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気になる話をお答えしましょう!
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「レオとミアのことですか?」
「……その、答えてもらえるのでしょうか?」
「子どもの前で話すことではありませんよ、あなた」
夫人は、この一言で、本当に二人を大事にしてくれていることがわかる。ウィルに託した手前、もしかしたら受入れられないかもしれないと思ってはいたが、ウィルの家族としてくれていることが嬉しい。
ウィル自体、両親とも兄弟ともうまくいっていないとは言っていたので、目の前で話される夫妻の言葉にホッとした。
「いいえ、二人が自分たちで選んだことです。気になる話をお答えしましょう!レオもミアも知って
いますし、ウィルも知っていますから大丈夫ですよ」
「では、伺っても……いいのでしょうか?」
「えぇ、構わないです。レオとミアは、ダドリー男爵と今は我が家の侍女になった子との子どもです」
「なっ!」
夫妻は息を飲んだ。初めて聞かされた事実に驚きは隠せないし、私の噂を知っているからこそ、どうして?という気持ちが入り混じっているだろう。
「驚かれるのも無理はないですね。この子たちの母親は、元々、男爵の第三夫人でしたが、今は、我が
家で侍女として働いていますよ。公都では、離れて暮らしていますが、領地では、子どもたちの世話も
ちゃんとやいてます。子爵たちが目に入れても痛くない程、可愛がっているのは、見ていればわかり
ますが、この子たちの母親も同じく子どもたちを生かすためだけに、男爵と離れる決意をしたとても
勇気ある決断をしくだした女性ですよ。
そして、この子たちの引き取りをしたいと強く私が願ったのです。ただ、男爵を断罪する立場から私が
引き取るわけにいかず、ウィルにお願いしたのです。断られながらも、最後には二人の将来ごと引き
取ってくれたのです。今では、二人共、ウィルにとても懐いているようで、私としては嬉しい限りです!」
レオの頭を優しく撫でると、アンナ様とニッコリ笑いかけてくれた。
「レオもアンナリーゼ様にとても懐いているのですね?」
「そうですかね……?私は、レオとミアには酷なことをしたと思っています。まだ、小さいレオに生き
るか死ぬかの判断をさせてしまったのです。結果的に、ウィルが二人に愛情をかけてくれているから、
本当によかったと思っています。これも子爵と夫人が、ウィルに同じように愛情をかけてくださって
いたということだと思っていますわ。
ウィルからもご両親にレオやミアを大切にしてくれていること、聞いています。無理なお願いにも
関わらず、引き取ってくれたこと、可愛がってくれていること、感謝します」
いえ、こちらこそ……可愛い孫ができたと思うとついついと頬を緩ませる子爵に私まで頬を緩ませる。ウィルに聞いていたが、相当可愛がっているようだ。特にミアを。
サーラー子爵家は子どももそうだが、孫も男の子ばかりだそうだ。その中で、ミアという存在は、目に入れても痛くない程だということが見ていてもわかる。
いい巡り合わせだったのかもしれないわね……私は心の中で呟き、優しく子どもたちを見守る祖父母を見つめていた。
「姫さん!」
扉が開いたかと思うと、そこにはウィルがなだれこんでくる。一声聞いたところで、目ざとく動くのは、アンジェラとミア。
「ウィル!」
「父様!」
いきなり二人が駆けだしたことに、子爵たちは戸惑いを隠せない。私たちにとって日常であっても、その光景に戸惑って正解だろう。特に公爵の娘であるアンジェラが、ウィルに飛びついている。
「ウィル、迎えに来てくれたの?」
「あ……えっと、エマから手紙をもらったから、両親が何かしてないかと思って……」
「ふふ、大丈夫よ!私、ウィルのご両親に会えてよかったわ!」
「そう、なら……いいけど。それより、夕食の件だけど……」
「あぁ、そうだ。まだ、お誘いしていなかったの!」
ウィルたちには連絡していたが、当の子爵には、まだ言えていなかった。何でしょうか?と身構えている子爵に、笑いかける。
「いきなりで、大変申し訳ないのですけど、是非、今晩の夕食に招待したく……受けていただけますか?」
「おやじ様、姫さんの……アンナリーゼ様の申出は断らない方がいい。断ってもあれよあれよという間に
晩餐の席に座らされていると思うから、素直に従っておく方が無難。あと、アンバーで一緒に働いて
いる友人も紹介したいからさ。来てくれ!」
「よろしいのですか?愚息が、こんな自分勝手に話を進めていますが……」
「かまいませんよ!私の右腕の言うことは、全幅の信頼を置いてますから!それに、ウィルの話を聞く
いい機会だと思います。とっても素敵な息子さんの話を友人からも是非、聞いてみてください!
とても、頼りになることを誇らしくなると思います」
よくいうぜとボソッというウィルの声が耳に聞こえてきたが、笑顔は絶やさず、ニコニコとしていた。アンジェラを盾にしているが、アンジェラはいつだってウィルの味方だから、私からしたら元々当てにしていない。
では、行きましょうか!と席を立つと、それに従ってくれる子爵たち。
子どもたちは、再会に喜んでいた。ウィルに抱かれてご満悦のアンジェラとおもしろくなさそうにウィルのズボンを握っているミアとそれをを見守っているレオ。
ジョージアとジョージはいつものようにこのやり取りを見ていた。
ここにナタリーやセバスが加わる。楽しい夕食になりそうだ。
私は、乳母車を押して馬車へと向かう。
ネイトは、まだ眠っているようで……寝坊助だなぁ……と抱き起こして、屋敷へと向かう馬車に乗り込むのであった。
「……その、答えてもらえるのでしょうか?」
「子どもの前で話すことではありませんよ、あなた」
夫人は、この一言で、本当に二人を大事にしてくれていることがわかる。ウィルに託した手前、もしかしたら受入れられないかもしれないと思ってはいたが、ウィルの家族としてくれていることが嬉しい。
ウィル自体、両親とも兄弟ともうまくいっていないとは言っていたので、目の前で話される夫妻の言葉にホッとした。
「いいえ、二人が自分たちで選んだことです。気になる話をお答えしましょう!レオもミアも知って
いますし、ウィルも知っていますから大丈夫ですよ」
「では、伺っても……いいのでしょうか?」
「えぇ、構わないです。レオとミアは、ダドリー男爵と今は我が家の侍女になった子との子どもです」
「なっ!」
夫妻は息を飲んだ。初めて聞かされた事実に驚きは隠せないし、私の噂を知っているからこそ、どうして?という気持ちが入り混じっているだろう。
「驚かれるのも無理はないですね。この子たちの母親は、元々、男爵の第三夫人でしたが、今は、我が
家で侍女として働いていますよ。公都では、離れて暮らしていますが、領地では、子どもたちの世話も
ちゃんとやいてます。子爵たちが目に入れても痛くない程、可愛がっているのは、見ていればわかり
ますが、この子たちの母親も同じく子どもたちを生かすためだけに、男爵と離れる決意をしたとても
勇気ある決断をしくだした女性ですよ。
そして、この子たちの引き取りをしたいと強く私が願ったのです。ただ、男爵を断罪する立場から私が
引き取るわけにいかず、ウィルにお願いしたのです。断られながらも、最後には二人の将来ごと引き
取ってくれたのです。今では、二人共、ウィルにとても懐いているようで、私としては嬉しい限りです!」
レオの頭を優しく撫でると、アンナ様とニッコリ笑いかけてくれた。
「レオもアンナリーゼ様にとても懐いているのですね?」
「そうですかね……?私は、レオとミアには酷なことをしたと思っています。まだ、小さいレオに生き
るか死ぬかの判断をさせてしまったのです。結果的に、ウィルが二人に愛情をかけてくれているから、
本当によかったと思っています。これも子爵と夫人が、ウィルに同じように愛情をかけてくださって
いたということだと思っていますわ。
ウィルからもご両親にレオやミアを大切にしてくれていること、聞いています。無理なお願いにも
関わらず、引き取ってくれたこと、可愛がってくれていること、感謝します」
いえ、こちらこそ……可愛い孫ができたと思うとついついと頬を緩ませる子爵に私まで頬を緩ませる。ウィルに聞いていたが、相当可愛がっているようだ。特にミアを。
サーラー子爵家は子どももそうだが、孫も男の子ばかりだそうだ。その中で、ミアという存在は、目に入れても痛くない程だということが見ていてもわかる。
いい巡り合わせだったのかもしれないわね……私は心の中で呟き、優しく子どもたちを見守る祖父母を見つめていた。
「姫さん!」
扉が開いたかと思うと、そこにはウィルがなだれこんでくる。一声聞いたところで、目ざとく動くのは、アンジェラとミア。
「ウィル!」
「父様!」
いきなり二人が駆けだしたことに、子爵たちは戸惑いを隠せない。私たちにとって日常であっても、その光景に戸惑って正解だろう。特に公爵の娘であるアンジェラが、ウィルに飛びついている。
「ウィル、迎えに来てくれたの?」
「あ……えっと、エマから手紙をもらったから、両親が何かしてないかと思って……」
「ふふ、大丈夫よ!私、ウィルのご両親に会えてよかったわ!」
「そう、なら……いいけど。それより、夕食の件だけど……」
「あぁ、そうだ。まだ、お誘いしていなかったの!」
ウィルたちには連絡していたが、当の子爵には、まだ言えていなかった。何でしょうか?と身構えている子爵に、笑いかける。
「いきなりで、大変申し訳ないのですけど、是非、今晩の夕食に招待したく……受けていただけますか?」
「おやじ様、姫さんの……アンナリーゼ様の申出は断らない方がいい。断ってもあれよあれよという間に
晩餐の席に座らされていると思うから、素直に従っておく方が無難。あと、アンバーで一緒に働いて
いる友人も紹介したいからさ。来てくれ!」
「よろしいのですか?愚息が、こんな自分勝手に話を進めていますが……」
「かまいませんよ!私の右腕の言うことは、全幅の信頼を置いてますから!それに、ウィルの話を聞く
いい機会だと思います。とっても素敵な息子さんの話を友人からも是非、聞いてみてください!
とても、頼りになることを誇らしくなると思います」
よくいうぜとボソッというウィルの声が耳に聞こえてきたが、笑顔は絶やさず、ニコニコとしていた。アンジェラを盾にしているが、アンジェラはいつだってウィルの味方だから、私からしたら元々当てにしていない。
では、行きましょうか!と席を立つと、それに従ってくれる子爵たち。
子どもたちは、再会に喜んでいた。ウィルに抱かれてご満悦のアンジェラとおもしろくなさそうにウィルのズボンを握っているミアとそれをを見守っているレオ。
ジョージアとジョージはいつものようにこのやり取りを見ていた。
ここにナタリーやセバスが加わる。楽しい夕食になりそうだ。
私は、乳母車を押して馬車へと向かう。
ネイトは、まだ眠っているようで……寝坊助だなぁ……と抱き起こして、屋敷へと向かう馬車に乗り込むのであった。
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