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今から行くの?
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「ウィル、コーコナまでの荷物纏めてきてくれる?私も揃えるから」
「えっ?今から行くの?」
「そうだよ?じゃないと、謁見に間に合わないから!」
アンナ……と呟くジョージアや他の仲間が心配してくれているはわかっている。
わかってはいるけど、起こることがわかっているなら、手を打てるなら、助かる命があるなら精一杯、手を差し伸べたい。
ごめんねと呟くと、帰ったら休暇を取ることをみなに約束させられ、送り出してくれることになった。
本当に、気遣ってくれることが嬉しい。
まず、ここでの引継ぎもあるので、ウィルの荷物を纏めてもらうようお願いしたのだ。
私は、デリアを呼び、荷物を纏めてくれるようお願いした。
「まず、ニコライは1日家に帰りなさい。それからしか動いちゃダメよ!リリーは、この屋敷で休んで
ちょうだい。悪いんだけど、ニコライの護衛もかってくれると助かるんだけど……」
「アンナリーゼ様、僕は大丈夫ですから、リリーは屋敷で今後の身のフリを考えてもらいましょう。
コーコナで指揮を取る人間が必要ですから、うってつけだと思うんです」
「わかったわ!近衛をちゃんと顎で仕えるよう私がなんとかしましょう!じゃないと……統率が取れ
ないわね!専門的なことはリアノとアルカに任せて、その下請けで動いてくれる人が必要だから」
「アンナ様……俺なんかが……」
「はい、なんかは言わない!リリーは、今回ついて来てもらったのには理由があるの。アデルと一緒に、
頑張ってほしいのよ!近衛にも引けをとらないあなたは、アンバーの自慢ですもの!使えない近衛
たちに自慢したいわ!」
「姫さん、使えないは……言いすぎじゃないないな」
「ウィル様まで!」
「いや、実際、リリーはよく人を見てるし、気が利くし……近衛の使えないボンボンよりよっぽど
隊長格だと思うわ!」
「買い被りすぎです!」
「まぁ、なんでもいいじゃん。姫さんが認めているんだし、ケツ持ちしてくれるんだからさ?俺も
いるし、一回部隊を回してみるっていうのはどうだ?」
「ウィルの副官ってことで、アデルとリリーでいいでしょ!はい、決まり!」
そんなぁ……とリリーは項垂れる。だいたい、私が言いだしたら、意見がひっくり返ることはほぼないので、諦めた声を出す。
それを気の毒そうにリリーをみなが見ていたけど、それだけの実力は今までの領地改革で折り紙済み。
能力は、伸ばさないと勿体ないし、使わないなんてありえない。
私に会うまで燻っていた才能なのだから……しっかり、使わせてもらうことにした。
じゃあ、俺、準備しに屋敷へ行ってくるからとウィルは出ていく。セバスがその後を追って何事か言葉をかけにいった。
私はナタリーに声をかけると、打ち合わせは、とりあえず解散になった。
旅支度をしないといけない私も、ナタリーを連れ、客間へと行く。
「アンナリーゼ様、今回の……」
「同行は許しません。それより、私は、ナタリーのセンスを全面的に発揮してほしいの。フレイゼン
からきた教授たちの中に、毛糸編みとかレース編みとかが上手い子がいたの。話をしてみて、新しい
ものを作ってほしいわ!出来れば、秋冬に向かってになると思うのだけど……」
「そんな人が、来ているのですか?」
「えぇ、拠点をアンバーではなく、コーコナにしようと思って連れてきたの。ちょっと、人見知り
だから……まずは、おしゃべりから始めて欲しいのだけど……」
「わかりましたわ!私も、貴族令嬢のはしくれですもの。少々でもとてもでも、引っ込み思案のこと
の付き合いはたくさんありますもの!毛糸やレース編みが得意なら……きっと仲良くなれますわ!」
私は自信満々のナタリーにクスっと笑うと、なんですの?とちょっとだけ頬を膨らませるナタリー。
私は、ナタリーが面倒見もいいことを知っているので任せられる。二人共すごい才能があるのだから、今年の秋冬がどんなふうになるのか、今から楽しみであった。
「入るわね!」
「はい、どうぞ!」
無遠慮に客間へと入っていく。
そこにはクーヘンがひっそり佇んでいた。
「アンナリーゼ様……」
「クーヘン、長旅お疲れ様。フレイゼンからアンバーに来てもらって、さらに移動で公都だったから、
疲れたでしょ?ゆっくり休んでちょうだいね!」
「ありがとうございます。そうさせていただきます。あの、それで、そちらの方は……?」
「紹介したいって言ってた子よ!ハニーアンバー店のドレスの殆どのデザインをしているわ。ナタリー」
「はい、アンナリーゼ様。初めまして、ナタリー・カラマスです!以後、お見知りおきを!」
差し出されたナタリーの手を恐々と握るクーヘン。
ナタリーは、クーヘンの自己紹介をじっと我慢強く待っている。
「クーヘンと申します。フレイゼンより、アンナリーゼ様の召喚により参りました。毛糸編みを得意と
しています。他にもレース編みなどを……」
「アンナリーゼ様から聞いたわ!見せていただけるかしら?私もレース編みなら得意なの。他にも
アンバーにもコーコナにもおもしろい職人がいるから、一緒に回りましょ!」
社交的なナタリーは、するっとクーヘンの内側に入ったようだ。
私はそれだけを確認して、着替えに私室へ戻る。
「……アンナ」
「ジョージア様、どうかされましたか?」
「その……動きすぎじゃないか?」
「そうかもしれませんね。帰ってきたら休暇を取ると約束しましたから……それまでは」
「今できることは、今したいか……アンナのその体にはどれほどの力があるんだろうな?使い切る
前に、俺のところへ戻っておいで」
「もちろんです!」
私はジョージアに抱きつくとほわほわとする。なかなか会えなかったり、すれ違ったり、忙しかったりと二人の時間を取る暇がなかった。
「ジョージア様」
「ん?」
「帰ってきたら、デートに行きましょう!」
「生クリームたっぷりのケーキでも食べに?」
ふふっと笑うと、約束だと頭を撫でてくれる。
もう、そろそろいいですか?とデリアが呆れながら部屋に入ってきた。
出発のために着替えや準備を整えてくれたようであった。
「えっ?今から行くの?」
「そうだよ?じゃないと、謁見に間に合わないから!」
アンナ……と呟くジョージアや他の仲間が心配してくれているはわかっている。
わかってはいるけど、起こることがわかっているなら、手を打てるなら、助かる命があるなら精一杯、手を差し伸べたい。
ごめんねと呟くと、帰ったら休暇を取ることをみなに約束させられ、送り出してくれることになった。
本当に、気遣ってくれることが嬉しい。
まず、ここでの引継ぎもあるので、ウィルの荷物を纏めてもらうようお願いしたのだ。
私は、デリアを呼び、荷物を纏めてくれるようお願いした。
「まず、ニコライは1日家に帰りなさい。それからしか動いちゃダメよ!リリーは、この屋敷で休んで
ちょうだい。悪いんだけど、ニコライの護衛もかってくれると助かるんだけど……」
「アンナリーゼ様、僕は大丈夫ですから、リリーは屋敷で今後の身のフリを考えてもらいましょう。
コーコナで指揮を取る人間が必要ですから、うってつけだと思うんです」
「わかったわ!近衛をちゃんと顎で仕えるよう私がなんとかしましょう!じゃないと……統率が取れ
ないわね!専門的なことはリアノとアルカに任せて、その下請けで動いてくれる人が必要だから」
「アンナ様……俺なんかが……」
「はい、なんかは言わない!リリーは、今回ついて来てもらったのには理由があるの。アデルと一緒に、
頑張ってほしいのよ!近衛にも引けをとらないあなたは、アンバーの自慢ですもの!使えない近衛
たちに自慢したいわ!」
「姫さん、使えないは……言いすぎじゃないないな」
「ウィル様まで!」
「いや、実際、リリーはよく人を見てるし、気が利くし……近衛の使えないボンボンよりよっぽど
隊長格だと思うわ!」
「買い被りすぎです!」
「まぁ、なんでもいいじゃん。姫さんが認めているんだし、ケツ持ちしてくれるんだからさ?俺も
いるし、一回部隊を回してみるっていうのはどうだ?」
「ウィルの副官ってことで、アデルとリリーでいいでしょ!はい、決まり!」
そんなぁ……とリリーは項垂れる。だいたい、私が言いだしたら、意見がひっくり返ることはほぼないので、諦めた声を出す。
それを気の毒そうにリリーをみなが見ていたけど、それだけの実力は今までの領地改革で折り紙済み。
能力は、伸ばさないと勿体ないし、使わないなんてありえない。
私に会うまで燻っていた才能なのだから……しっかり、使わせてもらうことにした。
じゃあ、俺、準備しに屋敷へ行ってくるからとウィルは出ていく。セバスがその後を追って何事か言葉をかけにいった。
私はナタリーに声をかけると、打ち合わせは、とりあえず解散になった。
旅支度をしないといけない私も、ナタリーを連れ、客間へと行く。
「アンナリーゼ様、今回の……」
「同行は許しません。それより、私は、ナタリーのセンスを全面的に発揮してほしいの。フレイゼン
からきた教授たちの中に、毛糸編みとかレース編みとかが上手い子がいたの。話をしてみて、新しい
ものを作ってほしいわ!出来れば、秋冬に向かってになると思うのだけど……」
「そんな人が、来ているのですか?」
「えぇ、拠点をアンバーではなく、コーコナにしようと思って連れてきたの。ちょっと、人見知り
だから……まずは、おしゃべりから始めて欲しいのだけど……」
「わかりましたわ!私も、貴族令嬢のはしくれですもの。少々でもとてもでも、引っ込み思案のこと
の付き合いはたくさんありますもの!毛糸やレース編みが得意なら……きっと仲良くなれますわ!」
私は自信満々のナタリーにクスっと笑うと、なんですの?とちょっとだけ頬を膨らませるナタリー。
私は、ナタリーが面倒見もいいことを知っているので任せられる。二人共すごい才能があるのだから、今年の秋冬がどんなふうになるのか、今から楽しみであった。
「入るわね!」
「はい、どうぞ!」
無遠慮に客間へと入っていく。
そこにはクーヘンがひっそり佇んでいた。
「アンナリーゼ様……」
「クーヘン、長旅お疲れ様。フレイゼンからアンバーに来てもらって、さらに移動で公都だったから、
疲れたでしょ?ゆっくり休んでちょうだいね!」
「ありがとうございます。そうさせていただきます。あの、それで、そちらの方は……?」
「紹介したいって言ってた子よ!ハニーアンバー店のドレスの殆どのデザインをしているわ。ナタリー」
「はい、アンナリーゼ様。初めまして、ナタリー・カラマスです!以後、お見知りおきを!」
差し出されたナタリーの手を恐々と握るクーヘン。
ナタリーは、クーヘンの自己紹介をじっと我慢強く待っている。
「クーヘンと申します。フレイゼンより、アンナリーゼ様の召喚により参りました。毛糸編みを得意と
しています。他にもレース編みなどを……」
「アンナリーゼ様から聞いたわ!見せていただけるかしら?私もレース編みなら得意なの。他にも
アンバーにもコーコナにもおもしろい職人がいるから、一緒に回りましょ!」
社交的なナタリーは、するっとクーヘンの内側に入ったようだ。
私はそれだけを確認して、着替えに私室へ戻る。
「……アンナ」
「ジョージア様、どうかされましたか?」
「その……動きすぎじゃないか?」
「そうかもしれませんね。帰ってきたら休暇を取ると約束しましたから……それまでは」
「今できることは、今したいか……アンナのその体にはどれほどの力があるんだろうな?使い切る
前に、俺のところへ戻っておいで」
「もちろんです!」
私はジョージアに抱きつくとほわほわとする。なかなか会えなかったり、すれ違ったり、忙しかったりと二人の時間を取る暇がなかった。
「ジョージア様」
「ん?」
「帰ってきたら、デートに行きましょう!」
「生クリームたっぷりのケーキでも食べに?」
ふふっと笑うと、約束だと頭を撫でてくれる。
もう、そろそろいいですか?とデリアが呆れながら部屋に入ってきた。
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