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手作りお菓子のオンパレード
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私の一言で始まるお菓子な日々。甘々のお菓子に、ここ数日、頬を緩ませる。
「アンナ様は、どんなお菓子が好きですか?」
「私は……生クリームたっぷりのケーキが好きよ!ちなみに、アンジェラも」
ほぅっと母娘が並んで生クリームと呟きながら熱い吐息をはくと、そっくりですね!と笑われる。
エレーナの子どもたちが、アンジェラたちを見てくれているのだが、今はアンジェラは隣に座って同じように頬に手を当ててカヌルを口に運んでいる。
今はおやつの時間だ。遊びに夢中になっている双子とジョージを置いて、お菓子に夢中のアンジェラは口をモゴモゴと動かしていた。
「おいしーねぇ?」
「本当ですか?たくさんありますからね!」
「たくさんあっても、あんまりは……」
「わかっていますよ。お腹いっぱいになるほどは、ダメですよ?」
なんだかんだと、可愛い子どもには甘いエレーナのようで、美味しいと喜んで食べているアンジェラの姿をみて喜んでいた。
「エレーナは、屋敷でもお菓子を作ったりするの?」
「えぇ、子どもたちに食べさせるものは、つくらせてもらってますよ!」
「いいな……特技があって……」
「アンナ様は、アンナ様のできることがあるのですから!私には、お菓子しか作れませんから」
「うぅん、子どもたちに何かしてあげられるっていうのが、羨ましいよ!」
ニコリと微笑むとエレーナも微笑んでくれる。
「お母様、おやつ食べたいです!」
リアーナが来ると、マーフィーとジョージも集まってくる。
子どもたちに優しく微笑んで、お茶の用意をしてあげ、手を拭くものを渡す。
見守りながら、ときに教えながらここ数日エレーナと一緒にいて、優しいお母さん像を見せてもらった。うちは、強い母でしたからね……物心ついたときには、なんでも自分でしていた気がするから、エレーナのような優しい母というのは、目にも優しい。
「ただいま」
「ジョージア様、ニコライ。おかえりなさい!」
「休憩されますか?」
「あぁ」
「用意しますね?」
「エレーナ様、私が……」
では、お願いしますとジョージアとニコライのための準備をデリアがしてくれる。
デリアは、お茶の用意をするのでと、ネイトを私に渡す。ご機嫌ネイトを囲いながら、お菓子を食べ、優しい時間をすごした。
「サシャが認めただけあって……美味いな。アンナ、これ、店で出したら?美味しい!」
「ジョージア様も気に入りましたか?今度、キティにお願いしてみます!」
視察に出ていて疲れていた顔が、優しい甘さのカヌレを食べた瞬間、ホッとした顔になっている。
「あの、キティさんとは?」
「公都にあるハニーアンバー店は、喫茶をしているんだけどね?そこのお菓子職人だよ!」
「なるほど、一度食べてみたいものですわ!」
「何か、日持ちのするものがないか聞いてみて送るわ!そうそう、今、聞いてたと思うけど……
エレーナのお菓子、どれを食べてもおいしいの!もしよかったら……」
「作り方ですね!いいですよ!」
何をお願いしたいかわかったようで、実はと既に作ってくれていたようだ。
絵までついた丁寧な作り方が書かれているメモをもらうと、早速開く。
「どれもこれも、美味しそうなんだけど……あっ!これって……ジョージア様が屋敷に初めて来た
ときに作ってくれたお菓子ね!」
「えっ?あのお菓子は、エレーナの手作り?」
「エリザベスとエレーナの手作りですよ!私が我儘を言って作ってくれるようお願いしたの!とっても
ほろほろとして、クリームもしっかり入って……」
「確かに、美味しかった!」
「懐かしいですね!これを食べながら、お話しましたよね。ふふっ」
懐かしい想い出だった。17歳のとき、ジョージアの卒業式の相手として選んでもらったときのことだ。
美味しいお菓子を食べながら、ジョージアとの時間は至福のときであった。
「私、そのときのお二人のことは知らなかったんですけど……エリザベスに聞いて、とても驚きました
わ!アンナ様が選んだ方が……」
「まさか俺だっただなんて……って感じ?」
「……いえ、その……」
「いいよ、わかってる。アンナの隣に相応しいのは今も昔もヘンリー殿だろう。俺にはわからないけど、
知らないうちに援助してくれているんじゃないか?」
「そんなことないですよ!私の隣はジョージア様のものですから!今も昔も変わりませんよ!」
「……失礼ながら、そうは見えませんでしたよ?ヘンリー様とご一緒になるのかと思っておりました。
確か、王太子様もアンナ様のこと……」
苦笑いすると、ジョージアが茶化してきた。
「トワイスの王太子だけでなく、ローズディアの公からも公妃に望まれていたんだよね!アンバーの
公爵夫人だって言っているのに……」
「そんなことが?」
ちょっと、エレーナさん……目が、輝いてますわよ!と声をかけようとしたが、自分で気づいたらしい。私としたことが……と少々残念そうに、すみませんと謝った。
「まぁ、これは、後で話そう。俺も実は公に聞いただけで、知らないことが多いんだよね!せっかく
だから、エレーナも聞きたいだろ?」
「えぇ、そういうお話、実はとても好きなので……」
「……あの、私への恋の話で盛り上がらないでくださいね?」
「それなら、私も参加してもよろしいですか?」
ニコライまで参加すると言い始めた。
「おっ?何か掴んでいるのか?」
「えぇ、たぶん、アンナリーゼ様も知らない話を1つ持っております!」
「アンナはかなり情報通だぞ?」
「それでも、私とその方しか知らない話ですから!」
それは、是非とも聞いておかないと!と盛り上がる話。
甘いお菓子とお茶の時間には、こういうお話がとても盛り上がる……できることなら、私の話ではなく、他の人のでお願いしたいところではあった。
たとえば、ジョージア様の最近の動きとか……まぁ、ほぼ私と一緒にいるので、他にうつつを抜かしている暇はないはずではあるのだけれどと、苦笑いしていると、始まったようだった。
「アンナ様は、どんなお菓子が好きですか?」
「私は……生クリームたっぷりのケーキが好きよ!ちなみに、アンジェラも」
ほぅっと母娘が並んで生クリームと呟きながら熱い吐息をはくと、そっくりですね!と笑われる。
エレーナの子どもたちが、アンジェラたちを見てくれているのだが、今はアンジェラは隣に座って同じように頬に手を当ててカヌルを口に運んでいる。
今はおやつの時間だ。遊びに夢中になっている双子とジョージを置いて、お菓子に夢中のアンジェラは口をモゴモゴと動かしていた。
「おいしーねぇ?」
「本当ですか?たくさんありますからね!」
「たくさんあっても、あんまりは……」
「わかっていますよ。お腹いっぱいになるほどは、ダメですよ?」
なんだかんだと、可愛い子どもには甘いエレーナのようで、美味しいと喜んで食べているアンジェラの姿をみて喜んでいた。
「エレーナは、屋敷でもお菓子を作ったりするの?」
「えぇ、子どもたちに食べさせるものは、つくらせてもらってますよ!」
「いいな……特技があって……」
「アンナ様は、アンナ様のできることがあるのですから!私には、お菓子しか作れませんから」
「うぅん、子どもたちに何かしてあげられるっていうのが、羨ましいよ!」
ニコリと微笑むとエレーナも微笑んでくれる。
「お母様、おやつ食べたいです!」
リアーナが来ると、マーフィーとジョージも集まってくる。
子どもたちに優しく微笑んで、お茶の用意をしてあげ、手を拭くものを渡す。
見守りながら、ときに教えながらここ数日エレーナと一緒にいて、優しいお母さん像を見せてもらった。うちは、強い母でしたからね……物心ついたときには、なんでも自分でしていた気がするから、エレーナのような優しい母というのは、目にも優しい。
「ただいま」
「ジョージア様、ニコライ。おかえりなさい!」
「休憩されますか?」
「あぁ」
「用意しますね?」
「エレーナ様、私が……」
では、お願いしますとジョージアとニコライのための準備をデリアがしてくれる。
デリアは、お茶の用意をするのでと、ネイトを私に渡す。ご機嫌ネイトを囲いながら、お菓子を食べ、優しい時間をすごした。
「サシャが認めただけあって……美味いな。アンナ、これ、店で出したら?美味しい!」
「ジョージア様も気に入りましたか?今度、キティにお願いしてみます!」
視察に出ていて疲れていた顔が、優しい甘さのカヌレを食べた瞬間、ホッとした顔になっている。
「あの、キティさんとは?」
「公都にあるハニーアンバー店は、喫茶をしているんだけどね?そこのお菓子職人だよ!」
「なるほど、一度食べてみたいものですわ!」
「何か、日持ちのするものがないか聞いてみて送るわ!そうそう、今、聞いてたと思うけど……
エレーナのお菓子、どれを食べてもおいしいの!もしよかったら……」
「作り方ですね!いいですよ!」
何をお願いしたいかわかったようで、実はと既に作ってくれていたようだ。
絵までついた丁寧な作り方が書かれているメモをもらうと、早速開く。
「どれもこれも、美味しそうなんだけど……あっ!これって……ジョージア様が屋敷に初めて来た
ときに作ってくれたお菓子ね!」
「えっ?あのお菓子は、エレーナの手作り?」
「エリザベスとエレーナの手作りですよ!私が我儘を言って作ってくれるようお願いしたの!とっても
ほろほろとして、クリームもしっかり入って……」
「確かに、美味しかった!」
「懐かしいですね!これを食べながら、お話しましたよね。ふふっ」
懐かしい想い出だった。17歳のとき、ジョージアの卒業式の相手として選んでもらったときのことだ。
美味しいお菓子を食べながら、ジョージアとの時間は至福のときであった。
「私、そのときのお二人のことは知らなかったんですけど……エリザベスに聞いて、とても驚きました
わ!アンナ様が選んだ方が……」
「まさか俺だっただなんて……って感じ?」
「……いえ、その……」
「いいよ、わかってる。アンナの隣に相応しいのは今も昔もヘンリー殿だろう。俺にはわからないけど、
知らないうちに援助してくれているんじゃないか?」
「そんなことないですよ!私の隣はジョージア様のものですから!今も昔も変わりませんよ!」
「……失礼ながら、そうは見えませんでしたよ?ヘンリー様とご一緒になるのかと思っておりました。
確か、王太子様もアンナ様のこと……」
苦笑いすると、ジョージアが茶化してきた。
「トワイスの王太子だけでなく、ローズディアの公からも公妃に望まれていたんだよね!アンバーの
公爵夫人だって言っているのに……」
「そんなことが?」
ちょっと、エレーナさん……目が、輝いてますわよ!と声をかけようとしたが、自分で気づいたらしい。私としたことが……と少々残念そうに、すみませんと謝った。
「まぁ、これは、後で話そう。俺も実は公に聞いただけで、知らないことが多いんだよね!せっかく
だから、エレーナも聞きたいだろ?」
「えぇ、そういうお話、実はとても好きなので……」
「……あの、私への恋の話で盛り上がらないでくださいね?」
「それなら、私も参加してもよろしいですか?」
ニコライまで参加すると言い始めた。
「おっ?何か掴んでいるのか?」
「えぇ、たぶん、アンナリーゼ様も知らない話を1つ持っております!」
「アンナはかなり情報通だぞ?」
「それでも、私とその方しか知らない話ですから!」
それは、是非とも聞いておかないと!と盛り上がる話。
甘いお菓子とお茶の時間には、こういうお話がとても盛り上がる……できることなら、私の話ではなく、他の人のでお願いしたいところではあった。
たとえば、ジョージア様の最近の動きとか……まぁ、ほぼ私と一緒にいるので、他にうつつを抜かしている暇はないはずではあるのだけれどと、苦笑いしていると、始まったようだった。
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