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明日はどこへいくのです?
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ただいまと屋敷に帰るとウィルが迎えに来てくれた。
理由は、馬車で眠るお姫様たちのことを予想してくれていたようだ。
「姫さん、お帰り。ミアは寝ちゃったか」
レオがおんぶをしているが、ミアは遊び疲れてすやすやと眠っている。
うちのお姫様も眠ってしまっているが、私は土埃で汚れているので、リアンが抱いてくれている。
デリアは、どうしているかというとこちらも土埃で黒いお仕着せが真っ白だ。
「レオ、ミアは俺が抱いていくよ」
「お願いします、父様」
レオの背中に背負われていたミアをひょいっと抱き上げるとレオを引き連れ自室へ戻っていく。
階段を登り始める頃、振り返り、ウィルは明日の話をするから執務室で待っていてと言葉を残していく。
「アンナ様は、まず着替えましょう。私も着替えないといけないので、少々お待ちください」
「わかったわ!部屋に戻っているから!」
「いえ、お風呂場に向かってください!汚いのですから、洗います!」
まさかの洗濯を言われ、私は渋々風呂場へと向かう。
脱ぎ着は自分でもできるので、脱衣所で作業着を脱ぎ始める。
「今日は、結構、体動かしたよね……普段使わない筋肉使ったから、筋肉痛になってしまいそうね……」
「そんな時こそ、スペシャルマッサージがあるのだと思いますよ!」
「デリア!」
「ご一緒しても?」
「えぇ、いいわよ!あなたも真っ白だったものね……何し……聞かないでおくわ!」
「そうですか?まぁ、いいです。たいした要件ではないので……」
デリアに体中を洗ってもらいお湯に使ったあと、マッサージをしてもらってツルピカにしてもらってから執務室に向かうと、待ちくたびれたとウィルがぶつくさイチアに言っているところだった。
「ごめんね、支度遅くなって……」
「ツルピカじゃん……!」
「うん、デリアにお風呂へ行けと言われたもんで、逆らえなくて……」
「確かに……今、リアンがミアを風呂に連れてってるわ!」
「ミアも相当遊んでたからね!あまり、外に行くことないから、楽しかったみたいよ?」
「もう少し、大きくなったらって思ってんだけどね……再来年くらになったらポニーに乗れるように
なるだろうし、そうしたら連れて行こうかなと」
「そのころには、アンジェラもポニーに乗れるかしらね?」
「嬢ちゃんも乗せるの?」
「当たり前!馬は乗れないと……」
「令嬢は馬車で移動だと思うんだよね……ミアもそう行ったんだけど、絶対乗る!って聞かないん
だよね……」
「いいじゃない、旦那さんになる人と遠乗りとか出来るようになったら楽しいと思うよ!」
「俺、ミアを嫁に出すとか、無理……」
「レオは?」
「レオは……手放したくないな……」
「もう、二人とも本当の親子以上の存在ね!」
私は笑いかけると、あぁと嬉しそうにしている。ウィルは二人を養子にしてから、本当に大切にしていることがわかる。
「ところで、明日も出かけるんでしょ?」
「えぇ、そのつもり!」
「明日はどこへいくのです?」
「明日は、石切りの町へ行ってから、砂糖の話を聞きに言ってこようかなって思ってる」
「じゃあ、明日は、俺がついて行くよ!」
わかったと返事をすると、イチアも行くと言い出した。
砂糖関係は、ノクトが連れてきてくれた農家や職人なのだ。だから、イチアが一緒に行ってくれるほうがいい。
「砂糖は、今年から本格的に作ることになってますから、足りないものがないのか確認をしたいんです
けど、いいですか?」
「もちろん!私から逆にお願いするわ!」
明日は三人で出かけることになった。この三人は珍しい組み合わせであるなと思うとなんだか、それだけでおもしろく感じてしまう。
「石切りの町ってさ、街道工事を始めてるんだろ?」
「うん、先に治水工事をしていると思うから、石灰作りとかを進めてくれているかな?」
あぁ、あの……というウィルは、きっと筋肉逞しいワンピースを着た男性を思い浮かべているだろう。
リアノとピュールがどんな関係になっているのかも気になっていた。
「そういや、教授たちも行ってるんだろ?どんな具合になっているんだろうか?」
「同でしょうね?対等に話すとそうでもありませんが、こと研究のこととなると……みなさん熱が籠り
ますからね……揉めていないといいですけど」
「確かにそうね……職人気質のピュールに土木建築のリアノに水質研究のアルカか……どんな化学反応が
起こっているか、想像が付かないよね……」
なんだか、濃い面子を考えるとため息を付きたくなったが、いい方向に話が流れていっている場合もある。
リアノのは臨機応変に対応してくれそうだけど……ピュールとアルカが衝突していないか少し不安でもあった。
「まずは、治水工事を先にするんだっけ?」
「そう、そうして、地面に水たまりが出来ないようにするのよ!」
「なるほどね。で、その水をためる池の話もあったじゃん?あれ、どうなってるの?」
「同時進行で話をしてくれていたと思うんだけど……明日行って確かめるわ!見てみないと、どうなって
いるかわからないもの」
私の考えていることは二人とも考えているようで、ため息をついていた。
予想が外れて、うまく行っていることを願うばかりである。
理由は、馬車で眠るお姫様たちのことを予想してくれていたようだ。
「姫さん、お帰り。ミアは寝ちゃったか」
レオがおんぶをしているが、ミアは遊び疲れてすやすやと眠っている。
うちのお姫様も眠ってしまっているが、私は土埃で汚れているので、リアンが抱いてくれている。
デリアは、どうしているかというとこちらも土埃で黒いお仕着せが真っ白だ。
「レオ、ミアは俺が抱いていくよ」
「お願いします、父様」
レオの背中に背負われていたミアをひょいっと抱き上げるとレオを引き連れ自室へ戻っていく。
階段を登り始める頃、振り返り、ウィルは明日の話をするから執務室で待っていてと言葉を残していく。
「アンナ様は、まず着替えましょう。私も着替えないといけないので、少々お待ちください」
「わかったわ!部屋に戻っているから!」
「いえ、お風呂場に向かってください!汚いのですから、洗います!」
まさかの洗濯を言われ、私は渋々風呂場へと向かう。
脱ぎ着は自分でもできるので、脱衣所で作業着を脱ぎ始める。
「今日は、結構、体動かしたよね……普段使わない筋肉使ったから、筋肉痛になってしまいそうね……」
「そんな時こそ、スペシャルマッサージがあるのだと思いますよ!」
「デリア!」
「ご一緒しても?」
「えぇ、いいわよ!あなたも真っ白だったものね……何し……聞かないでおくわ!」
「そうですか?まぁ、いいです。たいした要件ではないので……」
デリアに体中を洗ってもらいお湯に使ったあと、マッサージをしてもらってツルピカにしてもらってから執務室に向かうと、待ちくたびれたとウィルがぶつくさイチアに言っているところだった。
「ごめんね、支度遅くなって……」
「ツルピカじゃん……!」
「うん、デリアにお風呂へ行けと言われたもんで、逆らえなくて……」
「確かに……今、リアンがミアを風呂に連れてってるわ!」
「ミアも相当遊んでたからね!あまり、外に行くことないから、楽しかったみたいよ?」
「もう少し、大きくなったらって思ってんだけどね……再来年くらになったらポニーに乗れるように
なるだろうし、そうしたら連れて行こうかなと」
「そのころには、アンジェラもポニーに乗れるかしらね?」
「嬢ちゃんも乗せるの?」
「当たり前!馬は乗れないと……」
「令嬢は馬車で移動だと思うんだよね……ミアもそう行ったんだけど、絶対乗る!って聞かないん
だよね……」
「いいじゃない、旦那さんになる人と遠乗りとか出来るようになったら楽しいと思うよ!」
「俺、ミアを嫁に出すとか、無理……」
「レオは?」
「レオは……手放したくないな……」
「もう、二人とも本当の親子以上の存在ね!」
私は笑いかけると、あぁと嬉しそうにしている。ウィルは二人を養子にしてから、本当に大切にしていることがわかる。
「ところで、明日も出かけるんでしょ?」
「えぇ、そのつもり!」
「明日はどこへいくのです?」
「明日は、石切りの町へ行ってから、砂糖の話を聞きに言ってこようかなって思ってる」
「じゃあ、明日は、俺がついて行くよ!」
わかったと返事をすると、イチアも行くと言い出した。
砂糖関係は、ノクトが連れてきてくれた農家や職人なのだ。だから、イチアが一緒に行ってくれるほうがいい。
「砂糖は、今年から本格的に作ることになってますから、足りないものがないのか確認をしたいんです
けど、いいですか?」
「もちろん!私から逆にお願いするわ!」
明日は三人で出かけることになった。この三人は珍しい組み合わせであるなと思うとなんだか、それだけでおもしろく感じてしまう。
「石切りの町ってさ、街道工事を始めてるんだろ?」
「うん、先に治水工事をしていると思うから、石灰作りとかを進めてくれているかな?」
あぁ、あの……というウィルは、きっと筋肉逞しいワンピースを着た男性を思い浮かべているだろう。
リアノとピュールがどんな関係になっているのかも気になっていた。
「そういや、教授たちも行ってるんだろ?どんな具合になっているんだろうか?」
「同でしょうね?対等に話すとそうでもありませんが、こと研究のこととなると……みなさん熱が籠り
ますからね……揉めていないといいですけど」
「確かにそうね……職人気質のピュールに土木建築のリアノに水質研究のアルカか……どんな化学反応が
起こっているか、想像が付かないよね……」
なんだか、濃い面子を考えるとため息を付きたくなったが、いい方向に話が流れていっている場合もある。
リアノのは臨機応変に対応してくれそうだけど……ピュールとアルカが衝突していないか少し不安でもあった。
「まずは、治水工事を先にするんだっけ?」
「そう、そうして、地面に水たまりが出来ないようにするのよ!」
「なるほどね。で、その水をためる池の話もあったじゃん?あれ、どうなってるの?」
「同時進行で話をしてくれていたと思うんだけど……明日行って確かめるわ!見てみないと、どうなって
いるかわからないもの」
私の考えていることは二人とも考えているようで、ため息をついていた。
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