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領地に前領主夫妻が来る報告
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785. 報告会
「私から最後に……」
休憩を挟んだあと、私からの最後の報告をする。たぶん、知っていると思うが、情報は共有が大事なので、話すことにした。
「みな知っていると思うんだけど、来週から3週間ほど、前公爵夫妻が領地の視察にこられます。知ってのとおり、ジョージア様の両親なんだけど、この中で、知っている人っているかしら?」
「僕とナタリーは夜会で見かけたことがあるくらいだね?」
「そうですね。お話したことは、ありません」
「あっ、あります!領地には何度も前公爵様が来られていましたから」
「リリーは、そうね。あとは商人たちもかしら?」
「ユービスは御用聞きでしたからね。私とビルは、数えるくらいですね」
「そうですね。公爵家と関わりができたのもアンナリーゼ様の代からですから」
テクトとビルがそれぞれの商売の側から話をしてくれる。そう思うと、ここで、うま味があったのはユービスだけなのかとぼんやり聞いていた。
「ところで、その公爵様は何をしにくるんだ?」
「それは、俺から。父はアンナを中心に変わっていくアンバー領を見てみたいと常々言っていたんだ。元々、アンナの才覚に惚れ込んでいたのは、父だからね」
「それは、初耳です!」
「アンナはしらをきるかもしれないけど、トワイス国のワイズ伯爵の件の全容を知っているよ?」
「……ワイズ伯爵の件ですか?」
「身に覚えがあるだろ?俺は、父からアンナがローズディアへ来る直前に聞いたけど」
「懐かしいな」
「セバス……そこは、何も言わずに黙っておくべきよ!」
「君たちも知っていたのかい?」
「……あぁ、本当だ」
「あの噂の話のことだな。インゼロ帝国でも有名な話だぞ?小娘にまんまとやられた伯爵って」
「……みんな、話を誇張しすぎですよね?私の力だけではありませんし、そもそも、私は何もしていませんから」
「事の真相、知りたいです!」
興味を持ったものたちが多いようで、ため息をついた。
「私は本当に何もしていないの。デリアに多額のお金を渡してちょっと商人たちをうまく操ってもらっただけだし……詳しくは聞かないで」
「それって、動機はなんだったのですか?」
「フレイゼン侯爵家のことに関わるから言わないわ!」
残念という割に、ノクトとイチア当たりは笑っているので知っていることがわかる。
私、話したこと、あるかしらね?
ニコリと微笑むだけで、それ以上は何も言わない。
「何にしろ、前公爵が来て、領地の視察をしたいという話だな。アンナが、その案内をするのか?」
「そのつもりだったんだけど、私は、しばらく領地を外れていたから、ジョージア様にお願いしようと思っているのだけど、どうですか?」
「それは構わないけど、いいの?アンナがしたいんじゃ……」
「いいえ、元々、ジョージア様が治めるべき領地ですから、行ってきてください。もぅ、私なしでもどんなふうに改革を進めているのか、どの建物、どの工事、どの人物にどんな意味があるのかは知っていると思うので、大丈夫ですよ!護衛はアデルとリリーでお願いできるかしら?
「お任せください」
「やらせてください!」
「では、ジョージア様のフォローをセバスにお願いしたいのだけど?」
「任せて!ジョージア様がド忘れしたことはこっそり教えるから!」
「馬は、ちゃんと乗れる?」
「その日は、馬車で行きましょう!中でも説明したいですし!アンナリーゼ様が行ってきたこと、知ってもらいたいですからね!」
張り切る三人に、お願いねと言えば、ちゃんと任されてくれた。
「ナタリーにもお願いがあるんだけど……」
「夫人のフォローですか?」
「うん、私のフォロー!お義母様は、視察には出ないと思うの。子どもたちともとても会いたがっていたから、そのときのフォローを。リアンとエマも一緒にいてくれるけど……」
「任せてください」
頷くナタリー。リアンとエマと三人体制で私のフォローをしてもらえれば、とても助かる。
「三商人には、美味しい食材の手配をお願いできるかしら?」
「それは、お任せください。アンバー領で食べられる最高のものをお出しします!」
「ニコライは、出来れば、ハニーアンバー店の主力商品を少しだけこちらに持ってきてほしいわ!布地とか、お義母様が好きそうなものをお願いできる?」
「こちらにもありますが、公都から取ってまいります。しばらくは、アンナリーゼ様とのお茶会やお子様たちと触れ合う時間を多くとられると思いますので、頃合いを見計らって!」
「お願いね!」
「そのときは、私も一緒によろしいですか?」
「もちろん!ナタリーが主にドレスは作ってくれているのだもの!お義母様が、始まりの夜会に出席されるという場合、最短でドレスって作れるかしら?」
「そのドレスにもよりますが、間に合わせて見せます!そういえば、アンナリーゼ様のドレスは出来上がっていますよ!今年のは出来がまた一段と大人の女性を意識したものになっていますから、あとでみてください!」
にこっと笑うナタリーにありがとうと言うと、私の楽しみですから!と微笑んだ。
「ノクトはいつものように、好きなことをしてくれていいわ!土木工事に向かうもよし!砂糖の作付けに向かうもよし!自由にしていて!」
「俺だけ、雑じゃないか?」
「ノクト様は、名を呼ばれるだけましではありませんか?私など、一度も……」
「イチアにもちゃんと、仕事はあるわよ?通常運転という扇の要のような重要な仕事が。誰かが、領地運営を見ている人がいてくれないと……領民から上がってくる情報の処理は早々に必要だから!」
「して、アンナは、夫人の相手だけなのか?」
にぃっと笑う私。
「もちろん、遊撃隊!いつでもどこでもはせ参じます!人手が必要なら、どこにでも呼んでちょうだい!お義母様のことは、私も気にかけるけど……領地のこと第一に考えます!それで、いいですよね?」
「もちろん!」
ジョージアの許可が出たところで、領地からの報告へとうつっていくのである。
「私から最後に……」
休憩を挟んだあと、私からの最後の報告をする。たぶん、知っていると思うが、情報は共有が大事なので、話すことにした。
「みな知っていると思うんだけど、来週から3週間ほど、前公爵夫妻が領地の視察にこられます。知ってのとおり、ジョージア様の両親なんだけど、この中で、知っている人っているかしら?」
「僕とナタリーは夜会で見かけたことがあるくらいだね?」
「そうですね。お話したことは、ありません」
「あっ、あります!領地には何度も前公爵様が来られていましたから」
「リリーは、そうね。あとは商人たちもかしら?」
「ユービスは御用聞きでしたからね。私とビルは、数えるくらいですね」
「そうですね。公爵家と関わりができたのもアンナリーゼ様の代からですから」
テクトとビルがそれぞれの商売の側から話をしてくれる。そう思うと、ここで、うま味があったのはユービスだけなのかとぼんやり聞いていた。
「ところで、その公爵様は何をしにくるんだ?」
「それは、俺から。父はアンナを中心に変わっていくアンバー領を見てみたいと常々言っていたんだ。元々、アンナの才覚に惚れ込んでいたのは、父だからね」
「それは、初耳です!」
「アンナはしらをきるかもしれないけど、トワイス国のワイズ伯爵の件の全容を知っているよ?」
「……ワイズ伯爵の件ですか?」
「身に覚えがあるだろ?俺は、父からアンナがローズディアへ来る直前に聞いたけど」
「懐かしいな」
「セバス……そこは、何も言わずに黙っておくべきよ!」
「君たちも知っていたのかい?」
「……あぁ、本当だ」
「あの噂の話のことだな。インゼロ帝国でも有名な話だぞ?小娘にまんまとやられた伯爵って」
「……みんな、話を誇張しすぎですよね?私の力だけではありませんし、そもそも、私は何もしていませんから」
「事の真相、知りたいです!」
興味を持ったものたちが多いようで、ため息をついた。
「私は本当に何もしていないの。デリアに多額のお金を渡してちょっと商人たちをうまく操ってもらっただけだし……詳しくは聞かないで」
「それって、動機はなんだったのですか?」
「フレイゼン侯爵家のことに関わるから言わないわ!」
残念という割に、ノクトとイチア当たりは笑っているので知っていることがわかる。
私、話したこと、あるかしらね?
ニコリと微笑むだけで、それ以上は何も言わない。
「何にしろ、前公爵が来て、領地の視察をしたいという話だな。アンナが、その案内をするのか?」
「そのつもりだったんだけど、私は、しばらく領地を外れていたから、ジョージア様にお願いしようと思っているのだけど、どうですか?」
「それは構わないけど、いいの?アンナがしたいんじゃ……」
「いいえ、元々、ジョージア様が治めるべき領地ですから、行ってきてください。もぅ、私なしでもどんなふうに改革を進めているのか、どの建物、どの工事、どの人物にどんな意味があるのかは知っていると思うので、大丈夫ですよ!護衛はアデルとリリーでお願いできるかしら?
「お任せください」
「やらせてください!」
「では、ジョージア様のフォローをセバスにお願いしたいのだけど?」
「任せて!ジョージア様がド忘れしたことはこっそり教えるから!」
「馬は、ちゃんと乗れる?」
「その日は、馬車で行きましょう!中でも説明したいですし!アンナリーゼ様が行ってきたこと、知ってもらいたいですからね!」
張り切る三人に、お願いねと言えば、ちゃんと任されてくれた。
「ナタリーにもお願いがあるんだけど……」
「夫人のフォローですか?」
「うん、私のフォロー!お義母様は、視察には出ないと思うの。子どもたちともとても会いたがっていたから、そのときのフォローを。リアンとエマも一緒にいてくれるけど……」
「任せてください」
頷くナタリー。リアンとエマと三人体制で私のフォローをしてもらえれば、とても助かる。
「三商人には、美味しい食材の手配をお願いできるかしら?」
「それは、お任せください。アンバー領で食べられる最高のものをお出しします!」
「ニコライは、出来れば、ハニーアンバー店の主力商品を少しだけこちらに持ってきてほしいわ!布地とか、お義母様が好きそうなものをお願いできる?」
「こちらにもありますが、公都から取ってまいります。しばらくは、アンナリーゼ様とのお茶会やお子様たちと触れ合う時間を多くとられると思いますので、頃合いを見計らって!」
「お願いね!」
「そのときは、私も一緒によろしいですか?」
「もちろん!ナタリーが主にドレスは作ってくれているのだもの!お義母様が、始まりの夜会に出席されるという場合、最短でドレスって作れるかしら?」
「そのドレスにもよりますが、間に合わせて見せます!そういえば、アンナリーゼ様のドレスは出来上がっていますよ!今年のは出来がまた一段と大人の女性を意識したものになっていますから、あとでみてください!」
にこっと笑うナタリーにありがとうと言うと、私の楽しみですから!と微笑んだ。
「ノクトはいつものように、好きなことをしてくれていいわ!土木工事に向かうもよし!砂糖の作付けに向かうもよし!自由にしていて!」
「俺だけ、雑じゃないか?」
「ノクト様は、名を呼ばれるだけましではありませんか?私など、一度も……」
「イチアにもちゃんと、仕事はあるわよ?通常運転という扇の要のような重要な仕事が。誰かが、領地運営を見ている人がいてくれないと……領民から上がってくる情報の処理は早々に必要だから!」
「して、アンナは、夫人の相手だけなのか?」
にぃっと笑う私。
「もちろん、遊撃隊!いつでもどこでもはせ参じます!人手が必要なら、どこにでも呼んでちょうだい!お義母様のことは、私も気にかけるけど……領地のこと第一に考えます!それで、いいですよね?」
「もちろん!」
ジョージアの許可が出たところで、領地からの報告へとうつっていくのである。
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