ハニーローズ　～　『予知夢』から始まった未来変革　～

悠月　星花

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リアンへの提案。

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「そういえば、リアンのことをさっき話していたよね？」
「えぇ、そうですね。不穏な話も多くなってきた今、私の周りで、身を守れないリアンのことをどうするか、真剣に考えています」
「やはり、戦争が起こると思っているの？」
「起こさせませんよ！そのために、セバスがエルドアで粘っているのですから。もうすぐ、ウィルも帰ってきますし」

　執務室でジョージアと話しているとリアンがセシリアから預かった手紙を持って、入って来た。

「こちらが、預かった手紙です」
「ありがとう。それで、今日のデートはどうだった？」
「……やはり、そうだったのですか？そんな気はしていたのですが」

　少し困ったような顔をするリアン。それほど、アデルがダメだったのだろうかと少し可哀想になる。

「そんな顔をなさらないでください！とても、楽しかったのですから。久しぶりに出かけたので、はしゃぎすぎました」

　苦笑いをしているあたり、本当に楽しかったようだ。

「そう、なら、よかったわ！今日行ったお店の情報、報告書として出してくれる？ハニーアンバー店へ何か反映できるものがあれば、したいと思って」
「かしこまりました。元々、そういうお話でしたので、アデルさんとも話し合って、いろいろと工夫はしましたので、報告書、楽しみにしておいてください」

　そういって、執務室から出ていくリアンの後ろ姿を見送った。

「アンナ」
「えぇ、リアンが公都を一人で歩くことは、難しくなっているの。デートと茶化してはみたけど、誰か守れる人が側にいないと、公都での行動は制限されるわ。アンバー領なら、まだ、いいのよ。領地全体が、私の庇護下ですから」
「……確かに、入るのも出るのも、見知らぬものへは厳しいからな」
「中には、怪しい人物もいるようですけどね？」

　報告書をぴらぴらとさせながら、ジョージアに内容を話すと、驚いていた。

「アンナの側にいるものが、狙われているのか？」
「そうですね。ディルの子猫たちが、領地にはたくさんいるので、まず、誘拐は難しいですけど、それにも限りはあります。
　リアンをそうそうに私の侍女から離さないと、取り返しのつかないことになってしまいそうで……」
「アンナの懸念はわかるが、デリアが側にいない今、どうするんだ？」
「大丈夫ですよ。デリア以外にも侍女はいますから。リアンへの次の仕事を考えてはいるのですが、少し、意見をいただけますか？」

　珍しいね？とジョージが目を丸くしてこちらを見てくるので、ちょっと膨れっ面を作ってみる。

「ジョージア様は、私をなんだと思っているのですか？」
「独断専行かと……」
「……私、相談していると思うのですけど？ジョージア様ではなく、それがウィルやセバス、ノクトやイチアの場合もありますけど、誰かには聞いてもらってはいますよ？」
「なんだか意外だったもので」
「そんな印象ですか？私って」
「うん、そうだね。アンナって、強い印象があるからさ……一人で考えて、一人で何でもしてしまうのかな？って。最近は、領地の仕事に関わっているから、少し、そういうところが思っていたのとは違うっていうことに気が付いたけど、まだね？」

　ジョージアに指摘されたことを考えながら、昔は、味方がいなかったからなと呟いた。

「今は、私を助けてくれる人がたくさんいますから、安心して相談できますよ！」
「それは、よかった。そのうちの一人に僕も選ばれているのかな？」
「あたりまえです！ジョージア様がいてくれることが、私にとって、何よりの安心ですからね！」

　そうかといい、頬を緩めるジョージア。私が頼っていると言われることが嬉しいようであった。

「それで、相談って？」
「先日、コーコナから連れて来た孤児たちです」
「孤児院を作るかどうかっていう話だよね？」
「えぇ、そうなんです。院を作るかどうかは、おいといても、誰か面倒を見る人がほしいのです。屋敷の中で、育てるにしても」
「確かに。アンナの想定していることを教えて」

　私はジョージアへ頷き、考えていることを話始める。

「当面の間ですが、赤子以外は、アンバー領へ連れていこうと思っています。前領主の館にある別棟に孤児たちを育てる場所をと考えているのですが……」
「なるほど……領主の館からは遠いけど、研究機関がそこにあるから、学ぶことができるね？小間使いになったり、実力があれば、助手になることも、自身が１つの研究をすることもできる」
「はい、そうなのです。元々、学ぶ機会は作ろうと思っているのですが、その子たちをまとめる人がいるのです」
「そこに、リアンをと考えている？」
「そうなんです。リアンは、私たちの子どもにたいしても、エマや他の子どもたちにも優しいです。本人にも意見はききますが……」
「アンナから離れることもできるという算段か」

　えぇと頷くと、それはいいかもしれないね？と本人の意思確認をすることになった。ただ、領主の館から出ないといけなくなるので、レオとミアのことも考え、どうするのが1番いいのか、話し合うとまとまったのである。

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