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次なる一手
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ジョージアと朝食を取りながら、『予知夢』のことを話し合う。
「身に覚えがないなら、私が作ったということかしら?ジョージア様がっていうより、やはり表立って動いているのは私ですからね?」
「確かに。でも、それじゃあ意味がないような気がするんだけど?俺を狙ったところで、アンナに何か影響でもある?」
「……影響ですか?そりゃ、とっても大きいと思いますよ?しばらく、再起できないほどには、私の中はジョージア様で溢れていますから」
「……気のせいかと思っていたよ?すげなくされるし……最近は、アンジェラを始め、レオやジョージばかりを相手にしているからね。それじゃなくても、ウィルと二人で出歩いてばかりだし」
「……妬いているんですか?」
「もちろん!アンナに相手してもらいたいと思っていても、一方通行ばかりだからね?」
残念だよと肩を落としているジョージアに、苦笑いだけしておく。そんなにかまわれたいと思っているとは知らなったのだから仕方がない。もっと、声に出して言ってくれれば……と思っていたら、いままでのジョージアの行動の端々にそれらしいことが思い至った。
「ジョージア様、もう少しわかりやすい感じでお願いします。わかりづらかったら、後回しにしてしまいます」
「そうは言っても、アンバー領のことが1番だし、子どもたちのこともある。大人がわがまま言っているはさすがに子どもたちに示しがつかないじゃないか?」
すみませんと謝ると、アンナのいいところだから、謝らないでと言ってくれる。
朝食を食べて、執務室へ向かう。
「アンナリーゼ様、昨夜は……」
「おはよう、イチア。なんともないわ!ちょっと頭痛に悩まされただけだから……」
「それならいいのですが、刺客の件、アデルから聞いてます」
「狙われたのは私じゃないの。ジョージア様が狙われたのよ。今まで、少し領地の警備は緩くしていたけど、見直さないといけないわね」
「アデルとリリーをこの屋敷に配備しましょう。どちらも常駐に……」
「私の警備は必要ないけど、ジョージア様のほうが心配ね」
「アンナリーゼ様も含め、お子様の警備も考えましょう。アンジェラ様は次期当主。ネイト様もあの瞳です。なにより、アンバー公爵のお子なのですから、狙われる可能性は、高いです!」
「……わかったわ。アンジェラの側には、エマがいるから、ずっとでは無くていいけど、警備をつけるようにしましょう」
「エマは、戦闘要員なのですか?」
もちろん!と頷くと、驚いていた。何を隠そう、筆頭執事のディル自ら、手ほどきしているほどの人材なのだ。もちろん、デリアも後継として連れてきたものではあるが、デリアと同等に優秀であった。
「それでも、まだ、エマは子どもですからね。相当のものであったとしても、力押しされれば負ける可能性もありますから」
「そのあたりは、何か考えないといけないわよね。レオが成人くらいに成長していれば、よかったけど……それは望みすぎだし、将来にかけているから、今は、そのままね」
「レオくんは、アンナリーゼ様が目をかけているようですけど……何か?」
「うん、このまま成長したら、きっと強い近衛になれるなって。ウィルは、アンバー領へ来ることが目標みたいなものだったけど、レオはもっと高みを目指す気がするから」
『予知夢』で見たとおりなら、レオは……と含み笑いをしてしまう。レオとミアは、アンジェラにとって、大切な人になることはわかっている。いつの『予知夢』でも、この三人は変わることなく側にいたことを考えると、深い縁があるのだろう。
「警備については、アデルとリリーを中心に考えましょう。ノクトも領地以外や領地内でもかなり動き回ってくれているから、警備の固定をするのは難しいでしょうし」
「たしかに……最近、何処をほつき歩いているのでしょう」
盛大なため息をつきたいのを我慢しているイチアに苦笑いだけ送っておく。とてもじゃないが他人事ではないので、イチアの反応には何も言えなくなる。
「それ以外の話も少ししたいのですが、いいですか?」
「そうね。まだ、刺客については、何もわかっていないことですし、違う話をして待ちましょう」
「それでは、前々から計画をしていたことですが、そろそろ、領地外にも農作物を始め、販売を伸ばして行きたいと考えています」
「農作物の……?麦とか芋なら、買い手がいるわよね?領地以外にも。それより、販路を広げるということ?」
「そういうことです。今年分に関しては、このままの販路でと考えていますが、農作物に関しては、近隣領地より、売ってほしいという声が大きくなってきました。少量ですが、ハニーアンバー店で取り扱っているおかげなのでしょう」
「なるほど……麦に関しては、サーラー子爵と取引ができたものね。カレンのところとも良好な売買関係を結べているし……他にもか」
「今年、水車を取り入れたことは、大きいかと。取れる麦の質もさることながら、加工技術が上がったおかげで、いつもより多く粉にできていますから。取引をするには、もう少し経過をみないといけませんが、来年あたりには、近隣領地を含め、売買契約こぎつけるのではないかと考えています。この病のおさまるのも条件の一つではありますが」
終息に向かっていると報告をもらっていこう、次なる一手をずっと考えていた。出来れば、農家を中心にしたことを考えていたので、願ったり叶ったりである。
「身に覚えがないなら、私が作ったということかしら?ジョージア様がっていうより、やはり表立って動いているのは私ですからね?」
「確かに。でも、それじゃあ意味がないような気がするんだけど?俺を狙ったところで、アンナに何か影響でもある?」
「……影響ですか?そりゃ、とっても大きいと思いますよ?しばらく、再起できないほどには、私の中はジョージア様で溢れていますから」
「……気のせいかと思っていたよ?すげなくされるし……最近は、アンジェラを始め、レオやジョージばかりを相手にしているからね。それじゃなくても、ウィルと二人で出歩いてばかりだし」
「……妬いているんですか?」
「もちろん!アンナに相手してもらいたいと思っていても、一方通行ばかりだからね?」
残念だよと肩を落としているジョージアに、苦笑いだけしておく。そんなにかまわれたいと思っているとは知らなったのだから仕方がない。もっと、声に出して言ってくれれば……と思っていたら、いままでのジョージアの行動の端々にそれらしいことが思い至った。
「ジョージア様、もう少しわかりやすい感じでお願いします。わかりづらかったら、後回しにしてしまいます」
「そうは言っても、アンバー領のことが1番だし、子どもたちのこともある。大人がわがまま言っているはさすがに子どもたちに示しがつかないじゃないか?」
すみませんと謝ると、アンナのいいところだから、謝らないでと言ってくれる。
朝食を食べて、執務室へ向かう。
「アンナリーゼ様、昨夜は……」
「おはよう、イチア。なんともないわ!ちょっと頭痛に悩まされただけだから……」
「それならいいのですが、刺客の件、アデルから聞いてます」
「狙われたのは私じゃないの。ジョージア様が狙われたのよ。今まで、少し領地の警備は緩くしていたけど、見直さないといけないわね」
「アデルとリリーをこの屋敷に配備しましょう。どちらも常駐に……」
「私の警備は必要ないけど、ジョージア様のほうが心配ね」
「アンナリーゼ様も含め、お子様の警備も考えましょう。アンジェラ様は次期当主。ネイト様もあの瞳です。なにより、アンバー公爵のお子なのですから、狙われる可能性は、高いです!」
「……わかったわ。アンジェラの側には、エマがいるから、ずっとでは無くていいけど、警備をつけるようにしましょう」
「エマは、戦闘要員なのですか?」
もちろん!と頷くと、驚いていた。何を隠そう、筆頭執事のディル自ら、手ほどきしているほどの人材なのだ。もちろん、デリアも後継として連れてきたものではあるが、デリアと同等に優秀であった。
「それでも、まだ、エマは子どもですからね。相当のものであったとしても、力押しされれば負ける可能性もありますから」
「そのあたりは、何か考えないといけないわよね。レオが成人くらいに成長していれば、よかったけど……それは望みすぎだし、将来にかけているから、今は、そのままね」
「レオくんは、アンナリーゼ様が目をかけているようですけど……何か?」
「うん、このまま成長したら、きっと強い近衛になれるなって。ウィルは、アンバー領へ来ることが目標みたいなものだったけど、レオはもっと高みを目指す気がするから」
『予知夢』で見たとおりなら、レオは……と含み笑いをしてしまう。レオとミアは、アンジェラにとって、大切な人になることはわかっている。いつの『予知夢』でも、この三人は変わることなく側にいたことを考えると、深い縁があるのだろう。
「警備については、アデルとリリーを中心に考えましょう。ノクトも領地以外や領地内でもかなり動き回ってくれているから、警備の固定をするのは難しいでしょうし」
「たしかに……最近、何処をほつき歩いているのでしょう」
盛大なため息をつきたいのを我慢しているイチアに苦笑いだけ送っておく。とてもじゃないが他人事ではないので、イチアの反応には何も言えなくなる。
「それ以外の話も少ししたいのですが、いいですか?」
「そうね。まだ、刺客については、何もわかっていないことですし、違う話をして待ちましょう」
「それでは、前々から計画をしていたことですが、そろそろ、領地外にも農作物を始め、販売を伸ばして行きたいと考えています」
「農作物の……?麦とか芋なら、買い手がいるわよね?領地以外にも。それより、販路を広げるということ?」
「そういうことです。今年分に関しては、このままの販路でと考えていますが、農作物に関しては、近隣領地より、売ってほしいという声が大きくなってきました。少量ですが、ハニーアンバー店で取り扱っているおかげなのでしょう」
「なるほど……麦に関しては、サーラー子爵と取引ができたものね。カレンのところとも良好な売買関係を結べているし……他にもか」
「今年、水車を取り入れたことは、大きいかと。取れる麦の質もさることながら、加工技術が上がったおかげで、いつもより多く粉にできていますから。取引をするには、もう少し経過をみないといけませんが、来年あたりには、近隣領地を含め、売買契約こぎつけるのではないかと考えています。この病のおさまるのも条件の一つではありますが」
終息に向かっていると報告をもらっていこう、次なる一手をずっと考えていた。出来れば、農家を中心にしたことを考えていたので、願ったり叶ったりである。
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