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10人の魔法使い13(13がないんだけど……)
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ポテンからの各地を回った話や工芸品の話を聞いて、おもしろく感じる。
私の知らないことが多くて、聞いていて自分の小ささを感じた。
「なんかさ……私って小さいよね。フレイゼンとかアンバーしか知らないのよね。基本的に……トワイス
の王都にいたし」
「あぁ、俺もそうかも。世界は狭いようで広いな……」
「だよね?私も一度、旅に出てみたいなぁ……ポテンの話聞いていると、他の領地へ行ってみたく
なる!」
「そうですか?それは、他領を紹介したかいがあります!」
「うん、だって……おもしろい話聞かせてもらうとさ……確認してみたくなるでしょ?」
「あぁ……姫さんの病気だね。まぁ、わからなくもないけどさ。俺も行きたくなったし!」
「ねぇ?ちょっと、計画してみようかな。ジョージア様に少しだけお願いして……」
私とウィルは二人でソワソワと他領へ出かける話を始めると、コホンと咳払いが聞こえてきた。チラッとその方をみると、イチアが訳あり顔でこちらを見ていた。
その顔を見れば、わかる。きっと、ノクトもそんな感じで、じゃあ、行ってくる!後、よろしく!というふうに、イチアを任せて出て行ったのだろう。
元主人と同じようなことをしようとしている私に、イチアはため息交じりである。
「ノクトもそんな感じだったりする?」
「えぇ、公爵の仕事を掘り出して、何処かに行ってしまいます」
耳の痛い話を聞かされ、少しだけ肩を落とすと、イチアから提案があった。
「アンナリーゼ様、この後しばらく公都に行かれますよね?」
「うん、そうね」
「その間に、少し足を伸ばしたらよろしいのではないですか?その期間だけなら、私たちだけで何と
でもなります。
ただ、それ以上だと、私たちも大変ですから、帰還の日は守ってくれるとありがたいですから……」
「わかったわ!絶対、帰ってくる!帰ってくるまでの間に領地との間なら時間を多めに取ればいい
ものね」
「そうだな、その手もあるな……どうせ、姫さんは馬で行くんだろ?」
「そのつもりよ?コーコナにも行かないといけないから、レナンテの移動も必須だからね」
「おっさんが、嬉々として跨ってそうだけど……」
「やだ、私のレナンテ……最近、ノクトの方ばかりなのよね……私には魅力を感じない、そんな感じ
なのかしらね!」
悩ましいとため息をつくと、そんなことがあるのですか?とポテンがいう。
馬は頭がいい。特にレナンテは、軍馬の中でもかなりいいと思うのだが、その話をするとポテンは驚いていた。
「それなら、公都から馬で行ける範囲でお薦めのところをまとめておきますから、そこを合間に行って
もらえば、少しの時間でも楽しめると思いますよ!」
「わぁ、助かるわ!私たちだけだと、全然見当もつかなさそうだもの!」
「アンナリーゼ様の目で見て、感じたことを教えてもらってもいいですか?一口に工芸品といっても、
見る人によって感じ方も違うのです。アンナリーゼ様の着眼点は、あのガラス瓶を考えても少しおも
しろい感性をお持ちのようですし!」
私をみて笑うポテンは、満足そうにしている。
たぶん、ポテンはきっとラズとも相性がいいだろう。考え方や服装は独特ではあるが、私がおもしろいと思ったものをことごとくおもしろいという感性を持っていた。
忖度してる感じでもないし、本当にこういうものが好きなのだろう。
何か、2つの領地で作るもののヒントになれば……そう思うのである。
「また、なんか考えてる?」
「私はいつも考えてるよ?」
「ない頭で?」
「失礼ね!ない頭でも、ひらめくものはあるのよ!」
「あの……アンナリーゼ様って……」
「私、なんでも適当にいうからね?こんなの作ってとかこんなのできない?とか。
それを形にしてくれるのが、あなたたち。今、わりといる人たちでどうにかしてたのよ。
そろそろ限界も感じてたところだったのよね。専門家が増えると、助かるわ!」
「アンナリーゼ様の人柄あってのことだと思いますけど、こういったものは、言ってすぐ出来るもの
ではありませんからね……人選もいいのだと思いますよ!」
「お褒めにいただき、ありがとう!大変だけど、よろしくね!」
わかりましたと微笑んでくれるポテンに力強く思う。今までにない知識なのだ。
活かせる場所はたくさんあるだろうと、私は頷いた。
コンコンっと扉がノックされたので、入出の許可を出した。
中に入ってきたのは、おに……お姉さんだった。男装をしているようである。
その後ろにももう一人いて、一緒に入ってくる。
「ようこそ、アンバー領へ!」
「初めまして、アンナリーゼ様。ヤイコと申します。後ろのは弟でソメコと申します」
「ヤイコとソメコね。そこにかけてくれる?」
はいと二人が席に座ると、なんだか落ち着かなさそうである。
「そんなに緊張しなくていいわよ?今日は、顔合わせだけだし、みんな揃ったら、この領地での過ごし
方とかの話をするつもりだから」
「はい、わかりました……あの……」
「何かしら?」
「……アンナリーゼ様って、公爵様なのでしょうか?」
「そうよ、このアンバー領と別のところにあるコーコナ領の領主をしているわ!」
「そうですか……」
「私からもいいかしら?」
「へぃ、なんなり……」
「こら、ソメコ。言葉遣い!」
「あぁ、そんなに気にしてないから……普通に話してちょうだい。私、領地を飛び回っているから、
普段はそこら辺の町娘と変わらないわよ!」
「普通の?」
「えぇ、普通の。ところで、あなたたち姉弟は何を研究しているの?」
「僕たちは、羊を研究しています」
「それは……食料として?」
「いいえ、毛を刈って毛糸にしたりと……」
「えっ?毛糸?本当に?でも、家畜を育てる場所ってあるんだっけ?」
イチアに聞くと、それほど広大ではないが羊を飼えそうな場所があるらしい。
なら、そこをそういった場所にするだけなのだが……住む予定の場所からは少し遠いということもわかった。
思わぬ羊の登場に私はちょっとした戸惑いもあるが、こうして来てくれた二人のおかげで、また新しいことが出来そうである。
クーヘンも喜ぶだろうし、ナタリーも何か考えを出してくれそうで、二人に話をして色々な話が聞けそうで楽しみであった。
私の知らないことが多くて、聞いていて自分の小ささを感じた。
「なんかさ……私って小さいよね。フレイゼンとかアンバーしか知らないのよね。基本的に……トワイス
の王都にいたし」
「あぁ、俺もそうかも。世界は狭いようで広いな……」
「だよね?私も一度、旅に出てみたいなぁ……ポテンの話聞いていると、他の領地へ行ってみたく
なる!」
「そうですか?それは、他領を紹介したかいがあります!」
「うん、だって……おもしろい話聞かせてもらうとさ……確認してみたくなるでしょ?」
「あぁ……姫さんの病気だね。まぁ、わからなくもないけどさ。俺も行きたくなったし!」
「ねぇ?ちょっと、計画してみようかな。ジョージア様に少しだけお願いして……」
私とウィルは二人でソワソワと他領へ出かける話を始めると、コホンと咳払いが聞こえてきた。チラッとその方をみると、イチアが訳あり顔でこちらを見ていた。
その顔を見れば、わかる。きっと、ノクトもそんな感じで、じゃあ、行ってくる!後、よろしく!というふうに、イチアを任せて出て行ったのだろう。
元主人と同じようなことをしようとしている私に、イチアはため息交じりである。
「ノクトもそんな感じだったりする?」
「えぇ、公爵の仕事を掘り出して、何処かに行ってしまいます」
耳の痛い話を聞かされ、少しだけ肩を落とすと、イチアから提案があった。
「アンナリーゼ様、この後しばらく公都に行かれますよね?」
「うん、そうね」
「その間に、少し足を伸ばしたらよろしいのではないですか?その期間だけなら、私たちだけで何と
でもなります。
ただ、それ以上だと、私たちも大変ですから、帰還の日は守ってくれるとありがたいですから……」
「わかったわ!絶対、帰ってくる!帰ってくるまでの間に領地との間なら時間を多めに取ればいい
ものね」
「そうだな、その手もあるな……どうせ、姫さんは馬で行くんだろ?」
「そのつもりよ?コーコナにも行かないといけないから、レナンテの移動も必須だからね」
「おっさんが、嬉々として跨ってそうだけど……」
「やだ、私のレナンテ……最近、ノクトの方ばかりなのよね……私には魅力を感じない、そんな感じ
なのかしらね!」
悩ましいとため息をつくと、そんなことがあるのですか?とポテンがいう。
馬は頭がいい。特にレナンテは、軍馬の中でもかなりいいと思うのだが、その話をするとポテンは驚いていた。
「それなら、公都から馬で行ける範囲でお薦めのところをまとめておきますから、そこを合間に行って
もらえば、少しの時間でも楽しめると思いますよ!」
「わぁ、助かるわ!私たちだけだと、全然見当もつかなさそうだもの!」
「アンナリーゼ様の目で見て、感じたことを教えてもらってもいいですか?一口に工芸品といっても、
見る人によって感じ方も違うのです。アンナリーゼ様の着眼点は、あのガラス瓶を考えても少しおも
しろい感性をお持ちのようですし!」
私をみて笑うポテンは、満足そうにしている。
たぶん、ポテンはきっとラズとも相性がいいだろう。考え方や服装は独特ではあるが、私がおもしろいと思ったものをことごとくおもしろいという感性を持っていた。
忖度してる感じでもないし、本当にこういうものが好きなのだろう。
何か、2つの領地で作るもののヒントになれば……そう思うのである。
「また、なんか考えてる?」
「私はいつも考えてるよ?」
「ない頭で?」
「失礼ね!ない頭でも、ひらめくものはあるのよ!」
「あの……アンナリーゼ様って……」
「私、なんでも適当にいうからね?こんなの作ってとかこんなのできない?とか。
それを形にしてくれるのが、あなたたち。今、わりといる人たちでどうにかしてたのよ。
そろそろ限界も感じてたところだったのよね。専門家が増えると、助かるわ!」
「アンナリーゼ様の人柄あってのことだと思いますけど、こういったものは、言ってすぐ出来るもの
ではありませんからね……人選もいいのだと思いますよ!」
「お褒めにいただき、ありがとう!大変だけど、よろしくね!」
わかりましたと微笑んでくれるポテンに力強く思う。今までにない知識なのだ。
活かせる場所はたくさんあるだろうと、私は頷いた。
コンコンっと扉がノックされたので、入出の許可を出した。
中に入ってきたのは、おに……お姉さんだった。男装をしているようである。
その後ろにももう一人いて、一緒に入ってくる。
「ようこそ、アンバー領へ!」
「初めまして、アンナリーゼ様。ヤイコと申します。後ろのは弟でソメコと申します」
「ヤイコとソメコね。そこにかけてくれる?」
はいと二人が席に座ると、なんだか落ち着かなさそうである。
「そんなに緊張しなくていいわよ?今日は、顔合わせだけだし、みんな揃ったら、この領地での過ごし
方とかの話をするつもりだから」
「はい、わかりました……あの……」
「何かしら?」
「……アンナリーゼ様って、公爵様なのでしょうか?」
「そうよ、このアンバー領と別のところにあるコーコナ領の領主をしているわ!」
「そうですか……」
「私からもいいかしら?」
「へぃ、なんなり……」
「こら、ソメコ。言葉遣い!」
「あぁ、そんなに気にしてないから……普通に話してちょうだい。私、領地を飛び回っているから、
普段はそこら辺の町娘と変わらないわよ!」
「普通の?」
「えぇ、普通の。ところで、あなたたち姉弟は何を研究しているの?」
「僕たちは、羊を研究しています」
「それは……食料として?」
「いいえ、毛を刈って毛糸にしたりと……」
「えっ?毛糸?本当に?でも、家畜を育てる場所ってあるんだっけ?」
イチアに聞くと、それほど広大ではないが羊を飼えそうな場所があるらしい。
なら、そこをそういった場所にするだけなのだが……住む予定の場所からは少し遠いということもわかった。
思わぬ羊の登場に私はちょっとした戸惑いもあるが、こうして来てくれた二人のおかげで、また新しいことが出来そうである。
クーヘンも喜ぶだろうし、ナタリーも何か考えを出してくれそうで、二人に話をして色々な話が聞けそうで楽しみであった。
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