつの経験よねって」
「姫さんって、ときたま、無茶をいうよね?特にセバスと俺に」
「できると思うから、言うんだけど……それに似合った成果をちゃんと出しているじゃない」
「……そりゃ、姫さんに応えたいって思ってるからね。それを考えたら、もしかして……デリアもか?」
「デリアは、もっとすごいことしてるらしいね?アンバー公爵家のメイドになる前に。俺は知らないけど」
「……それは、知らない方がいいんじゃないですかね」
ウィルがしれっと言い放ったことで、また、険悪になりそうなのはなんでなんだろう……と、ため息をついてしまう。
「セバスの話をしようとしているんですけど……どうして、そう睨み合っているのですか?セバスが国を背負って苦しい中、頑張ってくれているのに!」
「……それもそうだな。で、今、セバスはどうなっているんだ?」
「開戦派が結構粘っているようなんだよね。こんなことになっているなんて思わなくて……少しだけ、そんな噂を聞いていたけど、ここまで大火になっていたとは」
「そんなに?」
「そう。ウィルが南の領地行ってたでしょ?」
「ん。それで?」
「ウィルをもっとエルドアの方に寄せてほしいって……面倒なことばかり言ってきたのよね。南の領地は、戦いができるような状況じゃないし、ウィルも戦いのために南の領地へ行っているわけじゃないって、抗議までしていたのよ」
「そんなことあったんだ?」
ウィルは知らなかったようで、へぇーって言っているだけだ。私、手紙に書いたと思うんだけど?と思いながら、小首を傾げた。
「あっ、それ……手紙に書いたよ?って顔?」
「そう、そうなのよ!私、書いたよね?そっちにエルドアからの使者が向かうといけないから」
「んー手紙はね、読んでたんだけど……それどころじゃなかったからね。普通に。わかるでしょ?」
「さっき、話を聞いたから伝わった。そっちには、使者は行かなかったの?」
「……さぁ?どうだったろう?一所にはいられないからね。すれ違っていたのかもしれない。あんなにごった返しているところでは、俺一人見つけるのは無理だ。それより、あんな感染者だらけの中に来ていて大丈夫……じゃ、ないだろ?」
「……本当だ。ローズディアだけでも、大変なことになっているのに、隣国までって」
「まぁ、たぶん、国へ帰る前に、たぶん、どこかで倒れて療養所へ連れていかれたのかもしれないわ」
「それなら、いいけど……」
「南の領地は、酷かったって報告あったけど……」
「酷かった……の一言では、とてもじゃないですけど」
「そうか……アンバー領はアンナのおかげで、一人の感染者も出ずに……えっと……一人でたんだっけ?」
「領地外から入ってきたから、違いますよ」
「そっか。そうだね。南の領地の復興は、少しでも力になれることがあれば、アンバー領も何かするつもりだよ」
「それはいい。本当に、ひどかったから。特に麦の収穫時期だったから、今年の収穫はほとんど見込めないって話を聞いているので、今後の公からの支援要請しだい」
「そうね。領地には、備蓄もあるから、他の領地より、余裕があるし……これは、商売のねらい目でもあるから、出し惜しみはしないわ!」
両の拳を握り、やってやるわ!と言うと、二人に見られた。何を考えているのかは、わかる。商魂たくましく次へ繋がる取引をできるよう、ニコライとちゃんと話合わないといけないと話せば、ため息が漏れるのは必然であった。
「そういや、さっき言ってた、ウェスティン伯爵?」
「あの女伯爵か……」
ジョージアは苦手意識がついたのか、ちょっと、ウンザリした声が漏れてくるが、ウィルはまだ、見知らぬダリアに少し興味があるようだった。
「それで、チェスで勝って、伯爵が欲しいと言って、アンナは何をしようとしているの?まだ、何も聞いていないよ?」
ジョージアは、私のほうを見て、なんとなく、無茶なこと言い出すんだよねと言っているあたり、さすが、私の旦那様だと、心から笑みがこぼれた。
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