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クルト
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赤ちゃんの泣き声で目が覚め起きた。
相当な時間を眠ってしまっていたのか、外は暗い。
椅子に座ったまま、眠ってしまったのだろうか?デリアもノロノロと体を起こしている。
「……デリア、大丈夫?昨日から、あまり寝てないのでしょ?」
「大丈夫です。それより……」
ベビーベッドの近くに椅子を置いて、ずっと見ていてくれたのだろう、私が起きるまで。
デリアは、ベビーベッドから抱き上げて、ネイトを私のところまで連れてきてくれた。
「ありがとう」
「お腹すいてるのかもしれませんね」
私はネイトに母乳をあげると、静かに吸い始める。
ただ、アンジェラのときと違い下手なようで、お互いが戸惑っていた。
「どうされたんですかね?」
「うーん、よくわからないとか?」
「アンジェラ様は、そんなことなかったですけど……」
「あの子はあの子、この子はこの子よ。比べるものではないでしょ?」
「そうですね。すみません」
あくびを噛み締めて我慢したデリアの腕を引っ張ってベッドのヘリに座らせる。
寝不足のデリアは素直に座った。
「ど……どうされたのです?」
「寝不足なのに立ってたら危ないかと思って。リアンに声をかけて、少し休みなさい。
この屋敷は、デリア、あなたが回しているのだから、倒れられたら困るわ!
それにそんなことがあったら、私がディルに怒られてしまう。
それに、もぅ、大丈夫だから、リアンを呼びにいってらっしゃい」
ベッドから立ち上がり、部屋から出て行くデリア。
その後ろ姿を見て、お疲れさまと声をかけた。
入れ替わりにリアンが入ってきてくれる。
「アンナリーゼ様、もうよろしいのですか?」
「えぇ、もう大丈夫よ!よく、眠ったようだし、あとは、この子の食事だけ終われば、落ち着いた時間に
なると思うの」
「旦那様もお呼びになりますか?目を覚ましたら、話がしたいって」
「えぇ、呼んでくれる?」
もういいのか、きょとんとこちらに焦点の合わない目をネイトは彷徨わせている。
背中をさすると、ゲホとしていた。
すぐにベッドへとも思ったが、気持ちよさそうにしているのかな?と見てとれたので、リアンが、帰ってくるまで抱きかかえていよう。
目をぱちくりとしていたので覗いてみる。
そういえば、瞳の色が不思議な、色をしていた。
私と同じアメジスト色の瞳の回りにほんのりジョージアのようなトロっとした蜂蜜色が囲んでいる。
不思議な瞳ねと、笑いかけても何の反応も無くすっとねむりについた。
「ゆっくり、おやすみなさい」
眠ってしまったので、ベッドから立ち上がってベビーベッドへと移す。
それがわかったのか、ご機嫌斜めに泣き始めた。
「あぁ、ごめんね……抱っこしててほしかったんだね……」
私は再度抱きかかえたところで、リアンとジョージアが部屋へと戻ってきた。
「アンナ、起きたかい?」
「えぇ、起きたわ!」
「今、どういう状況?」
廊下までぐずっていたのが聞こえていたのかあやしているのを見て、二人が何故かため息をついていた。
そんなに、似合わないのだろうか……?これでも、アンジェラを乳母の手を借りず、みんなの手を借りて、育てたんだけど……と思う。
すでに泣き止んですやすやと我関せずに眠ってしまったネイトをまた、そっとベビーベッドに戻すと、やっぱりぐずってしまった。
そのやり取りを見て、どういう状況下わかったようで、リアンが代わりに抱っこしてくれると申し出てくれる。
「ごめんね……デリアもそこの椅子を使っていたから、良かったら使ってちょうだい」
「ありがとうございます。しばらくお借りします」
そういって、リアンはネイトを抱き、座ると優しいお母さんに抱きかかえられて、ネイトが喜んでいるようで、少し悔しい気もする。
「ネイトは、リアンに任せて、少し話そうか」
「えぇ、ごめんなさい。それで、何かあるかしら?」
「まず、公都の話が必要だろう。まだ、出産したばかりで疲れているだろうけど、耳に入れておいた方が
いいこともあるかと思って」
「何か悪い知らせですか?」
「悪いというか……公妃のお茶会の話だ。公も俺も男だから、参加してなかったんだけど、相当、公妃が
アンナを悪く語っているという話だね」
「まぁ、女でありながら、公爵の位を得たこと、それも自身の実家より位が高いことが、気にくわない
のでしょう。それは、最初から、公とも考えていましたから、大丈夫です。あまり酷くなれば、手は
うちますよ!
何も領地に籠って遊んでいるわけではありません。もう少ししたら、ローズディアの交通網は全部私の
手中に入りますからね。
出しゃばってくるなら、それ相応の対応はしますよ!
もちろん、ご実家の公爵家とは、わりと友好的な関係を結ぼうとしているところですから、水に流す
こともできますし。それは、おバカな公妃が、私に対してどう対応するかによりますけどね」
「確か、公妃の実家は……南のだったな」
「そういうことです。ローズディアの経済は、もうすでに私の手中といっても過言では、ありません
から!」
ニッコリ笑うと、ジョージは引きつった顔を向けてくる。
別にたいしたことではない。
公爵になったことで、義務も責任も何もかもが増えた。その中には、貴族権限で何かしらの恩恵もあるのだ。
叩けば埃がでない貴族はいない。私も含めて。
そういうことだ。清廉潔白で、この貴族社会を生き抜くことは難しい。
何かしら後ろ暗いところを、みな持って生きているのだから、そこを抑えた者勝ちである。
「その顔は、何か掴んでいるようだね」
「掴んでいるかどうかは、言えませんけどね……それなりに、あるんですよ!貴族ってものには、仄暗い
部分が。ジョージア様には無縁でしょうけどね!
ジョージア様は、そのままのジョージア様でいてくださいね!」
「アンナが何を掴んでいるのかは、わからないけど、俺もいつまでもそういうわけには、いかない
だろう?アンナにばかり任せるわけにはいかないし……」
「任せておいてくれればいいですよ!私は、私のやり方で戦うだけですから、ジョージア様は、どうか
静観を。また、何かあったら教えてください!私のちゅんちゅんも優秀なのですけど、国内全域
となると、範囲が広すぎるので、ピンポイントで、情報提供の方がしてもらいやすいですからね!」
笑いかければ、うちの奥さんは強すぎると呟いているのが聞こえた。
別に私が強いわけではない。情報を握った者が強者になるわけで、こちらも流してはいけないものも、無いこと無い。
それこそ、公に知れたら、大目玉を食らうこともあるだろう。
例えば、エールとこっそり交わそうとしている商売なんかは、そのたぐいになったりもする。
領主権限で、しれっとやってしまおうとしているのだ。
バレないにこしたことは、無い。法令のギリギリの線の上の更に黒い方に近いところを歩こうとしているのだから……
公都から離れたところにいるからこそ、できることではある。
ハニーアンバー店の販路をこっそり、バニッシュ領へと広げる計画だった。
「他に話すことは、ありますか?」
「こちらに来る直前、公からの手紙だ。内容については、知らぬが……まぁ、好きにしてくれて構わ
ない」
「ありがとうございます。近衛を借りる段取りが書いてあるのでしょう。
あと、ライズが勝手に受入れた文官たちのこととか……」
「そんなことが?」
「えぇ、まぁ、領地改革に必要なので、お願いしたまでですよ!もちろん、近衛に関しては、訓練の
一環で借りてますし、文官については、公のたってのお願いでしたから……手元に優秀な文官を置き
たいとのことです。しっかり、躾けて返してあげますよ!」
「躾けてって……アンナの魅せられてともいうよね?」
「そんなことは、ないですよ!そんなの、好みの問題ですから!」
「いや、そんなことは、ないだろう……みんな、アンナに褒められたくてって思うんだけどな……」
「気のせいです。他にはありますか?」
私は、ジョージアに話を促すと、難しい顔をしてこちらを見つめてくる。
なんだろうと小首を傾げると、子どものミドルネームを考えてくれていたようだった。
「クルトってどうだろう?ネイト・クルト・アンバー」
「いいと思います!」
「うん、じゃあ、名前はそれで……公表については、俺の方で手続きしておくから!」
「わかりました!お願いします!あっ!そうそう、教えてください」
「珍しいね、アンナが教えてくれというのは」
「ネイトの話なのですけど……」
「ネイトの?」
はいと返事をすると、なんだいとジョージアに促される。
そこで、投げかけてみることにした。
「アンバーの瞳についてです。私が知る限りでは、初めて聞くので……過去にそんな子どもがいたのか、
教えてほしいのです」
「それは、どういう……」
「瞳の色は私と同じアメジスト色をしていました。それを囲むように、蜂蜜色の輪があるのです……」
「珍しいね……聞いたことがないけど……ネイトも、アンバーの瞳として扱われるだろう。
一応、調べておくよ!」
「お願いします!」
「瞳の色だけでも、僕たちの子どもだってわかるなんてね」
「本当ですね……」
「俺の瞳は、アンバー公爵家だけのものだし、アンナの瞳の色も珍しい色だからな……」
「あまり見かけませんね?」
「何かしらの遺伝的なものだと思うよ。たぶん、アメジスト色の瞳の人は、アンナとは、何代も前に
繋がっているはずだよ」
「そうなのですかね?」
「うん、アンナもサシャもお義母様も、たぶん珍しい血筋なんだと思うけどね?」
「お転婆家系ですけどね……」
私自身と母を考え、何代か前の娘にも似たようなタイプがいたことを考えると……そういう家系なのだろうと思える。
おもしろい話を聞けたなと私は自分の先祖に思いを馳せ、クスっと笑うのであった。
相当な時間を眠ってしまっていたのか、外は暗い。
椅子に座ったまま、眠ってしまったのだろうか?デリアもノロノロと体を起こしている。
「……デリア、大丈夫?昨日から、あまり寝てないのでしょ?」
「大丈夫です。それより……」
ベビーベッドの近くに椅子を置いて、ずっと見ていてくれたのだろう、私が起きるまで。
デリアは、ベビーベッドから抱き上げて、ネイトを私のところまで連れてきてくれた。
「ありがとう」
「お腹すいてるのかもしれませんね」
私はネイトに母乳をあげると、静かに吸い始める。
ただ、アンジェラのときと違い下手なようで、お互いが戸惑っていた。
「どうされたんですかね?」
「うーん、よくわからないとか?」
「アンジェラ様は、そんなことなかったですけど……」
「あの子はあの子、この子はこの子よ。比べるものではないでしょ?」
「そうですね。すみません」
あくびを噛み締めて我慢したデリアの腕を引っ張ってベッドのヘリに座らせる。
寝不足のデリアは素直に座った。
「ど……どうされたのです?」
「寝不足なのに立ってたら危ないかと思って。リアンに声をかけて、少し休みなさい。
この屋敷は、デリア、あなたが回しているのだから、倒れられたら困るわ!
それにそんなことがあったら、私がディルに怒られてしまう。
それに、もぅ、大丈夫だから、リアンを呼びにいってらっしゃい」
ベッドから立ち上がり、部屋から出て行くデリア。
その後ろ姿を見て、お疲れさまと声をかけた。
入れ替わりにリアンが入ってきてくれる。
「アンナリーゼ様、もうよろしいのですか?」
「えぇ、もう大丈夫よ!よく、眠ったようだし、あとは、この子の食事だけ終われば、落ち着いた時間に
なると思うの」
「旦那様もお呼びになりますか?目を覚ましたら、話がしたいって」
「えぇ、呼んでくれる?」
もういいのか、きょとんとこちらに焦点の合わない目をネイトは彷徨わせている。
背中をさすると、ゲホとしていた。
すぐにベッドへとも思ったが、気持ちよさそうにしているのかな?と見てとれたので、リアンが、帰ってくるまで抱きかかえていよう。
目をぱちくりとしていたので覗いてみる。
そういえば、瞳の色が不思議な、色をしていた。
私と同じアメジスト色の瞳の回りにほんのりジョージアのようなトロっとした蜂蜜色が囲んでいる。
不思議な瞳ねと、笑いかけても何の反応も無くすっとねむりについた。
「ゆっくり、おやすみなさい」
眠ってしまったので、ベッドから立ち上がってベビーベッドへと移す。
それがわかったのか、ご機嫌斜めに泣き始めた。
「あぁ、ごめんね……抱っこしててほしかったんだね……」
私は再度抱きかかえたところで、リアンとジョージアが部屋へと戻ってきた。
「アンナ、起きたかい?」
「えぇ、起きたわ!」
「今、どういう状況?」
廊下までぐずっていたのが聞こえていたのかあやしているのを見て、二人が何故かため息をついていた。
そんなに、似合わないのだろうか……?これでも、アンジェラを乳母の手を借りず、みんなの手を借りて、育てたんだけど……と思う。
すでに泣き止んですやすやと我関せずに眠ってしまったネイトをまた、そっとベビーベッドに戻すと、やっぱりぐずってしまった。
そのやり取りを見て、どういう状況下わかったようで、リアンが代わりに抱っこしてくれると申し出てくれる。
「ごめんね……デリアもそこの椅子を使っていたから、良かったら使ってちょうだい」
「ありがとうございます。しばらくお借りします」
そういって、リアンはネイトを抱き、座ると優しいお母さんに抱きかかえられて、ネイトが喜んでいるようで、少し悔しい気もする。
「ネイトは、リアンに任せて、少し話そうか」
「えぇ、ごめんなさい。それで、何かあるかしら?」
「まず、公都の話が必要だろう。まだ、出産したばかりで疲れているだろうけど、耳に入れておいた方が
いいこともあるかと思って」
「何か悪い知らせですか?」
「悪いというか……公妃のお茶会の話だ。公も俺も男だから、参加してなかったんだけど、相当、公妃が
アンナを悪く語っているという話だね」
「まぁ、女でありながら、公爵の位を得たこと、それも自身の実家より位が高いことが、気にくわない
のでしょう。それは、最初から、公とも考えていましたから、大丈夫です。あまり酷くなれば、手は
うちますよ!
何も領地に籠って遊んでいるわけではありません。もう少ししたら、ローズディアの交通網は全部私の
手中に入りますからね。
出しゃばってくるなら、それ相応の対応はしますよ!
もちろん、ご実家の公爵家とは、わりと友好的な関係を結ぼうとしているところですから、水に流す
こともできますし。それは、おバカな公妃が、私に対してどう対応するかによりますけどね」
「確か、公妃の実家は……南のだったな」
「そういうことです。ローズディアの経済は、もうすでに私の手中といっても過言では、ありません
から!」
ニッコリ笑うと、ジョージは引きつった顔を向けてくる。
別にたいしたことではない。
公爵になったことで、義務も責任も何もかもが増えた。その中には、貴族権限で何かしらの恩恵もあるのだ。
叩けば埃がでない貴族はいない。私も含めて。
そういうことだ。清廉潔白で、この貴族社会を生き抜くことは難しい。
何かしら後ろ暗いところを、みな持って生きているのだから、そこを抑えた者勝ちである。
「その顔は、何か掴んでいるようだね」
「掴んでいるかどうかは、言えませんけどね……それなりに、あるんですよ!貴族ってものには、仄暗い
部分が。ジョージア様には無縁でしょうけどね!
ジョージア様は、そのままのジョージア様でいてくださいね!」
「アンナが何を掴んでいるのかは、わからないけど、俺もいつまでもそういうわけには、いかない
だろう?アンナにばかり任せるわけにはいかないし……」
「任せておいてくれればいいですよ!私は、私のやり方で戦うだけですから、ジョージア様は、どうか
静観を。また、何かあったら教えてください!私のちゅんちゅんも優秀なのですけど、国内全域
となると、範囲が広すぎるので、ピンポイントで、情報提供の方がしてもらいやすいですからね!」
笑いかければ、うちの奥さんは強すぎると呟いているのが聞こえた。
別に私が強いわけではない。情報を握った者が強者になるわけで、こちらも流してはいけないものも、無いこと無い。
それこそ、公に知れたら、大目玉を食らうこともあるだろう。
例えば、エールとこっそり交わそうとしている商売なんかは、そのたぐいになったりもする。
領主権限で、しれっとやってしまおうとしているのだ。
バレないにこしたことは、無い。法令のギリギリの線の上の更に黒い方に近いところを歩こうとしているのだから……
公都から離れたところにいるからこそ、できることではある。
ハニーアンバー店の販路をこっそり、バニッシュ領へと広げる計画だった。
「他に話すことは、ありますか?」
「こちらに来る直前、公からの手紙だ。内容については、知らぬが……まぁ、好きにしてくれて構わ
ない」
「ありがとうございます。近衛を借りる段取りが書いてあるのでしょう。
あと、ライズが勝手に受入れた文官たちのこととか……」
「そんなことが?」
「えぇ、まぁ、領地改革に必要なので、お願いしたまでですよ!もちろん、近衛に関しては、訓練の
一環で借りてますし、文官については、公のたってのお願いでしたから……手元に優秀な文官を置き
たいとのことです。しっかり、躾けて返してあげますよ!」
「躾けてって……アンナの魅せられてともいうよね?」
「そんなことは、ないですよ!そんなの、好みの問題ですから!」
「いや、そんなことは、ないだろう……みんな、アンナに褒められたくてって思うんだけどな……」
「気のせいです。他にはありますか?」
私は、ジョージアに話を促すと、難しい顔をしてこちらを見つめてくる。
なんだろうと小首を傾げると、子どものミドルネームを考えてくれていたようだった。
「クルトってどうだろう?ネイト・クルト・アンバー」
「いいと思います!」
「うん、じゃあ、名前はそれで……公表については、俺の方で手続きしておくから!」
「わかりました!お願いします!あっ!そうそう、教えてください」
「珍しいね、アンナが教えてくれというのは」
「ネイトの話なのですけど……」
「ネイトの?」
はいと返事をすると、なんだいとジョージアに促される。
そこで、投げかけてみることにした。
「アンバーの瞳についてです。私が知る限りでは、初めて聞くので……過去にそんな子どもがいたのか、
教えてほしいのです」
「それは、どういう……」
「瞳の色は私と同じアメジスト色をしていました。それを囲むように、蜂蜜色の輪があるのです……」
「珍しいね……聞いたことがないけど……ネイトも、アンバーの瞳として扱われるだろう。
一応、調べておくよ!」
「お願いします!」
「瞳の色だけでも、僕たちの子どもだってわかるなんてね」
「本当ですね……」
「俺の瞳は、アンバー公爵家だけのものだし、アンナの瞳の色も珍しい色だからな……」
「あまり見かけませんね?」
「何かしらの遺伝的なものだと思うよ。たぶん、アメジスト色の瞳の人は、アンナとは、何代も前に
繋がっているはずだよ」
「そうなのですかね?」
「うん、アンナもサシャもお義母様も、たぶん珍しい血筋なんだと思うけどね?」
「お転婆家系ですけどね……」
私自身と母を考え、何代か前の娘にも似たようなタイプがいたことを考えると……そういう家系なのだろうと思える。
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