582 / 1,480
だいたい揃ったので、私は旅に出ます!
しおりを挟む
カレンからの予定表を半分くらい過ぎた頃。
今回の命を狙われるかも!の全容が見えてきたので、私はみなを集めることにした。
「集まってくれて、ありがとう。やっと半分くらいの予定をこなせたわね!」
「あぁ、やっとな……まだ、あと半分あるのかと思うとげんなりしそうだ」
ウィルは、毎晩の夜会続きに疲れている。アンバー領で少々好き勝手していたから、貴族らしい付き合いをするのが疲れるらしい。
でも、爵位持ちなんだから、ウィルも夜会に出ない選択をするのは難しいだろう。
独身の貴族は、夜会に出ないだけで、噂になったりする。
ウィルは別に気にしないだろうけど、サーラー子爵たちが許してくれないらしいので、カレンの予定より多くの夜会を回ってくれていた。
「ウィルは、どれくらい回ってくれているの?」
「ここ1ヶ月で40くらい?訳あって、はしごしてるのもあるから……」
「40だって?それ、回りすぎじゃない?ウィル、体壊すなよ?」
「あんがとさん、セバス。心配してくれるのは、レオとミアとセバスくらいだよ。あとの、特に姫さん
とかさ?カレン様とかさ?ナタリーなんて、ここもどうかしら?とか、追加を言うんだぜ?」
ウィルは、大きくため息をついて、おかしいだろ!と怒った。
私は苦笑いをして、ウィルを宥める。
「ウィルに朗報よ!」
「……何?これ以上増やせって言っても、もう、無理だからね?体が足りない」
「大丈夫。減らすわ!」
「アンナリーゼ様、減らすって……いいのですか?」
「えぇ、なんとか大物のしっぽを掴めたから、いいかなって」
「元々、目星はついていたのですものね?」
えぇと微笑むとやれやれとソファに沈むウィル。
「お疲れ様!お兄様が動いてくれたのも大きいわ!」
「ソルトさんですね!どこの会場にもいるので、驚きましたよ?どれくらい回ったのですか?」
ナタリーが、みんなから少し離れた場所に座っている兄に質問すると、うーんと唸っている。
「そうだな、エールと一緒に回ったのと一人で回ったの。あとは大小合わせてお茶会と夜会で……
89かな?」
「89?えっ?俺より行ってるんだけど……」
くたっとするウィルに、兄がソルトの微笑みをすると、もうその笑顔いいですと項垂れた。
始まりの夜会の日に黒の貴族にエスコートされ、彗星の綺羅星のようにあらわれたソルトという女性は、瞬く間のうちに社交界で引っ張りだことなったのだ。
ダンスもさることながら、豊富な知識量と磨き上げられた話術に男女問わず、老い若い関係なく魅了したようで私以上の招待状をもらっていた。
いつ寝ているのかわからないくらい、あちこちに行っていたのだが、さすがにドレスが足りない!
!って嘆いてきたときは、箪笥の肥やしになっていた私のドレスを引っ張りだしてきた。
「それで、掴めたんだよね?」
「えぇ、掴めた。ただね……」
「手を出しにくい相手って?」
曖昧に笑うとなんとなく誰が相手なのかわかったらしい。
そうそう、みんなが思うその人物が後ろにいるわよ!という顔をしておく。
ローズディアの二翼と言われる筆頭公爵家アンバーと、第二位の公爵家ゴールド。公国がなったときから犬猿の仲であった。
領公爵家は、何代おきかに公妃となる娘を排出している貴族でもある。アンバー公爵家がのほほんとした貴族なら、ゴールド公爵家は傲慢でずる賢い貴族であった。
当代の公妃その人の生家である。だから、みなが残念な顔をしている。
ゴールド公爵家は、血筋も申し分ない。
ハニーローズと呼ばれた原初の女王の末裔であるローズディアの公室の始まりには、三人の兄妹がいた。
腹違いの男兄弟と内乱を起こし、自国を得た兄。その兄から絶大な信頼と愛情を注がれていた妹のハニーローズ。この二人の話は、空想の物語になるほど有名な話になっていたりする。
そのお話には決して出てこない、もう一人の妹姫が現実の世界にはいた。
兄からは信頼されず、ハニーローズを妬み、狡猾な妹姫。
ハニーローズの降嫁先として作られたアンバー公爵家と嫌われていた妹が自ら選んだ降嫁先がゴールド侯爵家である。
ゴールド侯爵家は、妹姫の降嫁先になったときに公爵と格上げされた。
「あぁ、それなら、手を出しにくいわな……」
「アンナ……」
「わかっていますわ、ジョージア様。私たちから何かをすることはできません。これからは防衛戦ばかり
となるでしょう」
「でもさ、下級貴族なら、削り取っていくことは出来るんじゃない?」
「えぇ、それはもちろん。お金とうま味だけで動いている者たちも多いのよね。うちと違って、権力も
お金も潤沢ある公爵家ですからね……それに比べて……」
「……すまない。そんなところでも、足をひぱっているのか」
「ふふっ、足を引っ張るなんて思っていませんよ。今回、みなに調べてもらったり、情報収集して
もらったおかげで、掴めていることも多いですから!」
「それでも!」
苦しそうにしているジョージアが何か言おうとしたので、人差し指でジョージアの唇を抑えて黙らせる。
ニコリと笑いかけ、みなを見た。
「私たちは、まだ、小さな一歩を歩み始めたばかりの赤ちゃんみたいなもの。アンジェラの成長を
みなが感じてくれているように、アンバー領も着実に成長をしています。ここに集まったみんなの
おかげだし、領地で手助けしてくれている領民のおかげ。これから、小さな歩みを着実にして、
元の位置までアンバー公爵家を押し上げましょう。せっかく、ハニーローズも生まれたことです
から、ゴールド公爵家に対して逆転かけましょう!中立の貴族や力がない貴族たちを少しずつ味方に
つけていく……いつか、としか今は言えないけど……確実に来るであろう未来に備えて今一度、
みなの力を貸してちょうだい」
当たり前だと返ってくる言葉は、私の心を何度救ってくれるのだろう。心が折れそうになったときは一度や二度ではなかった。兄に家族に友人たちに、私は救われてきた。
「ジョージア様。私は、恵まれていますね?」
ジョージアに微笑みかけると、指で目尻に溜まった涙をすくってくれる。
「アンナだけじゃなく、俺もアンジーやジョージ、ネイトもだ。アンナを支えてきてくれて本当に
ありがとう」
「ジョージア様さ、姫さんを一人で支えるとか無理だから!突拍子もないことをするし、すぐどっか
飛んでくし。みんなで見張ってないといけないから!」
ウィルがジョージアにニッと笑いかけると、あぁそうだ!と私が言葉を続ける。
「飛んでいくというとあれなんですけど……だいたい揃ったので、私は旅に出ます!そろそろエレーナ
との約束の時期ですから!」
「姫さん!ここ、感動のところだからさ……」
空気の読まない私に、ため息をみながつく。
「アンナらしいよね……」
ジョージアと兄がわかっていたよと的に言うと、情報収集組と私とエレーナに会いに行く組みと別れた。
子どもたちも一緒に連れて行くことをいうと、静かに黙っていたデリアが、私が必ずついて行きますから!と宣言し、報告会の終了となった。
今回の命を狙われるかも!の全容が見えてきたので、私はみなを集めることにした。
「集まってくれて、ありがとう。やっと半分くらいの予定をこなせたわね!」
「あぁ、やっとな……まだ、あと半分あるのかと思うとげんなりしそうだ」
ウィルは、毎晩の夜会続きに疲れている。アンバー領で少々好き勝手していたから、貴族らしい付き合いをするのが疲れるらしい。
でも、爵位持ちなんだから、ウィルも夜会に出ない選択をするのは難しいだろう。
独身の貴族は、夜会に出ないだけで、噂になったりする。
ウィルは別に気にしないだろうけど、サーラー子爵たちが許してくれないらしいので、カレンの予定より多くの夜会を回ってくれていた。
「ウィルは、どれくらい回ってくれているの?」
「ここ1ヶ月で40くらい?訳あって、はしごしてるのもあるから……」
「40だって?それ、回りすぎじゃない?ウィル、体壊すなよ?」
「あんがとさん、セバス。心配してくれるのは、レオとミアとセバスくらいだよ。あとの、特に姫さん
とかさ?カレン様とかさ?ナタリーなんて、ここもどうかしら?とか、追加を言うんだぜ?」
ウィルは、大きくため息をついて、おかしいだろ!と怒った。
私は苦笑いをして、ウィルを宥める。
「ウィルに朗報よ!」
「……何?これ以上増やせって言っても、もう、無理だからね?体が足りない」
「大丈夫。減らすわ!」
「アンナリーゼ様、減らすって……いいのですか?」
「えぇ、なんとか大物のしっぽを掴めたから、いいかなって」
「元々、目星はついていたのですものね?」
えぇと微笑むとやれやれとソファに沈むウィル。
「お疲れ様!お兄様が動いてくれたのも大きいわ!」
「ソルトさんですね!どこの会場にもいるので、驚きましたよ?どれくらい回ったのですか?」
ナタリーが、みんなから少し離れた場所に座っている兄に質問すると、うーんと唸っている。
「そうだな、エールと一緒に回ったのと一人で回ったの。あとは大小合わせてお茶会と夜会で……
89かな?」
「89?えっ?俺より行ってるんだけど……」
くたっとするウィルに、兄がソルトの微笑みをすると、もうその笑顔いいですと項垂れた。
始まりの夜会の日に黒の貴族にエスコートされ、彗星の綺羅星のようにあらわれたソルトという女性は、瞬く間のうちに社交界で引っ張りだことなったのだ。
ダンスもさることながら、豊富な知識量と磨き上げられた話術に男女問わず、老い若い関係なく魅了したようで私以上の招待状をもらっていた。
いつ寝ているのかわからないくらい、あちこちに行っていたのだが、さすがにドレスが足りない!
!って嘆いてきたときは、箪笥の肥やしになっていた私のドレスを引っ張りだしてきた。
「それで、掴めたんだよね?」
「えぇ、掴めた。ただね……」
「手を出しにくい相手って?」
曖昧に笑うとなんとなく誰が相手なのかわかったらしい。
そうそう、みんなが思うその人物が後ろにいるわよ!という顔をしておく。
ローズディアの二翼と言われる筆頭公爵家アンバーと、第二位の公爵家ゴールド。公国がなったときから犬猿の仲であった。
領公爵家は、何代おきかに公妃となる娘を排出している貴族でもある。アンバー公爵家がのほほんとした貴族なら、ゴールド公爵家は傲慢でずる賢い貴族であった。
当代の公妃その人の生家である。だから、みなが残念な顔をしている。
ゴールド公爵家は、血筋も申し分ない。
ハニーローズと呼ばれた原初の女王の末裔であるローズディアの公室の始まりには、三人の兄妹がいた。
腹違いの男兄弟と内乱を起こし、自国を得た兄。その兄から絶大な信頼と愛情を注がれていた妹のハニーローズ。この二人の話は、空想の物語になるほど有名な話になっていたりする。
そのお話には決して出てこない、もう一人の妹姫が現実の世界にはいた。
兄からは信頼されず、ハニーローズを妬み、狡猾な妹姫。
ハニーローズの降嫁先として作られたアンバー公爵家と嫌われていた妹が自ら選んだ降嫁先がゴールド侯爵家である。
ゴールド侯爵家は、妹姫の降嫁先になったときに公爵と格上げされた。
「あぁ、それなら、手を出しにくいわな……」
「アンナ……」
「わかっていますわ、ジョージア様。私たちから何かをすることはできません。これからは防衛戦ばかり
となるでしょう」
「でもさ、下級貴族なら、削り取っていくことは出来るんじゃない?」
「えぇ、それはもちろん。お金とうま味だけで動いている者たちも多いのよね。うちと違って、権力も
お金も潤沢ある公爵家ですからね……それに比べて……」
「……すまない。そんなところでも、足をひぱっているのか」
「ふふっ、足を引っ張るなんて思っていませんよ。今回、みなに調べてもらったり、情報収集して
もらったおかげで、掴めていることも多いですから!」
「それでも!」
苦しそうにしているジョージアが何か言おうとしたので、人差し指でジョージアの唇を抑えて黙らせる。
ニコリと笑いかけ、みなを見た。
「私たちは、まだ、小さな一歩を歩み始めたばかりの赤ちゃんみたいなもの。アンジェラの成長を
みなが感じてくれているように、アンバー領も着実に成長をしています。ここに集まったみんなの
おかげだし、領地で手助けしてくれている領民のおかげ。これから、小さな歩みを着実にして、
元の位置までアンバー公爵家を押し上げましょう。せっかく、ハニーローズも生まれたことです
から、ゴールド公爵家に対して逆転かけましょう!中立の貴族や力がない貴族たちを少しずつ味方に
つけていく……いつか、としか今は言えないけど……確実に来るであろう未来に備えて今一度、
みなの力を貸してちょうだい」
当たり前だと返ってくる言葉は、私の心を何度救ってくれるのだろう。心が折れそうになったときは一度や二度ではなかった。兄に家族に友人たちに、私は救われてきた。
「ジョージア様。私は、恵まれていますね?」
ジョージアに微笑みかけると、指で目尻に溜まった涙をすくってくれる。
「アンナだけじゃなく、俺もアンジーやジョージ、ネイトもだ。アンナを支えてきてくれて本当に
ありがとう」
「ジョージア様さ、姫さんを一人で支えるとか無理だから!突拍子もないことをするし、すぐどっか
飛んでくし。みんなで見張ってないといけないから!」
ウィルがジョージアにニッと笑いかけると、あぁそうだ!と私が言葉を続ける。
「飛んでいくというとあれなんですけど……だいたい揃ったので、私は旅に出ます!そろそろエレーナ
との約束の時期ですから!」
「姫さん!ここ、感動のところだからさ……」
空気の読まない私に、ため息をみながつく。
「アンナらしいよね……」
ジョージアと兄がわかっていたよと的に言うと、情報収集組と私とエレーナに会いに行く組みと別れた。
子どもたちも一緒に連れて行くことをいうと、静かに黙っていたデリアが、私が必ずついて行きますから!と宣言し、報告会の終了となった。
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。
【完結】いせてつ 〜TS転生令嬢レティシアの異世界鉄道開拓記〜
O.T.I
ファンタジー
レティシア=モーリスは転生者である。
しかし、前世の鉄道オタク(乗り鉄)の記憶を持っているのに、この世界には鉄道が無いと絶望していた。
…無いんだったら私が作る!
そう決意する彼女は如何にして異世界に鉄道を普及させるのか、その半生を綴る。
【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
踏み台令嬢はへこたれない
三屋城衣智子
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
フェンリル娘と異世界無双!!~ダメ神の誤算で生まれたデミゴッド~
華音 楓
ファンタジー
主人公、間宮陸人(42歳)は、世界に絶望していた。
そこそこ順風満帆な人生を送っていたが、あるミスが原因で仕事に追い込まれ、そのミスが連鎖反応を引き起こし、最終的にはビルの屋上に立つことになった。
そして一歩を踏み出して身を投げる。
しかし、陸人に訪れたのは死ではなかった。
眩しい光が目の前に現れ、周囲には白い神殿のような建物があり、他にも多くの人々が突如としてその場に現れる。
しばらくすると、神を名乗る人物が現れ、彼に言い渡したのは、異世界への転移。
陸人はこれから始まる異世界ライフに不安を抱えつつも、ある意味での人生の再スタートと捉え、新たな一歩を踏み出す決意を固めた……はずだった……
この物語は、間宮陸人が幸か不幸か、異世界での新たな人生を満喫する物語である……はずです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる